中学生の時に見た作品。
ゴジラの造形を始め、マニアの間ではあまり人気が
無いようだけれど、私は大好きな作品だ。
東宝 (2009-11-20)
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前作、『メカゴジラの逆襲』を最後にした空白の9年を越え、
再開されたシリーズの第一弾ともなっている。
当時は毎年作られていたゴジラ映画が9年間も無く、
早く復活してとの機運が盛り上がっていた。
前年は『ゴジラ’83』と言うリバイバル上映のイベントなんかもあって
私の印象としては盛り上がりまくっていた。
そういえばこのblue-rayの映像特典にも『ゴジラ’83』の予告映像が
付いていて懐かしく思った。
今作は大作として、かなりの意欲作で大物俳優を配したドラマは
見応えのあるものとなっている。
ちょっと気になったのは、第一作からの直系としては
おかしいなというゴジラの設定があったこと。
劇中では架空の『井浜原発』を破壊したゴジラが原発炉心を抱え
放射性物質をエネルギーとして吸収するという描写がある。
東宝 (2009-09-18)
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香山滋さんのシナリオの描写及び、1954年版の劇中の描写では
水爆実験によって太古からの住処を奪われた古代生物が
大暴れをするといったもので、別に放射能を餌にしている生物では無い。
水爆の放射能にも耐えてしまう強靭な生命力を持った生き物として描写
されている。
また、1954年版ではあまり大きく描写されていないが被曝した
放射能は吸収せず撒き散らしている。
しかしながら1984年版は放射能を体内に吸収している。
あらゆるエネルギーを吸収するのはガメラの設定だったと
思うのだけれど・・・。なんか、放射能にも耐えてしまえる強靭な生物で
ある方がエネルギー源としているよりも神秘的だと思うのだけれど。
まぁ、この設定は当時ではこのように一般的に理解されていたものなので
第一作からの直系としてはおかしいというだけで、公式にはおかしくないとは思う。
何よりこの設定が無いと平成ゴジラシリーズは成り立たなくなるので。
ま、良いか。
『
特撮の歴史を変えた』と言うのは、本作では当時ハリウッドの
特撮作品が特撮を『SFX』と呼び変え、これまでは技術的な問題で
特に巨大モノの描写はどこか箱庭を撮影している感じであったものが
実際に起こっているのでは無いかと見紛うばかりの技術革新を起こしており、
それに対抗するため、試行錯誤していた。
①壊れにくいビルディング
②ドラマ重視
③クリーチャー的生物の登場(ショッキラス)
④実物大の造形物で実在感を出す(ゴジラの足)
⑤着ぐるみよりも巨大な造形物で巨大感を出す(サイボットゴジラ)
こんなもんかな?
①壊れにくいビルディングは鉄筋コンクリートのビルディングがバラバラと
崩れるわけが無いという事で描写された。
しかしながら、ゴジラの力強さが損なわれるということでその後はあまり
受け継がれていない。
②ドラマ重視は災害パニック映画として、政府の対応等を描写していたの
だけれど、今作以降は同じような描写しても仕方ないのかほとんどなし。
③クリーチャー的生物の登場は『エイリアン』を意識したようですが、
なんかやっぱり作り物くさい。造形物は格段に良いものなのだけれど、
やっぱり吊り物にしか見えない。
④巨大感を出すための巨大な足は面倒なわりにあまり効果が
無かったのか以後もあまり使われていない。今作でも数カットしか
使われていない。
⑤サイボットゴジラは大きさは受け継がれなかったけど、ワイヤーで精密に
動作する着ぐるみサイズのモデルとして受け継がれている。
今作はあまり成功していなかった印象があったが、確実に後の
特撮作品の礎としてブレイクスルーを果たしていると思います。