蟲の仕業ですな。 | あざみの効用

あざみの効用

或いは共生新党残党が棲まう地

『記録でもしなくては正気を保てないほど「退屈」なとき、人間は一種の防御としてリサーチをはじめる。』

          井田真木子「かくしてバンドは鳴りやまず」

>警備産業は隙間産業みたいなもんだから、市場の拡大がそのまま管理社会に発展する可能性を、それほど心配しなくてもいい気がする。もちろん市場が拡大してる最大の原因は国民の治安悪化への不安ではあるし、そこに国家が付け入ってくる可能性は否定できない。でも、国家の統制を防ぐためにも、よりコントロールが利く民間組織を充実させておき、介入する余地を少なくしておく必要があるんじゃないのか。少しでも国民の不安を解消させる方向に持っていった方が、危険性を叫ぶよりも今は現実的。以上、あるサイトへの感想でした。

というあるサイトの感想を受けて、ちょっと考えてしまいました。普段、陰謀論に堕したくないとか、大きな物語に絡め取られるな(斎藤貴男氏への批判とかね)とか、自戒を篭めて記しているつもりなのに…。

「管理社会」(というよりは「警察国家」の方が近いかな?)という未来の可能性の一つについて、最初のうちはいろいろとニュースをメモしながらも留保をつけていたように思うのに、最近は一足飛びにニュースをメモするとそれを「警察国家化」への一里塚としています。個別案件によって火がつき増幅した不安に駆動されて、立ち上がりつつある不信共同体が、自ら「警察国家」化を招くという視座に関してはニュースを見れば見るほどに確信に近いものを抱いているけれど、視座は視座として相対化しておかないと、我田引水的にあらゆる事件にその兆しを見出す(それがたとえ正しいかったとしても)という罠に陥りかねないということがひとつ(↓みたいなことも書いていたんですから)。

2006/04/24
>例えば、今回の一件だって加害者・被害者ともに該当する性の乱れから、近くにあばら家が放置されていたことが問題という環境犯罪学から、痴情のもつれからあっけなく殺してしまったという凶悪化からいろいろなものを引き出すことが可能なわけです。ただ冷静に考えればあくまでも1件は1件であって被害者は一人なんです(所詮は他人事だからそういってられるという意見に対しては、そのように批判する人も所詮は他人事だということを見失っているのではと思いますよ)。


もう一点はその視座の見積もりに関する部分ですが、現在アメリカがどのような時代に陥っているかということを見ると、先日 メモした論文のように生易しくないのではないかという気がする。少なくとも、隙間産業という規模を超えるポテンシャル(雇用レベルでも)はあることが示されている。また、日本の場合、階級社会化していないだけに逆説的に一律に不安を信仰の核とする共同体が広範に成立し(ゲーテッドコミュニティーで済まない)、よりグロテスクなものが立ち上がるのではないかと。つまり、ised@glocom「不安のスパイラル、セキュリティの論理の暴走」 ぐらいの環境管理型、技術レベルの問題に留まることなく、思想的原点に戻ったリスク分配、あるいは内面の規律の問題に否応なく至るのではないかと…そして少なくとも自由を愛好するものにとっては、気持ち悪いそれらの一端を垣間見せていると思わせるニュースをメモしているつもり(つもりというのは一点目の自戒にかかる問題だから)。だから民間組織ならば大丈夫というようには思えない…と断言すると、それは民主主義をも否定するようで嫌なのですが、少なくとも正しい情報、知識が伝わっていると思えないだけにね…。

『判断は情報に依存する。ゆえに情報源の不正は不公正な判断を導く。判断ではなく情報源が善悪を決定する。』(北の系2005)

だから、

>少しでも国民の不安を解消させる方向に持っていった方が、危険性を叫ぶよりも今は現実的。

という部分はまったく同感です。私は叫ぶというよりは、むしろ「不安」を叫んでいる「狼少年」(実際問題、狼=不安の根拠はないから寓話とは結末は異なってもらわないと嫌だけれど)を嘲弄することで、その醜さをつきつけ、翻って結果的に冷静になってもらえればな~と夢想(少なくとも飛び火しかねない表現規制に関心ある人間は、防波堤として)します。24-589さんのコメント のように定量的に見れば、狼はいない、単なる枯れ尾花であることは火を見るよりも明らかなことなのに、「体感」であるがゆえに、定量的な批判(折に触れ記している浜井先生や河合先生のもののような)だけでは無視されてしまうというお寒い状況ですから。

アンカテ(Uncategorizable Blog)さま 「真実の予言者」を批判すると「真実の予言者」ができてしまう話 のようなものが実現化すればいいんですがと心の底から思います。いくら無軌道とはいえブログの指向性が当初考えていたものとはあまりにも遠い地平に来たな~と思うことがあります、もちろんそれもまた関心の変遷という日記の一部でもあるのですが(自嘲)。


以下 まったく↑の述懐とは関係のない亀田メモ(とはいいつつ、このニュースが引っかかったのは、「不安共同体」が異物を狩り出すにあたって「治安」(そのイメージを支えるのは数件の不幸な悲惨な事件…単なる誤差の範囲のね!)という錦の御旗を掲げて、反対意見を「気持ちが分からない」「自分の子だったらどうするんだ」というような意見で封殺しかねないという思いがあり(数値化できないのでこう書きます)、亀田の「美談」も八百長批判を封じる錦の御旗ではないかという生理的嫌悪感が…って我ながら長くまわりくどい思考回路、しかもやっぱり関係ないorz)

亀田興毅、胃がんと闘う少年に「KO勝ち贈ったる」
◆ 仮病説に反論…負傷個所を公開 ◆
>ランダエタとの初防衛戦が12月20日に延期となり、一部で報じられた仮病説にも反論する形で行われた。さらに興毅は胃がんのため闘病生活を送る茨城県在住の小学3年の少年との交流を打ち明け、少年のためにもランダエタを叩きつぶすことを再度宣言した。

>微妙な判定勝ちを飾ったランダエタ戦(8月2日)から続くバッシングの嵐。加えて試合の延期で落ち込んだ時期もあった。そんな中、1人のファンから勇気をもらった。その少年は2年前から胃がんで闘病生活を続けており、家族によると医師から「もって4月まで」と言われた時期もあったという。それでも興毅の試合をテレビ観戦するのを楽しみに、今も命の炎を燃やし続ける。ケガをする2週間前には、その少年から手紙が届いた。

>「“亀田さんみたいに強くなりたい”と書いとったけど、おまえの方がごっつ強いわ」。だからこそ、延期が決まったくらいでは落ち込んでいられない。初防衛戦後には、ベルトを手に少年に会いに行くことを決意。「横綱は2回は失敗せえへんから」とランダエタとの再戦で、明確なKO勝利をクリスマスプレゼントとして贈る。[スポニチ大阪 2006年10月11日付 紙面記事 ]

興毅 がん闘病少年にKO防衛誓った
>興毅は神妙な面持ちで少年の話を切り出した。「がんを宣告された男の子が俺を応援してくれてん。その子はいつ死ぬか分からんぐらいの状態で、10月の俺の試合を楽しみにしてた。だから10月は絶対にやりたかった。延期したくなかったんや」。一瞬、厳しい表情を見せ唇をかみしめた。

>少年との“出会い”は偶然だった。茨城県に住む興毅の知人が通院する病院で、少年は入院していた。興毅の知人が、少年が興毅のファンであることを聞きつけ、興毅に伝えた。少年は小学3年生で、2年前にがんを宣告され、今年4月には医師から「余命1カ月」を通達された。知人によれば、少年の興毅を思う気持ちが驚異的な生命力につながっているという。余命1カ月。明日をも知れぬ命の少年は、興毅の闘う姿に勇気付けられ、5月、8月と、興毅の試合を目標に必死に生き延びてきた。そして、今回は10月の初防衛戦を目標に病魔と闘ってきた。

>俺より強い 興毅は少年との対面は果たしていないが、9月上旬に試合で使用したグローブにサインをし、少年へ贈った。ほどなくして少年からお礼の手紙が興毅のもとに届いた。手紙にはこうつづられていた。「興毅さんの強い姿にいつも勇気付けられています。防衛戦はぜひ頑張って下さい」。現在も少年はベッドの上で闘病生活を送っている。興毅は誰のためではなく、少年のためにベルトを守ると言い切る。「俺よりもこの子の方が強いよ。俺もまわりにいろいろ言われたけど、この子に勇気をもらった。それをリングの上で証明する」と病床の少年へ熱いメッセージを送った。[デイリースポーツ 2006年10月11日付 ]

( ;∀;)イイハナシダナーということで↓

亀田興毅の美談に疑問の声 (ゲンダイネット)
>ランダエタをKOし、ベルトを持って少年のもとへお見舞いに行く――。そう少年と「約束」したらしい。翌11日のスポーツ紙は“感動エピソード”一色。亀田の悪玉イメージの払拭に一役買った格好となったが、少年の病状については……アレッ?「末期がん」「小児がん」と各紙マチマチ。一部スポーツ紙が「胃がん」と書いたことから、ファンの間では「小児がんで胃がんはありえない」「美談はウソ臭い」と疑問の声があがり出した。

>「確かに小学生児童の胃がんはありえません。私は20年以上、がん診療にあたってきましたが、胃がん患者の最年少は17歳です。小児がんは血液のがんである白血病やリンパ腫が多い。小3児が胃がんを患えば、まれなケースとして、すぐさま学会に報告されるはずです」(井上外科胃腸科病院・井上毅一院長)

所属の協栄ジムや個人事務所に改めて事実関係を確認したが、なしのつぶて。「興毅本人は後援会関係者を通じて、少年のエピソードを聞かされただけ。少年本人と会っていないし、病状の深刻さも正確なところは把握していないようです」(ボクシング関係者)

だったら、わざわざ会見で言うこともないだろうに。
【2006年10月14日掲載記事】

共通しているのは小学三年生で、闘病生活2年、余命1ヶ月の告知を受けているという部分です…ということを踏まえて↓

【ボクシング】亀田興毅の美談に疑問の声 (ゲンダイネット)
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1161050476/

139 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 11:33:29 ID:ORUHzuHK0
*************【 急 募!! 】*************
仕事内容:ガン患者(ベッドの中から簡単なコメントをするだけの仕事、軽作業です)
条   件:小学三年生・男子
期   間:10月11日~
勤 務 地:日本
給   与:応談(演技力に応じてボーナスあり)
採用条件:台本通りにコメントする記憶力と自然な演技力を持っていて、決して秘密を漏らすことのないやる気のある方

申込み先:協栄ボクシングジム (担当:亀田史郎)

このギャグテンプレはワールドカップのときに腐るほど見ましたが脈々と受け継がれていたのですね。

339 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 12:18:30 ID:xsBX3d8K0
「小1で、がんになって、いま小3やねん。」

そもそもガン細胞というのは成長期の個体細胞での増殖が最も激しい。すなわち老年層よりも若年層のほうが進行がはやいっつーこと。例外もあり個人差もあろうが2年間生き続けているというあたりでキナ臭い。仮にその話が本当だったとしても会話(筆談含む)で意思疎通ができる容態とは思えない。マジだったら学会モノです。

(予想される結論)
1.ウソ
2.脳内美談
3.他人の実話を無断で拝借
4.壮大な釣り
5.ねこ大好き

349 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 12:21:49 ID:EQCI2XCW0
そもそも亀が有名になったのって、ここ1年位じゃなかったっけ?2年前なんて誰も知らなかったんでは。この少年はよほどのボクシング通?w

376 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 12:27:50 ID:HEzJ5ojWO
>>349
鋭いなw どこの病院かは知らないが、亀田が全国で話題になったのは、ここ1年の話。その1年前くらいから、関西夕方のニュースのスポーツコーナーで小さく取り上げられたくらい。難病でボクシング会場なんかには行けなかっただろうし、どうやってファンになったんだろう?最近ファンになったとしても、生死の狭間にいる少年が、夜9時や深夜にやってた亀田の試合を見てたとは思えない。病院は9時には消灯ってとこが多いし

396 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 12:31:54 ID:bxnIpibm0
・末期で重篤な患者、しかも小学生低学年が、夜9時頃から放送された亀田の試合(全ラウンド)を見ることができたのか?
・死の意味を理解できない小学生低学年に、末期ガンで余命数ヶ月と宣告する親がいるのか?
・胃がんの小学生は存在するのか?

399 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 12:32:55 ID:WYMGjhbb0
>>396
・消灯時間にかかるから無理
・理解できないから、しないだろうねぇ。
・超レア

398 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 12:32:19 ID:kE8jN5dy0
シナリオライターちゃんと調べてから書けよw

620 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 13:39:40 ID:woRNb1Mf0
疑惑の判定
疑惑の怪我
疑惑の美談

さて、次は何かな

686 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 14:10:15 ID:r1yjLmu10
少年は出てこないけど、一週間もすれば、少年の手紙と絵が出てくるぞ。

834 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 15:13:00 ID:OSu/uSou0
業者撤退したあとになるとスレこんなになるんだなw
国内の9割は嫌いなんだろw

試合後はピットクルーと言われた不自然な擁護レスが結構あったのにね~そのレスがむしろ油を注いでいたと学習したの?

890 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 15:48:44 ID:KiqJi6kY0
仕込みくらいちゃんとやっとけよwwww

894 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 15:49:24 ID:6WyoNNKe0
次は、
・脅迫電話 防衛戦に勝ったらジムへ汚物を投げ込むって電話があった
・サウナスーツの切裂き アンチ亀田関係者の犯行
・ジム付近の不審火 灯油缶に新聞紙が仕掛けられて燃えた
どれだろう。ワクワクする

902 名前:名無しさん@恐縮です 投稿日:2006/10/17(火) 15:55:32 ID:F/pG5w3b0
「アマゾンの奥地 謎の病院に小児胃ガンは実在した!!」ギャガーン


ただし、日本人ではなくてタイ人でしたとかいうオチじゃないの?…これぐらい総てが単純だといいんですがね(遠い目)。

Comments
安原さん、こんばんわー。

不安が不安を呼び水に増幅されていく過程それ自体が怖いんですよね。そんな漠然としたお話だったり、ある種の戯画的なもの(秘密警察がうろちょろとか、監視カメラだらけのマトリックスのような社会)といったことではなくて、一般人レベルで寛容さやらある種のいいかげんさが失われ、互いが互いを監視するような社会それ自体のこと…そしてそれはもうちらほらと見受けられているんではないかなと。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2006/10/18 23:51
補足すると、民間に抑制機能があるとすれば自由とか民主主義とはーっちゅう「とは論」(と勝手に私は普段いってるけど)ではなくて、もっと現実的な話だよね(そんなイデオロギー的な話しないでしょ、会社にいて)「セキュリティ」の「コスト」ってどうなのよ?って思うところで、「これ以上いらないんじゃないの?」って経営側が考えられるかどうかだよね、そこに気が付くがどうかじゃない?警備産業が隙間だとは思わないけど「受注産業」でしょうって意味で。システムベンダーもでかいけど「受注産業」でしょ。データベース作るにせよ「前同じようなの作ったけど、なんだか死にシステムになってるぽいのにまた作るのですか、それ資産として圧迫することになりませんか。もしかしたら、いらないんじゃありませんの」ってところとかね。
commented by 安原
posted at 2006/10/18 03:35
こんばんわー(笑)
先日、某編集部で仕事しておりましたが、セキュリティが数箇所、外に出にくい、中に入りにくい。疲れていたこともあり、深夜残業をする場合は出るときも出方が入り組んでいる。なんかあせっていて1階の外階段部分でこけ、ひざを思い切りうってしまいました。うううう痛い。私はふだんは女性誌の仕事も多いんで、男性週刊誌とか新聞ならともかく(これも本当は心配することないと思うけど)、そこにいるスタッフ、「ものすご意味ない。誰が襲うのか教えてくれ(苦笑)」っていってますね。
ちょっと前ですが、某有名ビルで映画の記者発表会。ちょっとした地震でエレベーターがストップ。セレブがあがれず、記者は降りれず。40分くらい閉じ込め状態。
セキュリティレベルもカードもってれば入れるっていうのが進化してる。部屋に入ったカードじゃないとと外に出れないって数合わせもできる。
端的にいうと民間の技術革新の力でどんどんセキュリティレベルがあがるってかんじかな。
「自由」とか「警察国家化」どうのって大きな話っていう以前に(おまえがいうなって)、ぜんぜん関係ない人らに漏れ出してる気がしますよ。あーめんどーだなあー、意味ないなー、暮らしにくいなあ、やりにくーだと思うよ。
あと民間がやると国家の統制を抑制できるっていうのは、ある意味ちょっと「左」ぽい論理かねと思うけど。精神病院を民間が世界一作ってきた日本が果たしてできるのかなと思ったりするし、それが問題化するのに時間がかかる。ようするに「閉じ込め」だから。見えないもんで。それが「グロテスク」かなと思います。
それに、はっきりいってセキュリティがあがると一番困るの、マスコミの人間じゃないかと思うんだけどね。
あと、私はマスコミだけの仕事してないけど、フリーランスだと、どうしてもセキュリティが高いところの仕事はできなくなりつつある。フリーであれ、NDAかけとかきゃいいんじゃんって話にはならないほうが多いよね、やっぱり。
民とか公とかもこれ以前に、組織に従属しないで、ひとりひとりが独立してフリーエージェント的に組織の論理と違うところで動く、それって抑制機能だと思うから、私は国会議員と学者ってまず、あなたたちが党派政治やら論壇政治から解放されたほうがいいんじゃないのって思うけど・・これも逆コース。
 なーんて、私もまわりくどく考えてみました。えっ考えてないって、あれっ(笑)
commented by 安原
posted at 2006/10/18 03:07