~既設橋梁の耐震補強のポイント~
①昭和55年道示より前の基準による鉄筋コンクリート橋脚の段落とし部の破壊
・単柱式の橋脚では、甚大な被害例が多い。
・ラーメン橋脚、壁式橋脚では、1例、いずれも橋軸方向の地震力が集中する連続橋の固定橋脚において生じている。
<対策>
段落とし部における曲げせん断破壊を防止するための、巻き立て工法等が有効。
②昭和55年道示より前の鋼製単柱橋脚
・単柱形式の鋼製橋脚の局部座屈に伴う、溶接部の破断によるけたの沈下
・円形断面の提灯状の座屈による大きな残留変位、破断
<対策>
鋼製橋脚のじん性を向上させる工法、コンクリート充填構造、角部の溶接部の破断を防止する角 補強が有効
③支承の破断に伴う落橋
・単純桁形式の上部構造を有する橋
・連続橋では、支承破壊に起因して上部工が落下した事例はない、
・斜橋、曲線橋では、橋軸直角方向の回転変位が大きく生じて落下した事例がみられる、
・液状化に伴う、流動化が生じる地盤では、下部構造の変位により上部構造が落下、あるいは落下寸前となった事例がみられた。
<対策>
落橋防止システム(けたかかり長、落橋防止構造)の整備が有効である、斜橋、曲線橋など橋軸直角方向の変位が生じる場合には、橋軸直角方向にたいする変位制限構造が有効となる。