”『緑豆の花』~熱き誓い、戦士達の登場” | 一松亭のブログ

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『緑豆の花』、東学側の登場人物がそろいましたね。チョン・ポンジュン、キム・ゲナム、ソン・ファジュンの誓いのシーン、熱いものがこみ上げます。戦士たちも勢ぞろい、西部劇風で、かっこいいですね。「六龍が飛ぶ」ならぬ「六虎が駆ける」とでもいいましょうか。

このドラマは銃が結構重要なパーツなのですが、まずイヒョンの銃、劇中では「村田銃」と言っていますが、三八式歩兵銃です。(明治38年採用の銃ですから、この時代のもっと後です。表尺を立てる射撃は400m以上の遠距離の場合で、後に対空射撃の際にも使われました。)
ポドゥリの使用する銃は劇中では「モーゼル銃」といっていますが、たしかに全体はGew88に見えます。(1888年ですから1894年には間に合いますね。細かいところは98kに見える部分もありますが。プロップガンとしては頑張ったと思います。)
イヒョンとポドゥリの銃の対決は、この物語の後半に思わぬ展開を迎えることになります。(涙)


このドラマで知ったのが「千歩銃」です。肅宗の時代に作られ千補(1800m)射程があったとか。現代のスナイパーライフルのように使用したのか、それともアンチマティリアルライフルのように使用したのか、興味がわきます。ガトリング銃も出てきますが、これも時代的にすでにあったものですね。

オープニングの「鳥よ鳥よ 青鳥よ 緑豆の畠に降り立つな」は全琫準が処刑されて間もなく、全琫準を密かに偲んで歌われた当時の歌を現代風の旋律にアレンジしており心に訴えかけるものがあります。この間乞食の集団が登場し、乞食節(カクソリ節)を歌っていましたが、アン・ソンギさんの名作「鯨とり」の乞食節のシーンを思い起こした方もいらっしゃるでしょう。アン・ソンギさんは少し前ご病気と聞きましたが、回復を願っています。私が韓国映画にはまるきっかけを作ってくれた不世出の名優です。