神とされるものに額づくことによって、それを神たらしめる人民に押し付けることは可能だ。 | あざみの効用

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或いは共生新党残党が棲まう地

もし経済学を新たに勉強するに当たって、私が選べるけれども3つ(理論、統計、歴史)のうち1つだけしか勉強できないと言われたら、私が選ぶのは経済史になるだろう。それには3つの理由がある。


第一は、経済学の主題は基本的に歴史的な時間における唯一の過程である、ということだ。どんな経済現象についても、その人が歴史的な事実に十分熟達しておらず、歴史観あるいは歴史的経験と言ってもよいものが十分な量に達していない時期については、理解することなど期待できない。それには現在も含まれる。




第二は、歴史的な報告は純粋に経済的ではあり得ず、不回避的に純粋に経済的ではない「直感的な」事実も反映しているに違いない、ということだ。したがって経済的な事実と非経済的な事実が互いにどのように関係しているか、様々な社会科学が互いにどのように関係すべきかを理解するには、歴史が最善の方法を提供する。




第三は、経済分析において現在起こっている根本的な過ちのほとんどは、経済学者の他のどんな資質の不足よりも、歴史についての経験の不足によるところが大きいという事実である。




              トーマス・K・マクロウ「シュンペータ伝」



もう冬季休暇はお仕舞い。私みたいなヒッキーにとっては、いくらでも引き篭っていられることこそ至福。


2012年の日本株、「予想増益率世界首位」支えに上昇か 証券部 土居倫之
>米ゴールドマン・サックスによると、世界の主要企業の12年の1株あたり利益は平均で10.6%増の見通し。主要市場でみると日本が23.8%増で、中国(本土)の23.4%増を上回り、トップとなる見通し。先進国では米国が10.5%増、ドイツが8.6%増にとどまる。高成長が続く新興国もインドネシアが19.3%増、インドが13.3%増で、日本に届かない。(日経新聞 2012/1/1)


震災反動(復興需要)+米経済の緩やかな回復の恩恵という分析ですが、、、ゴールドマンの嵌め込み分析に過ぎないということもさておき、外部環境たる中欧次第っポイですよ。復興で内需振興どころか、来年は増税が争点らしいですから我が国は(ノ´▽`)ノ ⌒(呪)


三井住友FG:欧州銀の資産買収を強化、打診7兆円-海外で存在感
>三井住友FGの宮田孝一社長(58)は29日までのインタビューで海外資産の取得額について、手持ち資産と入れ替えながら、複数の案件で数千億円から1兆円規模に達する可能性もあると述べた。


足元が定まっていないみずほはともかくとして、三井住友は前回のリーマン・ショックの時に大きなお買い物してませんからねぇ。


>三井住友FGは中期経営計画で海外資産について2013年度までに6兆円増やす目標を掲げている。海外優良企業への融資などで11年9月末は9兆3713億円と同年3月末より約1兆4000億円増えた。宮田社長は「欧州系が融資を絞る中、自前の海外融資も拡大基調にある」とし海外資産の取得と合わせて目標達成を目指す考えを示した。


国内では単なる国債を買うだけの簡単なお仕事…に成り果てていますから、海外でというのは当然のことですし、世界不況下ならば天井掴みは免れそうですしね。


>三井住友FGはバンク・オブ・アイルランドから11月に北米と欧州のインフラやエネルギー関連のプロジェクトファイナンスの債権を4億7000万ユーロで取得。16%のディスカウントで購入できた。英銀RBSが70億-80億ドル(約5400億-6200億円)で売却を目指す航空機リース部門の買収にも名乗りを上げている。(Bloomberg 12月30日)


インフラやエネルギーという安全な債権であるということはともかくとして、もう少しディスカウントさせられなかったのかなぁw


東京海上HD 米保険デルファイを2000億円で買収
>東京海上日動が米デラウェア州に特別目的会社を新設し、デルファイと合併させる手法で、デルファイの全株式を取得する。買収額は約2050億円。デルファイ社の取締役会は買収に賛同しており、日米保険監督当局の認可を得て、来年第1四半期(4~6月期)中に手続きを完了する予定。(
MSN産経 2011.12.21)


損保の方が生保よりも一足早く海外買収に乗り出しているということは以前も、メモしたような気がします。



三井住友海上、変額年金保険の運用リスクを引き受ける再保険会社設立
>新会社は「MSファイナンシャル再保険」の名称で英国領バミューダに設立し、2012年1月1日からの開業を予定している。資本金は60億円。三井住友海上プライマリー生命が扱う変額年金保険は、運用成績が悪化した場合でも死亡保険金や年金原資などを保証する「最低保証」付きの商品が主力になっている。新会社は、この最低保証リスクを、三井住友海上がもつ金融取引やリスク管理のノウハウを活用し、デリバティブ取引などを通じて適切にコントロール役割を担う。(ESPONSE 2011年11月30日)


バミューダ、変額年金、再保険と(`・ω・´)ゞな3本柱。商品をあまり入り組ませるとリスクがむしろ見えなくなるというのがサブプライムローンの教訓だと思っていたのだけれど、、、


銀行、消費者金融“囲い込み” 「明らかな総量規制逃れ」業界反発
>新生銀行が子会社で運営していた消費者金融事業を10月から銀行本体に移管したことに、業界が反発を強めている。事業を銀行に取り込むことで、消費者金融業者に課せられていた規制を受けなくて済むからだ。規制の強化で業界全体の貸し出し残高はピーク時の3分の1の水準まで減少し、業界は青息吐息の状態。


新生銀行はせいぜい稼いで公的資金を返してもらわないといけないのですが、随分とえげつない手を使いますわな~と。まあ、欧米はこういう違法ではない、脱法こそ情報のうんちゃらみたいな理屈で儲けられる場所と見定められるんでしょうね。


>銀行は銀行法の規制内で事業が運営できる。総量規制の適用は受けないほか、専業主婦への貸し付けも貸金業法上では必要な配偶者の同意も必要ない。テレビCMも、消費者金融業界は自主規制で午前7~午前9時、午後5~午後10時は流せないが、銀行はテレビ局側の自主規制で「CMを流せないのは午後5~9時だけ」(新生銀行)。(SankeiBiz 2011.12.15)


ただ、それこそ銀行が積極的に消費者金融を取り込もうとしたのは、融資ノウハウというより回収ノウハウだと思われ。そしてその点に関して言えば、銀行本体で果たして出来るのかなぁ?結局、回収用の子会社、サービサーみたいなものを設ける必要がでてくるような気がします。



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▲教育者としてのシュンペーターの顔が新鮮でした、、、危機になると結局、ケインズとか古典的顔触れの再評価機運が高まるのが面白いところだと個人的には思います。