テスコの部屋へようこそ。
なんてことはさておき、前回紹介したグヤトーンは
グニャッとした社名の響きと裏腹に、
割と堅実なギターメーカーだったと思う。
しかし今回紹介するメーカーこそセンス・オブ・ワンダー、
海外に熱烈なマニアを持つビザールギターの王国、
その名もテスコ。
50年代から70年代初頭の十余年の間に、
膨大な種類のギターを残した時代の寵児を
(なんとなく)まとめてみた。
・TG-64
テスコの主力機種。
ジャズマスター風のオフセットボディに時代を先取り過ぎた
モンキーグリップを備えたパンク過ぎる逸品だ。
なお、エレキ映画の金字塔「エレキの若大将」に
テスコは協力しており、TG-64が大量に見られるので
ビザールギターファンは必見だ。
※ただし映画後半でヤマハとモズライトに出番を奪われてしまう。
テスコ社員の心境やいかに。
・WG-4L
ベストセラーらしく、市場にも多く出回っている。
(テスコにしては)スタンダードなルックスと
「ピックアップは数だよ兄貴!」と言わんばかりの密集具合が
高度成長時代をしのばせる一本ですね。
・K-4L
ビザールギター・ブームの火付け役ともいえる
デヴィッド・リンドレーの愛器としても有名。
個人的にもこのモデルが一番テスコらしいと思う。
やはりピックアップ数=正義。
・May Queen
ビザールギターの極北。名前がジャガイモってお前。
・Spectrum 5
出た!テスコの最高機種!
モズライトにも採用されたジャーマンカーブと
オモチャみたいにカラフルなスイッチ群。
昔流行ったフラッシャーつき自転車を思い出しちゃうよ・・・。
最近復刻されましたね。
他にもここに紹介しきれないくらい多数のギターを
短期間のうちに開発・販売しており、
そのことが最終的に経営が行き詰ってしまった理由かと。
しかしここで無数に繰り返されただろう試行錯誤が、
日本のギター制作に反映されたことを考えると
立つ瀬もあると思うんだよね。
最後に、テスコがカワイに吸収された後開発された名器を。
・SD-40
あのハウンドドッグ・テイラーが狂暴な音をかき鳴らした
カワイ/テスコの名器を、前回も紹介した
Eastwood Guitarsが復刻したもの。
いやこれ、結構欲しいんですけど。
ではまた。