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STUDIO 67

ブルースとプロレスと、ほんのわずかの愛だけで生きていくBLOG

海外から見た日本人のメンタリティを現す
サイレント・ボマー」って言葉があります。
何をされても黙っているので怒ってないかと思うと、
ある日突然、思いもよらないところで爆発する。

日本人にとっては、その場で怒ることは何の意味もない。
どうせ口だけの反省で終わってしまうからだ。
耐えて耐えて耐え抜いて、最後に鬱憤を晴らすというところに
カタルシスを感じる民族なんだろう。

だから日本人は忠臣蔵が好きなんだ、と思う。
その場で怒りを爆発させた浅野は自刃させられ、
耐えに耐えた大石たちが本懐を遂げるというのは
「短慮は損」という日本人のメンタリティをこれ以上ないくらいに
現していると思う。

そんな忠臣蔵、映像化された作品は八十本を超えるそうで
興味はあるけど、どれを見たらいいかわからない人もいるでしょう。
そこで今回は忠臣蔵を見続けた私的な感想を。
あなたの忠臣蔵ライフ?の役に立てば幸いです。

元禄忠臣蔵 前・後編(41年・松竹)
溝口健二が新作歌舞伎を映画化したもので
良く知られているように、討入り場面がありません。
手紙で討入りの様子を読み上げるという・・・。

しかも前後編あわせて4時間弱。長い。とにかく長い。
ドラマとしての出来はいいのですが、
やっぱり溝口作品のファン向けって気がします。

元禄忠臣藏(前篇・後篇)<2枚組>


忠臣蔵(58年・大映)
歌舞伎や講談で有名な場面をきちんと盛り込みつつ
3時間弱にまとめたスタンダードな忠臣蔵で。
初心者におすすめという評価にもうなずける。

大石役の長谷川一夫、吉良役の滝沢修は、
NHK大河ドラマで驚異的な視聴率を誇った
「赤穂浪士」と同じ。
現在、大河はフィルムが現存していないので
その意味でも貴重かもしれない。

とにかく無駄な場面がなく、見やすい作品です。

 

忠臣蔵 [DVD]


赤穂浪士(61年・東映)
一番最初に観た忠臣蔵の映画で、とにかく豪華。
立ち回りの派手さといい、役者の演技といい、
いかにも時代劇らしい時代劇です。

ただ、堀田隼人なる架空の人物が狂言回しになっている分、
冒頭三十分くらいは話がわかりづらいかもしれない。

片岡千恵蔵の大石は本当に素晴らしい。
東下り(名前を騙って江戸に向かう途中、本人と鉢合わせ)の
場面はこの作品が一番かも。

討ち入りで近衛十四郎演じる清水一角の殺陣は必見!
この人だけで四十七人全員切れるんじゃないかってくらい凄い。

 

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忠臣蔵(85年・日本テレビ)
映画じゃないけど、この作品に思い入れがある人も多いはず。
今回改めて見直したけど、丁度よいボリュームと見やすい演出。
気軽に観られる忠臣蔵ってところですかね。

個人的な話だけど、舞台で浪士の一人、杉野十平二
演じたことがあるので、この人のエピソードがあるのは嬉しいね。
大砲を敵に売ろうとする叔父たちを相手に立ち回る役です!
(あと、そば屋に変装するのも定番)

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四十七人の刺客(94年・東宝)
名作時代劇「十三人の刺客」にタイトル似てるなあと思ったら
原作・脚本が同じ人なんですね。

刃傷の場面をあっさりと省略。大石以外の浪士の出番もなく、
吉良邸をどう攻めるか、どう守るかで話が続いていく
「ドキュメンタリータッチの忠臣蔵」。
時代劇はちょっと・・・という人にもすんなり見られるはず。

世間では賛否両論のようだけど、僕は好きだな。

最初にも書いたけど、耐えて耐えて最後に爆発する、
というのはかつて一世を風靡した仁侠映画と同じ構造。
だから健さんが大石を演じるのも必然と言える。
健さんご本人もお気に入りのようです。

四十七人の刺客 【期間限定プライス版】 [DVD]

いかがだったでしょうか。
「日本テレビ版」「大映版」「東映版」あたりがおすすめですね。
ちなみに、キアヌ・リーブスのアレはまだ観てません!

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*追記
続編をUPしました