ニートが頑張ってTPP問題をできる限り簡単にまとめてみた① | 魔法結社ふゆMA!

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お前とはまた出会えるような気がしてた…ようこそ。

まおっす。 ふゆのんの方です。 ニートの方です。
本当は「ニートでもわかる~」的なタイトルにしようかとも思ったんですが、自分よりしっかり理解されているニートの方々に対して申し訳ないのでこんなタイトルです。
この前QMAでガーゴイルに落ちた自分が語るので、気楽に見て頂きたいと思います。





ニートの仕事はアニメを見たり自宅を守ったりと多岐に渡るのですが、ここ最近のTPP問題――特に大手メディアでの扱い――があまりに酷いので、わかる範囲で出来る限り簡単にまとめてみようかと思います。
知ってる方には今更かもしれません。


動画も紹介しますので、わからなかったら文章を飛ばして動画をお楽しみ頂ければ幸いです。
よろしくお願いします!























大きく二つの素人視点で進めたいと思います。

①TPPって何?

②TPPの何が問題なの?







まずはググれ?ということでウィキとニコニコの大百科を。

環太平洋戦略的経済連携協定

TPPとは



一目見て、ウィキや大百科をよく利用される方には少し違和感があるかもしれませんね。
政治の重要課題やホットニュースなどでは大抵の場合、記事の頭に 「現在進行形の問題ですので、性急な編集は控えて下さい」 とかいうメッセージがあるものですが、どちらにもありません。
話題として取り上げられる事があまりに少なく、議論もまるで行われておらず、情報も出回っていないのが現状です。





内容ですが、21分野が対象で14省庁が関わっています。
多いですね。
一応羅列します。





・物品市場アクセス
・原産地規制
・貿易円滑化
・衛生植物検疫
・貿易上の技術的障害
・貿易救済
・政府調達
・知的財産
・競争政策
・越境サービス貿易
・商用関係者の移動
・金融サービス
・電気通信サービス
・電子商取引
・投資
・環境
・労働
・制度的事項
・紛争解決
・協力
・分野横断事項





ちゃんと21分野書いているか不安になりますね。 これら全部、もしくは大体でもいいですが、把握されている方は少ないのではないでしょうか。
ってか自分は一個もわかりませんでした。
謙虚に、9つでいい、とか言いたくなりますね。 もちろん9つでも多いです。





よく言われる農業ってどこに入るの?→物品市場アクセスの一部です。
じゃあ工業は?              →物品市場アクセスの一部です。
小泉さんの時散々騒いだ郵政は?  →金融サービスの一部です。





つまり、最低でも郵政民営化の際の21倍メディアでも論じていて全くおかしくないわけです。
現在テレビ新聞等で言われる農業だの畜産だの問題提起は、それ自体が話題の矮小化・ミスリードに他なりません。
事はそんなちっぽけな問題ではないのです。 いや、当然農業だけでも一括りに出来ない大問題なんですが。







これら21分野全ての関税撤廃・非関税品目は障壁撤廃をするわけですが、パッと見、どれが危険に見えるでしょうか?
知的財産、金融サービス、投資、紛争解決……どれも香ばしいですね。
大丈夫、21分野全てが危険です。





新世紀のビッグブラザーへ
三橋貴明さんのブログです。 もっと読まれるべき。
記事内にもリンクが貼られていますが、国家戦略室から 「TPP協定交渉の分野別状況」 という資料が公開されました。
11月8日から始まるAPECまでに意見集約をして方針を決めると現政権は言っていますが、無理矢理もいいところ。
これだけ膨大な案件を、まだまともに議論すら始まっていない段階で、資料もつい最近公開されたばかりで、なにをどうすれと。








関係省庁を見てもわかりますが、



・内閣官房
・内閣府
・公正取引委員会
・金融庁
・総務省
・法務省
・外務省
・財務省
・文部科学省
・厚生労働省
・農林水産省
・経済産業省
・国土交通省
・環境省





以上の省庁が関わっています。
覚えるのもしんどい。 それくらい多いです。 ありえない規模です。
なんでこんなに派手な国家プロジェクトがひっそり進められているのか謎です。









参加国も見てみましょう。
シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドが協定締結済み。
アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーが参加し、交渉に臨む、と。


日本も参加したとして、それらの国でのGDP比は

アメリカ      →67%
日本        →24%
オーストラリア  →4.7%
その他7ヶ国合計→4.2%





うん。 日本とアメリカを足して9割を超えるんだ。
皆を巻き込んでやる意味ほとんどないね。 アメリカと二国間でFTAやEPA考えるのとほとんど変わらないね。



経団連会長が 「参加しないと日本は世界の孤児になる」 とか言ったり、
菅前首相が 「平成の開国」 とかキリッてましたが、世界=アメリカでしょうか。
世界の定義は毎回都合良く変わりますね。
乗るしかない、このビッグウェーブに。みたいな感覚でしょうか。





そういえば、日本が黒船で開国した際の日米修好通商条約は確かに今回の縮小版で、関税自主権がない等の不平等条約でした。
その後40年掛かって改正したはずでしたが、やだ……うちの国まるで成長してない。


































さて、大雑把に内容をおさらいしたところで、実際の議論がどうなっているかも見ていきましょう。
議論されてないも同然なんで、そうでもしないと話の取っ掛りすら無いんよ。





まずメリットとして言われているのが、関税なくなるから安い外国製品が買えるよ、です。
やったね。




でも今、日本はデフレだね。 デフレだと消費や投資が落ち込むね。 だから企業は買ってもらえるようにより商品を安くしないといけないね。
企業は頑張るよ。 給料を下げたりリストラして経費を削減するよ。 でも給料が下がってリストラもされて消費者は更に物を買いたく無くなるね。





そこへ更に安い外国産が襲来するよ!!





ということで、見事なデフレスパイラル。
低価格化競争で、土地がたくさんあって労働力の安い外国と戦って日本は得をしますか?
まぁ、インフレ時には国内がデフレと逆の現象が起きているので、熱を冷ますのに効果的かもしれません。
でも延々デフレやってる今の日本にはとても向きませんね。





農業品の関税が高いとかもよく言われますが、物によっては高いものもあるってだけですね。 こんにゃくとか。
計算は色々あるらしいのですが、日本の農業の関税率平均ってアメリカよりちょい高いけどEUより低い水準で、世界的に見て高いなんてことは全然ないらしいです。
JAや日本貿易会なんかの資料では出てますね。


農業関係の低い関税をさらにとっぱらって輸入しても、自国農家が苦しむわ自給率が下がるわで意味もないです。











では次。
さっきとは逆に、関税なくなるから日本製品が海外でたくさん買ってもらえるよ、企業は大喜びだね、です。





輸出なので、海外にどれくらいの市場があるか、つまりさっきのGDP比を見ることになります。 日本とアメリカで9割のやつ。
ってことはうん。 魅力的な市場はないね。 アメリカ以外経済規模が儚いくらいちっさいね。 そこに売る為に関税撤廃ってことはありえない。
じゃあアメリカに売るんでしょうかね?
でもアメリカなら既に工場持ってる企業いっぱいありますよね。
アメリカ内で製品作れちゃうんじゃあ関税関係なくね?





それに元から日本からアメリカへの輸出で自動車の関税は5%、家電は2.5%
これ撤廃したからといって大幅な有利は生まれません。
日本経済全てを犠牲にしてでもそんな微々たるメリットを取りに行くという決断をするのでしょうか。






そもそも、為替の変動で関税分なんて吹っ飛ぶよね。 円高にちょいと振れれば関税撤廃で安くなった分がチャラだね。
逆に円安に向かえば関税あっても関係なく安く出来るし。





加えて、日本はメディアが謳う程の外需依存国ではありません。
日本経済の輸出依存度は 10.7%
アメリカ             7.41%
イギリス             16.1%
フランス             13.12%
ドイツ              33.35%
中国               25%
韓国               43%
ロシア              25%





輸入依存度も
日本9.86%
アメリカ10.93%
イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国、ロシアはこれまたもっともっと上です。






それでもってGDPに占める自動車や家電メーカー等の輸出製造業の割合は1.5%だそうです。
ソニー、パナソニック、トヨタ、ホンダなんか全部ひっくるめて。





テレビでよく聞くんですが、TPPで農業は苦しむけど製造業は救われるみたいな構図。
農業 対 製造業。 本当はそれも21分の1分野の中の争いでちまっこい話ですがそれは置いておくとしても。
その得をする製造業は、GDPの内の1.5%で、さらに得られるメリットが5%と2.5%の関税撤廃。
為替変動で吹けば飛ぶようなメリットです。




















ということでよくメディアで話題になる範囲では、農業工業、輸出入いずれもメリット無しです。


で、話題にならない範囲が超膨大。
かつ議論の時間が全くない。 11月上旬のAPECですからね。
TPP反対派の方が 「慎重に議論を」 って言うのもわかりますよね。
今、全部を議題に乗っけるには無理がありすぎます。
一体今、何が起こっているんでしょう?






                      ヘ(^o^)ヘ いいぜ
                         |∧  
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       (^o^) 三  / / >
 \     (\\ 三
 (/o^)  < \ 三 
 ( /
 / く  まずはそのふざけた
      幻想をぶち殺す
















さて、ここまでで内容の是非。 細かい所は後でリンク貼りますね。