『借りぐらしのアリエッティ』を見てきました。


監督:米林宏昌

企画・脚本:宮崎駿

声の出演:志田未来、神木隆之介、三浦友和、大竹しのぶ

公式サイト:http://www.karigurashi.jp/index.html


◆おはなし◆

小人のアリエッティは14歳。

郊外の大きなお屋敷の床下に、父と母と暮らしている。

人間に気づかれないように、ひっそりと。


ところがある日。

アリエッティは、屋敷に療養に来た少年・翔に姿を見られてしまう。


存在を知られたからには引っ越さなければならない。

もう二度と人間に近づかないように諭されるアリエッティ。


だが、アリエッティは両親の目を盗んで翔のいる部屋の窓へと出かけて行く。



◆感想◆

あんまり濃密な筋立てではなく、難しくなく、のほほんと楽しめました。

自然いっぱいの画面はとてもきれい。

また、アリエッティの部屋をはじめ、小人さんの家、ドールハウスなどとってもかわいくてステキでした。


アリエッティの動き方がちょこまかしてすごくかわいいし、洗濯ばさみで髪をまとめる姿などもかわいい。

とにかくかわいい。

わざわざ目立つ赤いドレスで行動するところとか、待ち針を腰に刺すところとか、ピアスでカーテンをのぼるところとか(けっこう感動してしまった)…生き生きとした女の子像がありました。


キャラクターと声もそこそこ合っていたと思います。

大竹しのぶの声はお母さんのビジュアルと比べるとちょっと若いかな(笑)

お父さんはかっこよかった。


ティーセットもちっちゃくてかわいくて、お茶が雫みたいにぽとん、と落ちるのも、それだけでなんかほわーっとなりました。



ストーリーはちょっと眠いぐらいでしたが、「あー長いー早く終われー」とは思わなかったので、そこはさすがかな。


いろいろ不明なところはあって、いちばん不明なのは、小人をつかまえようとするハルさんの意図。

昔「小人を見た」と言ってみんなに疑われた、というのが動機だとしても、いまいちあそこまで情熱を燃やす理由がわかりません。つかまえてどうしたかったのかもよくわかりません。

しかも、かなり嫌な奴に見えて、ちょっとウンザリするぐらいでした。


最後の翔の「きみはぼくの心臓の一部だ」というセリフ。

いかにもセリフありきで、浮いちゃっていたのが残念。

そんなくさいセリフをわざわざ言わせなくてもいいのになーって思いました。

まぁ、シチュエーションによってはいいセリフですが、ものすごい恋愛をしたわけでもないし、ものすごく強い絆が生まれたわけでもないので。

やんわり淡い感じがいいな、と思っていたので、いきなりの強いセリフが嘘っぽくて残念でした。



そんなこんなで、「ジブリの超大作」を求めていくと、まぁ期待はずれでしょうが、「ちょっといいアニメ映画」なら十分合格だと思います。



あー、それから、セシル・コルベルが歌うテーマソング、私は好きじゃないな。

外国の方が日本語で歌っているのですが、子音が強すぎて気持ちよくない。



ジ・アート・オブ 借りぐらしのアリエッティ(ジ・アート)/著者不明
¥2,900
Amazon.co.jp

こちらは原作。

床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫)/メアリー ノートン
¥714
Amazon.co.jp

Kari-gurashi~借りぐらし~(借りぐらしのアリエッティ・イメージ歌集アルバム)/セシル・コルベル
¥2,500
Amazon.co.jp

借りぐらしのアリエッティ サウンドトラック/セシル・コルベル
¥2,500
Amazon.co.jp

江戸時代の画家、鳥山石燕の妖怪絵集。
知ってる妖怪も知らない妖怪もたくさん描かれています。でも、どことなくユーモラスであんまり怖くないので、怖がりさんも大丈夫。

文庫サイズ(モノクロ)で、画集として「とても美しい」とはいえませんが、まぁ満足。

妖怪の説明は、絵についている文章をそのまま書き起こしてあるだけなので、よくわからないものも。

それでもいいじゃない。絵がステキだから。

2010/7/21 読了


妖怪の入門書としても良いのではないかと思います。

だって、どんな妖怪なのか、もっと知りたくなるもんね。

森見 登美彦
新潮社
発売日:2009-06-27


連作短編、ということになるのでしょうか。舞台は京都。じっとり湿った感じが不気味です。
何か陰惨な事件が起こるわけではないのですが、怪談らしい雰囲気がじんわり怖い。
とある骨董屋がキーになっていますが、お話同士の結びつきはゆるいかな。

京都が舞台であることがとても効果的であるように思いました。
こういう骨董屋、こういうモノがふっと通りそうな路地、ありそうです。

森見登美彦の本は少ししか読んだことがないのですが、この人の本は軽妙洒脱でのれないときはぜんぜんのれず、悪く言うと京都の内輪ネタみたいな感じでたいして好きでなかったのですが、この本のねっとりした雰囲気はかなり好きかも。

2010/7/15 読了