1.MADNESS
2.STARDUSTS
3.IJIWARU
4.ふられ気分でRock'n' Roll
5.今夜は…
6.サマータイム グラフィティ
7.MIDNIGHT ANGELS
8.パークエリアに今夜9時
9.目をとじて
10.ダイヤモンド・シンドローム
青春のサウンドトラック(この書き出しばっか)
僕が初めて「音楽」というものを意識したころ
狂ったように聞いていた。
TOM★CATがデビューした80年代は
「YMO」に代表される最新のテクノ・カルチャーと
「なめ猫」や「横浜銀蝿」のような古臭いヤンキー文化が
お互いを疑うことなく共存していた。
80年代の好景気はアメリカの50年代に例えられ
オールディーズブームが起こり、それを日本的に解釈した
独自の文化が花開きつつあった。
「テクノ・ポップ」と「ヤンキー」と「オールディーズ」。
それらが天才・TOM氏によって絶妙にブレンドされて
この傑作アルバムは生まれた。
その最も分かりやすい例が大ヒットした
「ふられ気分でRock'n' Roll」だろう。
だけど、僕が彼女の音楽に惹かれるのはまた別の理由。
それは歌詞。
特に「終わりかけの青春」を描かせたら彼女の右に
出るものはいない。
「サマータイム グラフィティ」での
「頼もしくて生意気なやつらも今じゃ
ナリをひそめてそれなりに暮らしてるのさ」という歌詞。
あるいは「ダイヤモンド・シンドローム」での
「目の前を通り過ぎていく馬鹿げたカルチャー
足元にはジャンクと化した60’S」という一節。
そして僕が最高傑作として疑わない「パークエリアに今夜9時」。
どうしようもない寂寥感が、いまだに僕のプレイヤーから鳴り続ける
理由だと思っている。