TOM★CAT【TOM★CAT】 | STUDIO 67

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ブルースとプロレスと、ほんのわずかの愛だけで生きていくBLOG

1.MADNESS
2.STARDUSTS
3.IJIWARU
4.ふられ気分でRock'n' Roll
5.今夜は…
6.サマータイム グラフィティ
7.MIDNIGHT ANGELS
8.パークエリアに今夜9時
9.目をとじて
10.ダイヤモンド・シンドローム

 

青春のサウンドトラック(この書き出しばっか)

僕が初めて「音楽」というものを意識したころ

狂ったように聞いていた。

 

TOM★CATがデビューした80年代は

「YMO」に代表される最新のテクノ・カルチャーと

「なめ猫」や「横浜銀蝿」のような古臭いヤンキー文化が

お互いを疑うことなく共存していた。

 

80年代の好景気はアメリカの50年代に例えられ

オールディーズブームが起こり、それを日本的に解釈した

独自の文化が花開きつつあった。

 

「テクノ・ポップ」と「ヤンキー」と「オールディーズ」。

それらが天才・TOM氏によって絶妙にブレンドされて

この傑作アルバムは生まれた。

その最も分かりやすい例が大ヒットした

ふられ気分でRock'n' Roll」だろう。

 

だけど、僕が彼女の音楽に惹かれるのはまた別の理由。

それは歌詞。

特に「終わりかけの青春」を描かせたら彼女の右に

出るものはいない。

 

サマータイム グラフィティ」での

「頼もしくて生意気なやつらも今じゃ

ナリをひそめてそれなりに暮らしてるのさ」という歌詞。

 

あるいは「ダイヤモンド・シンドローム」での

「目の前を通り過ぎていく馬鹿げたカルチャー

足元にはジャンクと化した60’S」という一節。

 

そして僕が最高傑作として疑わない「パークエリアに今夜9時」。

どうしようもない寂寥感が、いまだに僕のプレイヤーから鳴り続ける

理由だと思っている。