※長文ですが、思うところのある記事なので
いろいろ書いております![]()
最近、
ドラマ番宣記事も書くようになったので、
リリース資料以外に
ドラマのチェックもすることに![]()
きのう22日からスタートした
相葉雅紀主演の
テレ朝金曜ナイトドラマ
「和田家の男たち」に
ツボりました![]()
新聞記者の祖父(段田安則)、
テレビ局
報道プロデューサーの父(佐々木蔵之介)、
ネットニュース記者の息子(相葉雅紀)。
ひとつ屋根の下で暮らすことになった
マスコミ三世代が織りなす
ホームドラマです![]()
コティマム家としては
とてもとても共感できるドラマ![]()
夫・ジェイソンはテレビマン歴18年で
情報&報道畑。
私はテレビとweb媒体で
業界歴15年(ほぼ芸能ですけど)。
新聞だけは未経験ですが、
夫は東海地方にいた時に
県警記者をしていたので、
新聞記者と共に現場を動き回っていて、
かなり
新聞寄りの働き方をしていました。
そして私も芸能記者時代の
上司(編集長やデスク)が
ほぼスポーツ紙出身者ばかりだったので、
かーなーり新聞よりな
取材の仕方と原稿を書いていました![]()
今回の
「新聞、テレビ、ネットニュース」に
関しては、
どのジャンルもわかるネタなので、
世界観に引き込まれました![]()
「あー、わかるわー」
と思いながら見ていた![]()
相葉くんが作る
美味しい手料理を囲みながら、
報道のあり方を議論する
祖父(新聞)と父(テレビ)。
うちも普段、
夫とよくニュースを見ながら
番組構成、取材の仕方・切り口、言葉遣い、
テロップなどの表記、表現の仕方、
表現のレパートリー(景色や食レポ)なんかを
延々と議論しています![]()
そしてコロナで仕事を失った相葉くんが、
ネットニュース記者に転職し、
「すき焼きの裏技(牛乳を入れて食べる)」
という記事を
初めて執筆した翌朝のシーンが印象的でした![]()
初めて自分が執筆した記事が掲載され、
嬉しくて祖父と父に報告する相葉くん。
しかし……。
相葉くん
「(記事が)アップされたんです![]()
署名も載ってるんです
」
祖父
「……句読点の打ち方が間違ってるぞ。
校閲はおらんのか?」
父
「ネット記事に校閲はないらしいですよ」
祖父
「校閲がない!??」
父
「アップした後もすぐ直せますから」
祖父
「そんな無責任な。
校閲を通す余裕はあるだろう?」
父
「“私たち”とは価値観が違うんです」
相葉くん
「あとで直しますね
」
祖父
「ネットニュースにとっての
矜持とはなんなんだ?」
相葉くん
「矜持……?」
祖父
「プライドだ!」
相葉
「ビュー(プレビュー)を稼ぐことです。
ビューを稼ぐことが
ネットのニュースの正義であり、評価です」
父
「よりによってコタツ記者になるなんて……」
祖父
「コタツ記者?」
父
「取材をせずにコタツに入ったまま
記事を書けるということです」
祖父
「和田家の恥だ!!」
これはまぁちょっと
オーバーに描きすぎていますが、
この
「新聞&テレビ&
一部web媒体VS
ネットニュース」
という構図は、
コティマムも身近に感じて来ました![]()
![]()
ここで父が言っている“私たち”っていうのは、
「報道」って意味だと思います。
報道視点からいうと、
ネットニュースは信憑性がなくて
とても恐ろしいものです![]()
劇中では、報道マンの父が
スクープを取るために
何度も何度も
証拠を重ねていく様子が描かれます。
「マスゴミ」ってバカにされますけど、
裏どりやWチェック、三重四重チェックは
当たり前で、ものすごく慎重にやっています。
家族にも秘密を明かさない。
スクープを報じた父は相葉くんに
「俺はプロ。お前は素人だ」
と言い放ちます![]()
新聞もテレビも、
そして大手webメディアも、
言葉の使い方、選び方、取材、
裏どり、許諾、著作権、
このあたりはすごくシビアにやっています。
私が芸能記者を辞めて
東海地方に行くことになった2016年後半、
初めて
「webライティング」の世界に入りました。
この時とても驚いたのは、
「取材をしなくても、裏どりしなくても
写真を撮らなくても記事が書ける」
ということでした![]()
東海地方に行く直前に、
某有名企業が運営していたwebメディアの
在宅ライターの面接に行ったのですが、
その時に依頼されたのは
ネットのまとめ記事でした。
「あるテーマについて
ネットから情報を調べて
まとめて書く」
というもの![]()
「これらの事実確認はどうしてますか?
むしろ、このテーマについて
専門家に直接聞いちゃっていいですか?」
と質問した時、採用担当者は
「いえ!
まとめ記事なのでそこまでしなくて
大丈夫です。あくまでも
ネット情報をまとめて、わかりやすく
読者に提供することが目的なので」
と答えました。
「え?どういうこと?
そんなことがあっていいのか?」
私は怖くて
この媒体では記事が書けませんでした![]()
その後、
この媒体は
炎上して潰れました。
根拠のない情報が
たくさん載っていたからです。
学生ライター、主婦ライターが
とても安い単価で
記事を書かされていたと思います![]()
ライターを志す人にとって
「まとめサイト」や
「キュレーションメディア」は
門戸が広く、
経験を積みやすい場だとは思います。
1文字1円、2円から
(もっと低い場合もあるでしょう)
スタートして、単価を上げていく。
でも、決して簡単な世界ではない![]()
ネットで情報を調べるにも時間がかかる。
割に合わない場合もあるでしょう。
2021年の現在、
2016年頃のような
悪質なまとめサイトや
キュレーションメディアは
かなり減ったように思います。
個人が書くブログのような記事であっても、
個人の経験談や体験談を綴るコラム、
「実際にやってみた、行ってみた、
話を聞いてみた」
のような記事なら、
それはオリジナル記事であり、
きちんと裏も取れていますからね。
最近はネットニュースでも
ただネットで調べたまとめ情報よりも、
オリジナル記事の方が多い気がします。
私がwebの世界に足を踏み入れた当初は、
本当に著作権的にアウトな
ネット記事がたくさんありました![]()
なんなら、
私が書いて撮った記者時代の芸能記事が
サイトにまとめられていて、
写真を勝手に使われていたりもありました。
(これはオリコンの記者さんも
同じことされたって言ってたな。
「私が撮影した写真なのに」って。
これが個人のブログに載るのはいいとして、
メディアとして載せてたらアウトですよね。
でもこんなのがあの頃は平気であった
)
だから新聞やテレビの記者は、
ネットニュースには懐疑的になりやすい。
(ちなみに、現場の暗黙のルールで
立場の優位度は新聞>テレビ>webです)
でも今は
SNSやYouTubeがメインの世界。
新聞、テレビのやり方に
こだわりすぎていたら、
逆に世の中についていけなくなる。
「現場に赴く」「裏どりやWチェック」
「著作権」は基本中の基本で
とても大事なことだけれど、
コロナも経て今は
リモートでなんでもできる世界
になりました![]()
だから、いろいろな自由な記事が
あってもいいと思います。
(モラルは守ったうえで)
私はこの感覚になるまでに苦労しました![]()
どうしてもテレビや報道の場で
学んだことを軸に考えてしまうから。
最初はネットニュースにも抵抗がありました。
(まぁ結局今も取材ありきや、
公式資料やリリースがある原稿を書いている)
今でも色濃くテレビや報道の価値観が
残っている部分もありますが、
これでは「古い人間」のままで成長しないと
自分で感じています![]()
せっかく今はwebをメインに
仕事をしているので、
自由度を活かして
webだからこそできることを
どんどん挑戦していきたいと思います![]()
「和田家の男たち」。
ライターや編集者さんだとなおさら
さまざまな視点で見れるドラマだと思います。
そして相葉くんの作る料理が
とても美味しそうなので、
美味しいものが好きな方にもオススメです![]()





















