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あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

幸福の七ヶ条「水木さんの幸福論」


第一条 成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
第二条 しないではいられないことをし続けなさい。
第三条 他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追及すべし。
第四条 好きの力を信じる。
第五条 才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
第六条 怠け者になりなさい。
第七条 目に見えない世界を信じる。



水木しげる先生逝去…私にとって幼少期、最初のそして長らく漫画体験は水木先生のみといっても過言ではない生育環境のため感慨ひとしおというか影響力絶大(反動形成はご覧のとおり)。手塚先生が漫画の神様だとすれば、水木先生は妖怪の神様。「妖怪」という存在が、戦後、高度経済成長の中で生き延び得たのは水木先生の御力といっても過言では無いでしょう。水木神社を鳥取県は創建すべき。




羽生善治全局集 ~七冠達成まで~/マイナビ

¥2,678
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今月から将棋ウォーズ始めました、10分切れ将棋は就寝前にちょうどいい。…そして思いの外定跡を覚えておらず序盤ヘボ、中盤からの力技ばかりの将棋に自己嫌悪。二段で定位置になりつつあるが昔四段~五段の認定を受けていただけに苦笑。
刑務所の医療と福祉―塀の中の医務室で考えたこと/ナカニシヤ出版
¥2,160
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本来は「新犯罪論」を推したいところだけど、ほとんど既知の情報となってしまい薄いこともあいまって物足りず。むしろ当著のほうが「刑務所の風景」を踏襲した刑務所の内から考えたこととして面白かった(そもそも著者が刑務所勤めの前に唯一読んだ方が上記とのことですが)。最後の福祉の砦として「透析専門医の欠員」を訴えたところ、法務省の医療専門官から「医師免許は一つだ」なる名言を引き出したところは爆笑。あとは陰茎玉入なる刑務所文化に苦笑。
なぜ国々は戦争をするのか 上/国書刊行会
¥2,700
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なぜ国々は戦争をするのか 下/国書刊行会
¥2,700
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かねて昨今の史学が経済・文化を中心に構造的に捉えようとする見方をする点について、不満をもっていた身空として我が意を得たり。つまりは戦争においては当時の指導者たちの心象風景が決定的に重要であるという視座。上巻は、第一次世界大戦、バルバロッサ作戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、ユーゴ紛争、インパール紛争。下巻は、中東紛争、イランイラク戦争→湾岸戦争→イラク戦争。紛争において冷静さを保ち勝利者たる地位を占めたと感じた指導者は、ホーチミンとキッシンジャーの2名―。

一番の衝撃はオーストリア皇太子暗殺から、世界大戦に戦争が拡大するまでの経緯。ヴィルヘルムⅡ世の狼狽ぶりもそうだが、そもそも独露墺仏と軍部いや軍事計画「総動員令」の方が強いという本末転倒ぶりが喜劇。

信頼というのは目に見えないもの…ブランドというのは信頼が「モノ」化した際に初めて問われるもの。その点で言うと、今回の偽装問題はデベ・建築業界におけるコスト増要因であると同時に大手に受注をよりいっそう集約させるという焼け太り効果もあるやもね。


三菱地所が昨年のザ・パークハウスグラン南青山高樹町で売買代金の20%の迷惑料+手付金返金でおよそ手付金の3倍返しの大盤振る舞い。今回三井不動産は、最高価額での買い取りor引越(諸費用含み)+300万の補償金―。これが業界標準ということになれば、中小は一発倒産モノ(もちろん三菱は鹿島へ、三井は旭化成へと求償するのでしょうが)。



今月の読書はあまり引きが良くなかった―当たり判定で言うと辛うじて1冊。


狂気の科学―真面目な科学者たちの奇態な実験/東京化学同人
¥2,268
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科学というと理知的なものというイメージを抱きだちだが、理知も突き詰めていくと狂気の世界に足を踏み入れる。そして主に20世紀の境界線上の実験を総覧することで科学「実験」の行き着く先を思う存分堪能できます。その中には著名な実験(スキナー、ミルグラム、ローゼンハン、ジンバルドーなど)も含まれますが、爆笑するのはその他のそれほど身も無さそうな実験群。ヒッチハイクでひっかけるには(しかも累計実験が何種類もある!)、女性への声掛けの効用とか、飢餓実験、魂の重さとか、悪しきサマリア人の実験とか、、、実験計画・発想自体に「そうきたか~」とニヤリとさせられること必至。
2 :名無しさん@1周年:2015/09/25(金) 18:57:57.28 ID:7qJhFNoE0
お前ら一般国民は黙ってアベノミクスを支持しとけ

平成26年
1月 景気は、緩やかに回復している。
2月 景気は、緩やかに回復している。
3月 景気は、緩やかに回復している。また、消費税率上げに伴う駆け込み需要が強まっている。
4月 景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる。
5月 景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる。
6月 景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられる。
7月 景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある。
8月 景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある。
9月 景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
10月 景気は、このところ弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
11月 景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
12月 景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。

平成27年
1月 景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
2月 景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
3月 景気は、企業部門に改善がみられるなど、緩やかな回復基調が続いている。
4月 景気は、企業部門に改善がみられるなど、緩やかな回復基調が続いている。
5月 景気は、緩やかな回復基調が続いている。
6月 景気は、緩やかな回復基調が続いている。
7月 景気は、緩やかな回復基調が続いている。
8月 景気は、このところ改善テンポにばらつきもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。
9月 景気は、このところ一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。(←今ここ)

そーす政府
http://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/getsurei-index.html
随分と回復基調が続いているのに、未だにマイナス成長とはこれ如何に?このまま消費増税すれば、また「回復基調が続いている」と述べられる期間が増えていいですね♪

料理のアイデアと考え方 -9人の日本料理人、12の野菜の使い方を議論する-/柴田書店

¥2,376
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料理を語るということが、くだらない食べコメの稚拙(まったり、宝石箱が~)に終止しがちと思っていれば是非ともこの本を手にとって欲しい。京都老舗の雄たちが切磋琢磨、それも新しい「技術・技法」(パコジェット、ガストロバックetc)を中心にした真剣かつユーモアたっぷりの議論にただただ一気に読まされる。また、この本の魅力は真剣な料理人の批評もさることながら、章ごとに出版社側が議論をさらに「科学的に」注釈を加えている点がまた深みを加えている。



「料理を論理的に考えるには科学的な知識や視点が必要だと考えているからです。言ってみれば、料理人は科学者でなければならない。さらに言えば、料理人は哲学的な考えをもった哲学者でもなければならない」(村田吉弘:菊乃井)

電気は誰のものか/晶文社
¥2,052
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エジソンは、電気で処刑することを「ウェスティングハウスする」と表現することを思いつく。1890年8月6日、ウィリアム・ケムラーが電気椅子で処刑されると、翌日のある長官の見出しには、「ケムラー、ウェスティングハウスされる」とあった。これほどに、えげつないあの手この手でエジソンは交流をおとしめたが、交流システムの優位は明らかだった。エジソン・ゼネラル社さえ合併してGEとなってからは交流システムを扱うようになり、エジソンは電気供給事業から手を引く―。



街灯が求められた最大の理由は、むろん防犯だった。昭和35(1960)年には、自動車強盗の75%は暗い道路で起こり、婦女暴行、いたずらは95%が街路灯のない暗がりで起きたという。だから街灯設置は猛烈な勢いで行われ、とくに昭和39年に開催された東京オリンピックの前には急速に増えた。昭和33年に都内に約16万灯だった街灯が、37年3月には28万灯以上になっている。



(歴史)教科書では語られない、電気・電灯普及にまつわる逸話満載。その端々から伝わることは「電気」というエネルギーがどのように受容されたかという点で、3.11を経験した中でその悲喜こもごもは別段遠い話ではないことが伝わる良書。さまざまな事件史を読むことで「電気は誰のものか」ということを自身の中に問いかける火が灯ったことを感じられるだろう。

〔新版〕現代医療の社会学 ― 日本の現状と課題 (世界思想ゼミナール)/世界思想社
¥2,484
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人口万対精神病床数も1990年代に29となった後、ようやく減少に転じたが2012年のデータで約27である。イギリスの5、フランスの9、スウェーデンの5、アメリカの3など欧米諸国のデータと比べて極めて覆い。
(中略)
平均在院日数が約290日と依然として大変長い。欧米はおおむね一週間から長くて50日程度であり、日本は突出している。



社会学で医療の諸相をとらえる良い本…薄い感想となるが各章自体は厚みがないため視座を提供するという点で評価せざるをえず、そしてそれは決して非難ではなく社会学の強味であろうとすら考える。

将棋戦型別名局集1 穴熊名局集/マイナビ
¥2,851
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穴熊が玉頭位取りへの対抗策として編み出されたというのは、恥ずかしながら知らなかった。穴熊ならではなのZに代表される速度計産、剥がすという行為における大駒と金駒を刺し違える損得勘定の感覚が興味深い。

クラウドファンディングなんて無縁だと思っていたが、雑誌「アニメスタイル」季刊化支援プロジェクト は投資ではなくて、純然たる応援として活用してみました。今から10月の刊行が楽しみ。


今月は読書不作―というより、市場の乱高下を眺めている方が余程楽しいし、まだ当面楽しめそう(アルゴ暴走で上下の値幅が大きすぎて、これでレバ取引しているヒトは釘付けで他のことが手に付かないのでは?)。VIX連動商品として仕込んでいた1552:VIX先物短期指数(正確にはVXX連動)が薄利ながら売却資金回収できたのは( ̄ー ̄)ニヤリ 


アニメスタイル006 (メディアパルムック)/メディア・パル
¥1,836
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アニメスタイル007 (メディアパルムック)/メディア・パル
¥1,836
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アニメスタイル2号で押井守氏へのInterviewで、押井監督がコアなファン向けに閉じた業界なんて行き詰まるという苦言を呈したのに対し、そうであったとしても技術の進歩(この際には作画や演出が念頭)を重視していると小黒編集長が応じていたのを思い出します。どうやら(3D)CG作画、ロトスコープなどアニメ制作において大きな技術革新が始まりつつある模様(…模様というのはアニメ視聴本数は一桁しか見ていない身空なので)。それだけいっそう「SHIROBAKO」特集が熱く感じます。

作家の原稿料/八木書店古書出版部

¥9,720
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この本の価値は年表編にあると言っても過言ではないのでは?詩人なのにお金のことばっかり書いている作家を知ると、また詩の味わい深さも増すカモ。以下年表編よりいくつか抜粋メモ。
昭和24年
花森安治は「暮しの手帖」が昭和24年6号で47,000部を超え黒字となったので、それまでの全執筆者に手紙とともに500円ずつお礼の形で送った。昭和26年の暮にも同じことをした。するとある日、血相を変えた男が訪れ「馬鹿にするな。筆一本であちこちから貰い仕事をしているとはいえ、乞食ではないんだ。金を恵んでもらうほど落魄れてはいないんだ」という。花森は純粋に感謝の意味で送ったと説明していた。その人は鎌倉在住の高見順だった。

昭和25年3月

新太陽社「モダン日本」はデフレ政策が浸透してくると赤字に転落、40人居た社員は吉行淳之介と津久井征章氏の二人となった。社長の牧野英二は、原稿料を払って原稿をとるぐらいなら誰だってできる。金を払わないで原稿をとってくるのが本当の編集者だと放言。

昭和28年頃

坂口安吾の妻三千代の回想。安吾は原稿料が入るとお金を1枚1枚キレイなお金とキタナイお金に分け、キタナイ方を私にくれ、ピン札は書斎の引き出しに入れる。私はお金がなくなって貰いに行くと引き出しから出してくれ、そこが無くなると本棚に並んでいる本からピン札を出してくれる。私は気の毒になって「使ってしまうのはもったいないくらいね」と言い訳をする。

世界を変える魔法!アルゴリズミ子研究所


千年カワ(・∀・)イイ!!ということは別にしても非常に面白い。社会を動かすアルゴリズムに焦点を当てるのは昨今の「日本の技術は世界一~」系の番組と一線の画する。それを牧人型権力というか環境設定型権力というかは別として科学技術についてハードではなくソフトに光をあてることで見えないものが見えるようになるのでは―。


今月は今回取り上げた書籍以外も当たりが多くてо(ж>▽<)y ☆


その問題、経済学で解決できます。/東洋経済新報社
¥1,944
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「社会」実験・実証に基づく諸施策の大切さを説く本。実社会における有用な実験のアイデアはそれはそれで面白いのだが、眼目は性・人種・貧富などに基づく「差別」を実生活における実害という部分に翻訳するとそれは「経済的差別に行き着くこと。そして経済的差別であればワンフレーズ(具体的な中身は本書で確認を)を添えるだけで差別を解消できることを示したこと。


データ解析の実務プロセス入門/森北出版
¥2,592
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シンクタンクの新入社員をモデルにしているが、データの取り扱い方から分析の仕方まで統計学の深淵に立ち入ること無く実学の範疇で綺麗にまとめきる。最終章の実例と、それまでの章で提供した分析ツールの組み合わせが面白い(アイドルの愛称を分析するに共起分析を使うとか)。


朝日新聞 日本型組織の崩壊 (文春新書)/文藝春秋
¥842
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俗にいうところの「アカヒ」凋落の病の原因は、「売国体質」ではなく「人事体制」にあるという内部告発の書。日本(文化)批判や組織(人事評価)批判という文脈は、古くて新しいテーマで、それらを誌上で追求する立場たる朝日新聞そのものが宿痾に冒されていることを、この間のスキャンダル、そして過去の改革にさかのぼって紐解く。朝日の体質を理解するに最適のテキスト…が朝日出版社ではなく文藝春秋社からでている(笑)


過去3代10年に及ぶ歴代社長の危機感に基づく改革が総て失敗して、より状況を悪化させまた改革を必要とさせるという「改革病」が膏肓に入った感が笑える。


恐怖の法則: 予防原則を超えて/勁草書房
¥3,564
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以前もとりあげた キャス・サンスティーン氏の著作。予防原則の過剰適用こそ「リスク」であると考える自分にとって我が意を得たりという書。ただし、切れ味がいいかというとバランスを重視しすぎて読了後は問題整理という感覚になるのではないかと思われる。予防原則の暴走の背景(前著「熟議が壊れるとき」も引用)はともかく、対策として、民主主義でもテクノクラートでもなく最後は司法が歯止めと言われても、司法もある種のテクノクラートである以上自由とのバランスはあれどテクノクラートに頼る以外ないのではといった感が否めず。

太田出版に対して嫌悪を催しつつも「絶歌」読了。厨ニ的露悪といってもいい内容に全く他人におすすめしない作品。読みつつも常に頭に浮かんだのは冷静に「淳」をものし、全国犯罪被害者の会の運動を通して世論を動かした土師守医師の姿。犯罪被害者の会の活動は、その後犯罪被害者基本法、司法への被害者参加制度の導入に結実している。そして土師は現副代表幹事の要職でもあります。


今回、出版界の慣例たる遺族の同意を取り付けること無く出版に及んだ(しかも、幻冬舎見城氏の言を信ずるならばより残酷な表現が追加)蛮行に、マスコミ被害者の多い同会がどのような反撃を加えるか注視。


暴力の解剖学: 神経犯罪学への招待/紀伊國屋書店
¥3,780
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これはおそらく今年ベストの一冊。
科学・医学の発展により神経犯罪学という大きな潮流ができあがりつつあるということを現段階で整理した一冊。
暴力・犯罪の問題をブラックボックス化した「心の闇」から救い出し、近代刑法の父、ロンブローゾが夢見た「可視化」する技術。遺伝子、脳はある程度知っているつもりだったが、衝撃的なのは「安静時心拍数」も立派な指標足りうるということ。一つ一つの指標ではサイコパスなど例外がありうるためにいかに複数の指標を組み合わせていくかが今後の鍵・それでももともと精神分析は論外としても、精神鑑定・カウンセリングの診断なんぞよりはよほど信が置けると感じるのは私だけではあるまい。
真の問題は、全般的な遺伝子診断につきまとう「生まれながら」のリスクを社会が冷静に受容できるかということ。

ルポ 保育崩壊 (岩波新書)/岩波書店
¥864
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ルポ 母子家庭 (ちくま新書)/筑摩書房
¥886
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貧困・労働問題で誰か一人名前をあげろというなら、私なら小林美希氏を迷わずあげます。―彼女の最初の著作を読んで7年近く経過しておりますが彼女の志はこの間微塵も揺らいでません。個別の具体的な悲しみを救い出し、その悲しみを全体統計・法律・歴史に問題を映し出し、怒りとともに解決策があれば提示する。個別と全体のバランスが絶妙。

あえて両新書でどちらかをあげるなら「保育崩壊」をおすすめします。横浜市の待機児童ゼロが成功例として持ち上げられる風潮は、保育を「量」の問題に貶め要は民営化の中で保育士の労働環境も、そして保育の「質」も崩壊しつつある現実をつきつけられる。幼児の気持ちに思いを致すと、1ページ1ページが重いです…。

維新の党が都構想広告で5億費ったことが話題になっているけど、まだまだ日本の政治広告は道半ば。個人的にネガティブ・キャンペーン会社の誕生を待っているのに、右・左関係なく旗幟鮮明とした雑誌内では売国奴やら冷血漢と威勢のいいことを言っているくせに、せいぜい「戦争を起こさせない国に」「日本を取り戻す」程度。数百億の政治キャンペーンをうつ米国を模倣する必要はないけど、国民に政治に関心をもってもらうに大阪市民の高投票率という結果を見ると広告は一定の効果ありという結論は出ないのかね?


メディア・モンスター:誰が「黒川紀章」を殺したのか?/草思社
¥2,916
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この本について冷静な講評は無理・・・。結論は、老い先短いことを自覚した黒川氏は建築家の枠・限界を超えて大衆に直接思想を宣伝する場として政治を利用したということになるのだろう。
それでもボクは会議で闘う――ドキュメント刑事司法改革/岩波書店
¥1,836
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腹が立つ本。これこそこういう真面目なノンフィクションではなく、この委員会の理不尽さを「それボク」と同じくエンターテイメントに昇華してほしい。「終の信託」ではなく周防監督に期待されていることはそういうことだと思う。
昆虫はすごい (光文社新書)/光文社
¥842
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車内広告で7万部突破というフレーズを見て、きょうび新書で売れているということで手にとって見たらキラキラとした幼稚園の頃図鑑を眺めている気持ちになれた―。自爆攻撃を行うバクダンオオアリの存在に戦慄。

今月は、坂本真綾嬢20周年記念LIVEに尽きる。透き通った声、心に染み入る音、そして会場を埋める光の波が今も瞼を閉じると鮮明に浮かぶ。あれから1週間、ぼんやりとCDを聞く時間が増えました。LIVEやイベントは体力を使うけれど、今年はもう少し参加回数を増やしたい…今日も仕事だったけど(T_T)


復刻版 囲碁 基礎手筋の独習法 意外な急所がどんどんわかる/誠文堂新光社
¥価格不明
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将棋だけでなく囲碁も下手の横好き程度に嗜んでいる身として、非常に読みやすかったので推奨。囲碁のぼんやりとした「厚み」の感覚が中々身につかないが、手筋は結構腑に落ちる。

医療訴訟のここがポイント/日経BP社
¥4,104
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医療崩壊を契機に、だいぶ「白い巨塔」幻想とでもいうべき過剰な医療バッシングはその勢いを潜めたと思うのですが、実際の訴訟での争点・判決のポイントを実際の事案で学べて医療自体に詳しくなくても十分に楽しめる一冊。「期待権」という概念が個人的にはφ(..)メモメモ


国際社会学/有斐閣
¥2,700
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編者の宮島喬教授は私にとっては移民問題理解における参照点の御一方。「アムネスティ」という言葉は日本ではせいぜいNPO団体名止まりで本来の言葉の意味は―。


坂本真綾15周年記念ライブ“Gift” at 日本武道館 パンフレット 日刊 坂本真綾 01 .../坂本真綾
¥価格不明
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会場で販売されていた20周年記念パンフはまだ通販されていないようなので15周年パンフを借用。

4月は別れと出会いの季節だけど、今年は圧倒的に別れ-。サービス業というものを自分の中で腑に落とす・会得していく過程において忘れられない縁でした。その後、場所は違えど同じ会社にいるというだけで「気」をもらっていたようです。


嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え/ダイヤモンド社
¥1,620
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この手の自己啓発本(それも売れれば売れているほど)については、冷ややかに一瞥してポイがほとんどですが、この本は読んで違和感なかった。個人的には巻末コメントから読むのがオススメ。編集者の志・熱意に強くうたれます。ソフィーの世界に近く、哲学というものを対談方式の中で煙にまかず平易な言葉できちんと届けたいという真摯な姿勢がいい。
ロスト・ケア (光文社文庫)/光文社
¥734
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絶叫/光文社
¥1,944
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葉真中顕氏については当該ブログのコメント欄で教えて頂いていたのですが、立て続けに読んで感銘。正しい情報と、問題意識を単に情報の羅列ではなく、エンターテイメントとして消化している点が素晴らしい。一アイデア(例えばロスト・ケアのコムスンネタ、問題提起としての殺人、相撲の八百長ネタ)で十分小説を組み立てられそうなところ惜しむこと無くつぎ込んで1冊に仕上げているので濃密。

慈悲と正直の公共哲学:日本における自生的秩序の形成/慶應義塾大学出版会
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Twitterにも書いたけど、愁眉。江戸しぐさではなく武士道と商人道をたよりに、自生的秩序というものが江戸時代にどのように花開いたかということを丹念に後追いしていく。白隠禅師「施行歌」にみる世俗倫理と来世信仰の狭間としての世代間倫理、海保青陵にみる富国(強兵)のススメなど知的スリリングな要素がたっぷり詰め込まれている。

マイブームは、ニュースクロスへのTwitter投稿。MXとはいえ(失礼)、地上波なのにテロップや番組内で自分のカキコミが流れるのは何となく楽しい。その垣根の低さにハガキ職人だった頃の血が騒ぐというか、低血圧の自分にとって朝のおめざにぴったりなことが判明。


虚偽自白はこうしてつくられる―狭山事件・取調べ録音テープの心理学的分析/現代人文社
¥2,916
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浜田寿美男教授の丹念な供述分析。「秘密の暴露」はすでに人口に膾炙したが、その反対概念は、「無知の暴露」ということを知りました。実際にリアルな自白調書の分析を通じて、自白的関係がどのように築かれるかがわかる。自白なのに、「事実関係は~ということでよろしいしょうか?」と刑事におうかがいをたてる冤罪犯の供述が痛々しい。
虚構の法治国家/講談社
¥1,512
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Twitterでもメモしたけど、東電OL事件における高裁判決に見る、裁判官の「イイ」有罪判決文に戦慄すること間違いなし。確かに99.9%有罪判決を書くのがお仕事ならば、0.01%の無罪判決を書くのが動機付けになるわけがない。そこから倒錯して、検事が立証しきれなかった事案を、いかに事実・法理ときには、観念操作まで駆使して有罪判決を書くかが優秀な裁判官の証となるかが腑に落ちる。