>『知とはストック、経験はフローに例えることが出来る。ストックは一見何の役にも立たないが、フローにおいて行き詰るとセーフティーネット、カタパルトにもなるし、ストックがあるということ自体がフローに対するストックともなる。資本主義においてはプラグマティズム、つまりフロー(労働)は強い。しかし、矛盾が蓄積し、どうにもならなくなった時、知の集積はその地点から距離をとることを可能にする。マルクス、ケインズのような全体的システムから、80~90’sは構造を別におき、個々の変数をおいかけていくという確率論を金融工学では行ったが、変数間、抽象的で現実と乖離しているからこそ役立つこともある。』
浅田彰「知とは何か、学ぶとは何か」プロジェクト00
職務質問とは、犯罪に関係して挙動不審な事由がある者などについて、停止. させて、質問する行政警察活動です。
参考にすべきページ→職務質問のさいの所持品検査と 違法収集証拠の排除
7月22日(土)14:30~天候曇り 池袋路上にて
「ちょちょっとそこの君待って!」
後方から声が聞こえる。しかし、そのときAはさきほどまで参加していたイベントを心中で反芻し、また路上で呼びかけられるような心当たりもないため、まさか自分が呼びかけられているとは思いもよらず、そのまま振り返ることもなく歩み続けた。
と、突然Aの肩に手がおかれる。慌てて振り返るA、そこには3人組の警官、年配1名、若年2名(以後それぞれ順にB、C、Dとする)の編隊。Aが歩みを止めた瞬間に2名が前方に回りこみAを中心にトライアングルの軌跡が描かれる。職質のリ・マージョン完成♪特殊効果は中央に位置する物体の停止。
「ちょっと職務質問いいかな?」あえてリーダー格とは思えない若年警官CがAに語りかける。Aはこれが音に聞く職質かと以前書いた誰がために鐘は鳴る
を思い浮かべながら、貴重な経験になりそうだし、やりとりをきちんと覚えておこうと決意しながら、素知らぬ風を装って「別に構いませんよ。」と答える。
B「所持品見せてもらっていいかな?」
A(うわー今買ったばかりの漫画をこんなのに触れらると穢れるから嫌だから、いざとなったら自分で開示しないといけないと思いつつ)「はい、どうぞ」とショルダーバッグを開けてみせる。
中にはアニメイトお馴染みのブルーの袋が封をしたまま入っているのみ。
Cが中を覗きこむ。このときDはAのポケット(横から背後まで)ざっと外側から撫で回す。
A(これってセクハラじゃないの?と思いつつ、いきなり手をポケットにつっこまないという手順は守るんだなとかぼんやりと感心しながらBが袋に手をかけないかと観察)
C、D間でアイコンタクトが交わされたのか、バッグを自らぱっと開けたことでそこには何もないと判断したのかバッグには関心を失ったことが分かる。
C「ポケットの中には何が入っているのかな?」
A「左がハンカチ、鍵。右が財布ですよ。」と答えつつ、ハンカチと鍵をまず取り出してみせる。といつも自然につけていたので気にしていなかったがいざ出してから冷静に眺めると重り代わりに鍵につけたキーホルダーがシェリル・クリスティア
のキーホルダー…。場にちょっと気まずい空気が流れる。
C「あ、もう片方のポケットに入っているもの見せてもらえるかな?」
A(なるほど、本人が自らさっと出すものに関しては確かめることもなく、白と即座に判断するんだな)「はい、どうぞお渡しします。」と財布をCに手渡す。
C(受け取ってからちょっと慌てたように)「いえ、目の前で確認しますから。」と付け加える。
A(あーこれがマニュアルなんだと苦笑を浮かべる)「どうぞ、どうぞ。」と答えておく。
Cが財布の中を改め始めたところで、満を持してBがAに話しかける。
(おそらく、ずっと視線を感じていたので、多分長年の刑事の勘というやつを働かせつつAの表情でも窺っていたのでしょう。)
B「こんなところで何しているの?」
A(【シムーン】のイベント帰りですと答えるのはテンプスパティウムさまに憚られたので)「今からそこまで帰るところです。」と適当に指差して答える。
B「この辺に住んでるの?」
A「えーそうです。」(Cを見るとカードを一枚、一枚調べているので確認とっている模様)
B「ふーん、何やってたの?」
A「だから、帰るところです。」
B「いや、何をやっていたのか聞いているんだけれど。」
A「別に、答えたくありません。」
B「聞きたいな~?」
A「そうですか。」
B「別に答えられないわけなんてないでしょ?」といいつつ、今度はAのポケットの中に無造作に手をつっこんでがさごそしてくる。
A(おいおい、これはマニュアル違反じゃないのかと思いつつ、もしもここで「痴漢です~!」とか大声で叫んだり、喘ぎ声でもあげてみたらどうなるのかなと空想して楽しむ。その間も質問には生返事でCを観察していると、財布の小銭入れを丹念に調べているので、麻薬かなんかの売人を逃がしたのかなと推測されました。)
Bしばらく尻含め撫で回していたが結局、他に何もなかったことを確認して手を抜く。
A(それを見計らって)「上着も脱ぎましょうか?」と言いつつ上着に手をかける。
C(慌てて)「いえ、その必要はありません。」とAの手を制止する。
C「いえ、これで結構です。ご協力ありがとうございました。」と財布を返してくる。
B、Dから一言もお詫びがないことに不満を覚えつつも、Aその場から急速離脱。途中振り返ると、他の通行人に続けざま職質をかけているので、Aの容姿が不審人物だったからということではないと確認して一安心。おそらく時間に関しては5~6分前後、一、一般市民の警察国家化に対する「体感不安」の悪化を招いて終了。
多分、職質というものがどういうものかを事前に知っていないと、いざ直面するとその場でパニックになりかねないというのが第一印象。よほど神経が図太い人でないと(あ、私は繊細な羊さんですからね?)、あの異様な雰囲気に呑まれて挙動不審に陥って盛大に自爆する(何一つ心に疚しいことがない人なんて滅多にいないだろうし、その場のものに限らず過去まで想起して心当たりを自ら検索しかねない)か、逆に幼稚に敵意丸出しで警察と正面から衝突して公務執行妨害でしょっぴかれかねないと思います。