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一松亭のブログ

労働問題、社会問題、心に残る映画について書いています。

内容に悩んで、なかなか書けなかった『ソウルの春』です。
近年なかなか映画を見に行く脚が遠のいていますが(加齢による体調の問題)、なんとかこれは見ました。
「ソウルの春」は1980年のチョン・ドゥハンによる粛軍クーデターを題材にした映画で、登場人物は仮名になっていますが、実在のモデルは誰というのはすぐわかります。
ファン・ジョンミン演じるチョン・ドゥグァン少将(モデルはチョン・ドゥハン)の憎々しさは秀逸です。なぜ彼がクーデターを起こしたのか?そこには一片の思想性も愛国も見えない描き方です。軍事政権の頃の韓国の国是は反共が全てでしたが、彼の行動の目的に反共なんて出てきません。自分の属するハナ会の生き残りが全てです。


私はよく時代劇を見ますが、政変が、それぞれ言い分はあるにしても一片の歩み寄りの無い「○○派」vs「××派」の繰り返しで、その図式がそのまま繰り返されているように見えます。ちょうどこの映画を見た時にドラマ「ポッサム」の再放送をやっており(今またBSで始まりました)、しばらくして「華政」の再放送を見てやはり同様の感覚を覚えました。(どちらも好きなドラマです)今回の戒厳令への行動は軍事政権以来の弾圧との闘いの中で積み上げられてきたもので、それらとは根本は違うと思いますが、怒られるかもしれませんが正直ちょっと重なる部分を感じています。
戒厳令の前に左派の人があの大統領のことを「あの鶏頭」とかぼろくそに言っていのが頭に残っています。
なお、この『ソウルの春』でチョン・ウソンが演じたイ・テシンのモデルがチャン・テワンです。

    
この方はドラマ「第五共和国」では実名チャン・テワン(張泰玩)で登場し、しかも実像にかなり近い激しい性格の方を時代劇でおなじみのキム・ギヒョンさんが演じておりました。今再放送中の「大王世宗」で領議政ユ・ジョンヒョンを演じている方です。
この映画で奥イ・テシンと彼の妻とのシーンが印象深いですが、事実を見てみるとチャン・テワンの一家は事件後悲しい運命が待ち構えています。チャン・テワン自身はその後国会議員にもなりましたが、彼の父親は粛軍クーデターのニュースを聞いた後、「昔から国に謀反がある時、忠臣の家族は謀反者の下で生きていけない」と言い、断食により1980年4月18日に死去、1982年1月9日、ソウル大学校1年生の息子は家を出た後に行方不明となり、1か月後に祖父の墓の近くで変死体で発見、妻は張没後の2012年1月17日に遺書を残して自宅アパートから投身自殺をしています。(wikipediaより)そう考えると妻(演じるのはチョン・スジ)との分かれのシーンが一層重く感じられますね。
またNHKのバタフライ・エフェクトでアジアの隣人として韓国の「戒厳令との闘い」が取り上げられ、韓国映画の戒厳令関連のシーンから「南山の部長たち」「光州5・18」「タクシー運転手」「1987 ある闘いの真実」等の画面が出てきましたので、この機会に書きます。
7月17日(木)深夜、正確には18日(金)0:10〜0:55に再放送があります。
以下「南山の部長たち」(パク・チョンヒはイソンミン、再放送中の「世宗大王」のチェ・マルリ)、「光州1980」(パク・フンスはアン・ソンギ)」、「1987 ある闘いの真実」(イ・ハニョルはカン:ドゥンウォン)、「タクシー運転手」(キム・マンソプはソン・ガンホ)、直前になりましたが、ご覧ください。

『地下水道』(57)、『灰とダイヤモンド』(58)、「大理石の男」(77)で知られるポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督が、20世紀を代表する偉大な人道主義者・コルチャックの半生を描いた名作が、戦後80年を記念してリバイバル公開されます。

私も平成3年に当時の岩波ホールで見ました。人間の尊厳をことごとく奪われていく中で、それでも子どもたちが生きるために全身全霊を傾けるコルチャックの姿に心を揺り動かされます。ワイダ本人が「持てる才能と技能のすべてを『コルチャック先生』に注ぎ込んだ」と語っています。死出の行進に際してもそれをおくびにも出さず生徒たちを勇気づけ進んでゆく姿に私はイエス・キリストの姿を重ねました。


6/13(金)より全国順次公開されます。
https://korczak2025.jp

東京都は、YEBISU GARDEN CINEMAmorc阿佐ヶ谷

28日(土)より横浜、シネマ・ジャック&ベティ

等々


なお、またこうしてこの映画が多くの人の目に触れるのが喜ばしいとともに、この映画のほかパン・タデウシュ物語、大理石の男、ダントン等多くのワイダ監督の作品が公開された岩波ホールがもう無いというのは何よりも残念なことです。

 

存続を危ぶんでいた西武池袋本店9階の『睡蓮の庭』と『食と緑の空中庭園』に動きがありました。

4月22日に改装工事に入っており、半分強でしょうか、以前飲食の店舗があった一画、Fish&chipsのmalinsのあった所から北側、睡蓮の庭方面が立ち入れなくなっています。malinsは好きだったので、渋谷西武と六本木の店は行きました。

奥の『睡蓮の庭』の一角は維持されているのが見えます。まだ立ち入れた時にみると荒れ果てていた部分がきれいに剪定がされていましたので、まあ良い方向に行くのではと思います。

ただ真ん中の飲食スペースがどうなるのかはまだわかりませんが。ビアガーデンには狭いですね。前はここで食べてると雀がおこぼれのおねだりに来たものです。

もしここが無くなるならもう西武は行かないとか思っていましたけれど、もうすこし経過を見ていきたいと思います。

もうあまり買い物をしなくなった自分ですが、母が亡くなった時の香典返しでは重宝しました。また金曜夕刊の百貨店のイベント一覧は必ず見ていました。西武の7階で定期的に開催されていた骨董マーケットも必ず行っていました。昭和の池袋を再現したレトロ百貨店なんてイベントもありましたね。一方東武では今日からの「昭和のレトロ世界展」です。

 

 

 

 

年初より重いミッションが怒涛のように続いた4ヵ月、まったくブログの更新ができませんでしたが、やっと一息ついたところに『島さん』の”7”が出版されました。


”6”の時に累計100万部突破とあったのが、今回は110万部突破とあります。
本当に良い作品が皆から愛されるのは嬉しいです。また、世の中の片隅で一生懸命生きている一人一人にスポットライトを当ててくれる作者にも感謝です。また、この作品は、一つ一つの言葉が心に沁み、ともすれば薄れがちな人と人との繋がりの大切さを思い起こさせます。
また今回は、島さんの悲しい秘密が一つあきらかになります。


思わず笑ったところも。
ずっと続いてほしい作品ですね。

前に触れましたが『乾と巽 -ザバイカル戦記ー』が完結しました。
コルチャーク提督とカッペリ将軍が倒れ、内戦も終結に、そしてカッペリ兵団の最後の闘いが描かれます。乾と巽は?
是非第11巻を手に取ってください。(発売の7月からかなり時間が経ちましたが)


白軍の敗戦と極寒のシベリアの東への撤退は過酷なもので多くの犠牲が出ました。

 

 


ところで本作で重要な役割を果たすコルチャーク提督は冷徹な人物に描かれていますが、ロシア映画「Admiral」(2008年 国内発売のDVDのタイトルは「提督の戦艦」)ではもう少し人間的魅力のある人物に描かれています。不倫のシーンは余計ですが、バルト海で水雷亭でドイツの戦艦を機雷原に引き込み撃破するシーンがよいです。ちなみに船上のシーンの一部にはNHKドラマの「坂の上の雲」(2009~2011年)にとても似ている部分があります。(日清戦争での通報艦「筑紫」で敵の砲撃を受けるシーンです。どっちがどうとは言いません。どちらもよくできています。急いでブログをアップしようと思ったのもテレビの「坂の上の雲」の再放送のせめて日ロ開戦の前にと思ったからです。)

革命後の激動と惨さも必見です。兵を鼓舞するコルチャーク提督とカッペリ将軍です。広大な広大な雪原での軍楽隊のスラビヤンカに送られての横隊での突撃のシーン、この時代は陸戦はまだこういう戦い方だったんだなとわかります。


コルチャーク役のコンスタンチン・ハベンスキーはロシアの国民的俳優で、シリアスな役、コミカルな役、様々な役を演じ、最近は監督デビューもしています。
ところで「提督の戦艦」でコルチャークの恋の相手のアンナ役の女優はエリザヴェータ・ボヤルスカヤ、ロシアのドラマ「エカテリーナ大帝」(2015年)でエカテリーナを演じています。(後年を演じるのはヘレン・ミラン)
一方「坂の上の雲」で広瀬武夫の恋人アリアズナ役の女優はマリーナ・アンドレーエヴナ・アレクサーンドロヴァ、ロシアのドラマ「エカテリーナ」(2014年)で女帝エカテリーナを演じています。こちらはエカテリーナの前半生部分で、日本でも放送されています。お二人とも雰囲気は似ていますが別の方です。
個人的にはマリーナ・アンドレーエヴナ・アレクサーンドロヴァの瞳の輝きが魅力に思います。


なお、英語字幕の「Admiral」はYotubeでご覧になれます。
https://www.youtube.com/watch?v=RESCAwRKvck&t=4185s