2014年のヴェルメイユ賞、凱旋門賞トライアルの週にロンシャンに出かけたのが海外競馬の最初でした。いろいろあって、2014年に初めて海外競馬へ行ける暇ができて、それで日本の競馬場でなくロンシャンまで出かけて、写真撮って、それをブログに飾って、馬名を英字表記も入れて、それで海外のグーグルとか検索サイトの画像検索画面でどれだけ上位に行けるだろうと思って、トレヴなどの写真を載せたところ、まとめサイトに拾われた幸運もあって、全世界の画像検索サイトでトップになってしまうことになりました。

 

画像検索サイトは、動画検索ように回数でなく、多くの人が長い期間見続けたかが評価されます。これは用語検索も同じです。同じ人や同じ事務所や同じ場所から、何回ヒットさせようが、いわば1件としてカウントされて、どれだけの広がりがどれだけ続けてあるかが評価されて検索画面に現れます。そのためウイキペディアなんかが上位に来ます。逆に大いに作為的なものがあったと判断されると、その分は全てカウントされないこともあるのです。(つまり指先までグーグルが感知しているのです。これを国家的にやられればプライバシーは漏洩される恐怖でなく、管理される事態がやってきます。)

 

用語検索や記事検索で上位に来るために、1年前の記事項目がサイトに紹介されたりもするし、関連したことが起こると直接関係がないのに関係があるように、まるで今起こっているかのように表示してクリックされるようにしているマスコミなどのサイトがほとんどですが、これによりマスコミなどのサイトの記事を継続してずっと見られている仕組みにして、結果、その仕組みを持っている記事が検索上位に来るようにしています。検索で上位を保ち、それでそのサイトの広告価値を上げたり保ったりするのが目的です。そのため、その仕組みを持たない個人の画像がずっとトップに立ち続けることは容易ではありません。でも結構な期間トレヴの画像数枚はトップでした。見ているとマスコミの記事が落ちていく感じでした。

 

ただ、そこまで数十年、自分自身はただの競馬写真オタクと思っていたので、この結果には驚きました。本当に最初のショットでそうなりましたし。NHKの特番なら、みゆきさんの歌が一言も始まらないうちに物語が完結してしまったので。「これより下の結果しか出せないプロカメラマンの先生が審査員のコンクールには出せなくなったなぁ」がその時の本音でもありました。

 

ただ偶然で終わらせたくないと2015年も現役続行を決めて凱旋門賞三連覇にむかうトレヴを撮りにロンシャンへ出かけました。それで何枚か撮って掲載した中の写真の1枚が上の写真です。

 

後ろに写っている人がただのトレヴのファンでなく、どうも競馬のエライサンだったのです。フランスのグーグルですごい勢いで上がり切った後、フランスだけ消えました。他はトップでした。フランスだけ作為的なものがあると判断されたようです。日本から個人で発信しているのにです。その点でこの写真は思い出に残っています。

 

それから何度も海外の競馬へ。着いたホテルで最初にやることは、現地のグーグルに馬名を入れて、自分の画像がどれだけにいるかを確かめる、人とは違った日常がありました。現在新型コロナは収まっておらず、ただもう世の中全体にお金が無くなってしまったのでマスクを外そうとしているだけで、日本でも去年と比較すると10倍以上の感染者だけれど、仕方がないと考える人が増えてきているだけだけで、これからどうなるかなと思うけれど、もう一度この日常が来ると良いなと思っています。

 

それにしても競走馬の写真は全身が写っていないとなんの価値もないなとこの写真を見ても思います。デットーリジャンプばかりのエネイブルの写真はすぐにデットーリ騎手の記録になり、今となっては、なんの価値もなくなりましたから。全身が写っていると他と比べられる楽しみがありますし。それが競馬写真の魅力の大きなところであるべきだと思います。

 

PS)とはいえグーグルは、位置情報の精度が上がったというか、例えばどの国のグーグルを使っても、日本なら同じ検索結果が出る方向になっています。あくまで数年前までの話です。いまはグーグルではこんな楽しみ方はできません。そういう意味でも幸運だったと思います。