やはり王はこうでなくては~貴方のお選びになった道は私の指し示したものよりずっと多くの血が流れる | あざみの効用

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或いは共生新党残党が棲まう地

啓蒙運動(=ヨーゼフ2世)によって幕を開けたハプスブルク君主国の近代化が、この多国民コミュニティの解体無くして完成しえたとは考えにくいのである。とはいえこの解体は温和なものではなかったし、栄誉ある業績を刻んだ国家は、悲惨で恐ろしい戦争の犠牲となり、一世代あとにはさらなる恐怖が待ち構えていた。


(中略)


オーストリア問題はヨーロッパ問題になっていた、と1920年にレートリッヒは論断している。これは戦間期の地域的緊張関係では、きわめて具体的意味において正しかった。そして近年、ヨーロッパの多文化コミュニティという、より一般的な観点から見るとき、この言葉はさらに妥当性を増している。ハプスブルクの経験が示しているのは、超国民的理念を有する官僚政治は、その理念のゆえに、意思決定過程から外されていると感じている諸国民の心を掴むことはできない、ということだ。


             ロビン・オーキー「ハプスブルク君主国 1765-1918」


2009-09-14 は冒頭にメモしている出生率一覧を再録しておきます。人口論を語る上で必須の数字となります。


217 名前:名刺は切らしておりまして 投稿日:2009/04/11(土) 15:00:24 ID:bE24kWf4
先進国の最新合計特殊出生率(2006~2008年)

-2.10 アメリカ2.11(北米) ニュージーランド2.10(オセアニア)
-2.05 アイスランド2.07(北欧)
-2.00 フランス2.02(西欧) アイルランド2.00(西欧)
-1.95 イギリス1.96(西欧)
-1.90 オーストラリア1.92(オセアニア) スウェーデン1.92(北欧) ノルウェー1.91(北欧)
-1.85 フィンランド1.84(北欧)
-1.75 オランダ1.73(西欧)
-1.70 ルクセンブルク1.68(西欧)
-1.65 ベルギー1.65(西欧)
-1.60 カナダ1.59(北米)
-1.55 欧州平均1.55
↓-------------年寄りまみれになりながら死んでいく国々-------------↓              
-1.40 スイス1.41(中欧) イタリア1.40 スペイン1.39
-1.35 ドイツ1.37(中欧) ギリシャ1.36(南欧)
-1.32 日本1.32(極東)
-1.30 シンガポール1.29(東南アジア・NIES)
-1.25 韓国1.26(極東・NIES)
-1.20
-1.15
-1.10 台湾1.11(極東・NIES)
-1.05 東京都1.05
-1.00
-0.90 香港0.92(極東・NIES)


高齢者23万人超が所在不明=150歳以上884人―戸籍を基に調査・法務省
>法務省は8月27日~9月6日、電子化された戸籍を中心に全国の4743万9848戸籍について調査を行った。その結果、100歳以上の高齢者23万4354人は、戸籍から現住所を把握することができなかった。法務局別に見ると、最も多いのは東京の2万2877人で、大阪、神戸、福岡、那覇は1万人を超えた。


さすがにマスゴミも連日報道するのに飽いたみたいで、ぱたっと無くなりましたがここまで数字が積み上がっていることをどれだけの人が知っているでしょうか…。


>戸籍には記載されている者それぞれの転居の履歴を記載した、「戸籍の付票」が添付されている。戸籍の管理は本籍地の市区町村が行い、転居先で住民登録をすると付票にも転入先が記載される仕組みだが、23万4354人の付票には現住所が記載されていなかった。このうち120歳以上は7万7118人、150歳以上は884人だった。(時事通信 9月10日)


100歳以上でこれだけ騒い「だ」わけですが、年金が発生する65歳以上に引き下げられた暁にはどういう数字が出てくるのか…年金記録全件調査と生存全件調査を同時にやればどうなるの?


Togetter「千葉法相の入管政策・総括」


私にとって最重要とメモしてきたのは可視化法案だったわけですが、それが1mmも進まなくてもある程度目を瞑ってきたのは死刑をモラトリアムしてい「た」からで、それすら無くなった今、この弁護士が入管政策で裏切られたと罵倒したくなる気持ちはよくわかります。


【コラム】なぜ、日本だけデフレが続くのか。-デフレの真の要因は人口の減少、移民政策へ本格議論を
>「人口要因の影響が大きい」と第一生命経済研究所主席エコノミストの熊野英生氏は指摘する。日本の人口は消費者物価の低下傾向とリンクするように90年代以降、増加率縮小・減少が進んだが、日本を除く先進国ではその間おおむね前年比0.5~1%の伸びで人口増加を続けている。実質GDP、失業率、需給ギャップとの相関で比較しても、人口要因と物価との連動関係が最も強く出たという。「人口減少は需要不足を通じて物価下落に結び付く作用がある。さらに、期待成長率の低下を通じて設備投資を慎重化させ成長率を抑制する」と熊野氏は説明する。


人口ボーナスを受けて、今人口オーナスに耐えていると。


>「金融政策の効果は限られている。デフレ脱却には需給ギャップ解消とともに、人口政策の抜本的強化が不可欠」と、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は主張する。2009年10月現在、日本の総人口は1億2751万人で前年比0.14%減と2年連続の減少、女性人口が初めて自然減になるなど本格的な人口減少時代に突入した。高齢化を踏まえると事態はさらに深刻だ。生産年齢人口(15~64歳)ではすでに95年にピークをつけたが、今後50年間年平均1.2%程度のペースで減少を続け、2055年には4595万人と現在のほぼ半分になる(国立社会保障・人口問題研究所、06年中位推計)。


金融政策の効果が限られているかはとりあえず横においておいても、いわゆる”潜在成長力”に人口政策が影響を与えるのは間違いないかと。


>人口政策とは何か。上野氏は「少子化対策、海外からの観光客誘致、そして移民政策」を挙げる。少子化に対してはすでにさまざまな対策が取られつつある。子ども手当は民主党の政権公約の目玉で、少子化対策へ積極的な姿勢を示したものだ。しかし、上野氏は「子ども手当は現在子育て中の世帯の支援にはなるが、これから産もうとする人にどれだけ後押しとなるのか。企業内に保育所を設置するなど、働きながら産み育てる環境整備におカネを使うべき」と指摘する。


観光、移民政策と上野泰也氏の考え方には基本的に同じなのは、これまでの一連のメモを見ていただければわかるかと思いますが、少子化対策と人口政策のリンクについては疑問符。特に具体策としての企業内保育所は…。


>経済産業省では生産年齢人口をピークの95年水準に維持しようとすれば、今後20年間で1800万人の外国人労働者が必要と試算する。が、就労・就学などで日本に滞在する外国人登録者は約222万人(08年)にすぎない。人口減に危機感が高まった00年以降、政界・経済界では移民に関する議論が活発化していた。03年に民主党有志6人が「移民1000万人構想」を発表、自民党でも08年に外国人材交流推進議員連盟が同じく「移民1000万人受け入れ」を表明、09年1月には内閣府に定住外国人施策推進室ができた。経済界でも08年に日本経団連が「日本型移民政策の検討」をうたっている。しかし、昨年の民主党政権誕生以降、移民論議はピタッと消えた。


この民主党、自民党、経団連の移民構想は当時それぞれ腐した通り。単的に言えば①スペシャルな移民に限定して1000万人も集められるという幸せな発想(嫌味)、②人口政策として移民が効果を得るには点滴のように少量を入れ続ける必要があるということ(移民も「少子高齢化」します)


移民政策は成長の源泉と見る経済的メリットと、治安悪化懸念など社会的軋轢(あつれき)の両面から議論すべきだ。また、米国やフランスなど移民によって人口減緩和に成功している例はあるが、その一方で、教育や年金など社会保障の再設計で多額な社会的コストを要する。とはいえ、日本の労働人口に占める外国人の割合は約1%と、他の先進国に比べて極めて低い。(シニアライター:野津 滋 =週刊東洋経済2010年5月22日号)


経済誌にはこういうまともな指摘があります…。


【コラム】 国の豊かさは人口に比例する Capital-経済コラム
人口が国の運命を決めるわけではない。1300年代、中国は欧州よりも人口が多く、世界最先端の技術を有していた。だがその隆盛は続かなかった。1850年ごろの中国は、人口で欧州を65%上回っていたが、産業革命のおかげで欧州は比較にならないほどの豊かさを享受していた。


こちらのコラムはこの冒頭部分が気に入ったのでメモします。ただ、結論としてはそうは言っても人口動態は希望に繋がりやすいということになるのですが。


>国連の予想によると、今後40年間、少子高齢化に伴い、日本は3000万人、欧州は3700万人、労働年齢人口が減少する。 中国の労働年齢人口は15年程度増加し続けるが、その後減少に転じるという。一人っ子政策と、所得が増加すると出生率が減少する傾向があるためだ。2050年には、中国の労働人口は現在よりも1億人減少すると国連は見積もっている。対照的にインドは、向こう40年で労働人口が3億人増加する見込みだ。


スパイスとして視点を加えると、欧州ではイスラムがこのままではやがて多数派になるということ(中東和平交渉など時間が経てばイスラエルはアラブ化するか、民主主義を捨てるかしかないということは以前「鉄の壁」思想を紹介した とおり。そして、中国の一人っ子政策の歪みは社会変動という観点で忘れてはいけません。


>米国はその中間で、欧州や日本よりも出生率が高く、若年人口が多いことから、2050年までに労働年齢人口が3500万人増加すると見積もられている。(2010年 8月 12日 20:29 JST)


そうは言ってもヒスパニックですが、同じキリスト教国ですし、ヨーロッパよりは遥かに文化的に融合、相互理解可能性があります。


18歳以上の米国人の43%が独身、米統計局調査
>独身を、結婚経験が一度もないか配偶者と死別あるいは離婚した経験を持つ者と規定。独身の米国人は現在9600万人としている。独身者のうち61%は一度も結婚経験がなく、24%が離婚、15%は相手が死亡していた。
独身者のうち1人で住んでいるのは3100万人あまり。全世帯比では27%で、1970年の同様調査時の17%からは激増している。子供と共に住むひとり親は1160万人で、大多数が母親で990万人。父親は170万人となっている。


日本の非婚化はニュースとしてもよく報じられていますが、アメリカのこういうニュースは珍しいということで(そうは言っても高齢者の一人暮らしは当たり前と言えそうですが)。


独身者の17%は65歳以上。08年統計で孫の世話をする男性もしくは女性のみの祖父母は76万6000人。同年調査で、結婚せずに同居している世帯数は600万超、同性カップルは約50万世帯で、このうち38%でどちらかの子供が一緒に住んでいた。(2010.08.21 Sat posted at: 14:42 JST)


同性カップルの数字はこれが多いのか、少ないのかはわかりません。ただ、一所に集中して住めばそれなりに政治的発言権を確保できる数字ではあるでしょう。


健保組合、赤字5235億円…過去最悪
>大企業のサラリーマンらが加入する健康保険組合の2009年度の赤字が過去最悪の5235億円に上ったことが、健康保険組合連合会(健保連)が10日に発表した決算見込みで明らかになった。
全1473組合の約8割に当たる1184組合が赤字となった。景気悪化で加入者の給与とボーナスが減り、それに伴って保険料収入が減ったのが最大の要因だ。前年度比で赤字幅は2046億円増えたが、これは保険料収入の減にほぼ見合う。(2010年9月10日20時46分 読売新聞)


人口オーナスの具体例はこの手の社会保障への歪みとなります。が、日本は厚労省さまがうまく捌いています(皮肉抜きで)。

<アニメ感想>
金曜
屍鬼 第10話

これが前半の山場とでもいうべき話になるのかな、原作ではもっとあっさりしていましたが夏野を主人公格で扱うとするならばこの脚本は納得できます。


伝説の勇者の伝説 第11話

主人公カップル話が要らない子で、本国の政治ネタの方が遥かに面白い。


土曜
祝福のカンパネラ 第11話

早送り視聴。