あたしはもうお客さんじゃないよ。~してあげるのとしてもらうのとは意味が違うよ。~ボードリアール~ | あざみの効用

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或いは共生新党残党が棲まう地

『成長社会は豊かな社会の正反対である…。競争心をかき立てる欲求と生産とのあいだの恒常的なこの緊張、すなわち貧乏性的緊張である『心理的窮乏化』のおかげで、生産の秩序は自分に十分引き受けられる欲求だけを生じさせ、満足させるよう振る舞うのである。経済成長の秩序においては、この論理に従えば自立的な欲求は存在しないし、また存在できない。存在するのは成長の欲求だけである。』

『【きれいな空気への権利】の意味するものは、自然の財産としてのきれいな空気の消滅とその商品の地位への移行、およびその不平等な社会的再分配という事実である。したがって資本主義システムの進歩にすぎないものを、客観的な社会の進歩と取り違えてはならない。資本主義的システムの進歩とは、あらゆる具体的自然的価値が徐々に生産形態、つまり(1)経済的利潤、(2)社会的特権への源泉へと変質することなのである。』

『消費は緊張の解除である弱者の幸福を目指す…。快楽主義的なこの新しい行動スタイルにつきまとう深い罪の意識と、『欲望の戦略家たち』によって明確に規定された、受動性を免罪する緊急性とは、ここから生じている。労苦や心配のない、そしてそれを喜んでいる無数の人々に受動性からくる罪の意識を取り除いてやらなければならない。ここに、マス・メディアによる見世物的ドラマ化の操作が介入してくる。』

仏の哲学・社会学者、ジャン・ボードリヤール氏が死去
>「物の体系」(68年)や「消費社会の神話と構造」(70年)などの著作で、ブランドなどの記号に左右されがちな消費者の動向を分析して、消費社会の特質を指摘し、反響を呼んだ。91年の湾岸戦争の際の論文「湾岸戦争は起こらなかった」では、遠隔地で起きている戦争がマスメディアによって同時代の出来事として伝えられたものの、なかなか実態が把握できない「仮想現実」を描き、現代の戦争の特殊性を解説した。著作は他に「象徴交換と死」など50点以上。写真家としても活躍、日本でも作品展を開いた。写真論に「消滅の技法」がある。(2007年3月7日 読売新聞)

今までも何度かその言葉を引用させていただいたりしたように、個人的には好きな思想家でした。「ボードリヤールの物理的な死は単なるモード(ニュース)のうえでの話に過ぎない。」(彼の言説はもうとうに死んでいたんだというのが正しいのでしょうけれど(ノД`)シクシク)と思うことにします。

2006/03/08 は、他人を見下す速水(間違っていない略だw)に、魚住、まーけったーのいいかげんな言説にゲーム脳と今読み返しても…

暴力的なTVゲーム、殺人につながらない=米調査
>1999年に米コロラド州で起きたコロンバイン高校銃乱射事件発生後からこの問題を研究している当地の南カリフォルニア大の社会学者カレン・スターンハイマー氏は、若者の暴力をテレビゲームのせいにする人々はそのほかの重要なことを見過ごしている、と指摘する。同乱射事件については、一部の専門家が「Doom」というゲームが事件の引き金になったと主張した。

>スターンハイマー氏が青少年の犯罪に関する新聞報道とFBIの統計を分析した結果、「Doom」とそれに類似する残虐なタイトルのゲームが発売されてからの10年で、米国における若者の殺人罪での検挙率は77パーセント減少した。同氏によると、学生が校内で殺される確率は1000万分の1以下だという。

ゲームが暴力を減少させているとはいえなくても、ゲームが暴力を推進するとは到底いえないと日本だけでなくアメリカでも答えがでましたと(もちろん相関なんとかにすぎませんがw)。

超能力や心霊現象のテレビ番組、行き過ぎ是正を要望 (朝日新聞 2007年03月04日)
>超能力や心霊現象を取り上げたテレビ番組が霊感商法による被害への素地になっている危険性があるとして、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、民放連とNHKなどに番組内容の見直しなどを求める要望書を提出した。

>要望書では、この数年、「霊能師」と称する人物が「霊界やオーラが見える」と断言したり、タレントの未来を断定的に予言したりし、出演者が信じているような番組が目立ってきた、と指摘。番組の社会的影響に注意を払い、行き過ぎを是正してもらいたい、などと求めた。

バーチャル以前の問題ですよね。この点、今週のニューズウィークが素敵だったので後でメモします。

>連絡会によると、05年に連絡会や消費者センターに寄せられた霊感商法の被害は約1000件で、総額約28億円。多くは世界基督教統一神霊協会(統一教会)がらみの相談という。

そんな統一教会に祝辞送った首相もいましたねw

先日 、左を代表する著名人の絶望的な何かについて述懐したばかりですが、御託専科さま「『丸山眞男』をひっぱたきたい」への応答 -論座2007年4月号」 が言いたい事を過不足なく(過はあるかなw)、書き表わしていたのでメモと♪

「グッとくる貧乏人」はいたんだけど、それは左翼と関係ないことが確認されたし、そのあとの論者たちの主張は従来型左翼の行き詰まりと新時代への混迷を印象付けるだけだ。まるで諸君!の「左翼は死んだ」特集かい、と思ってしまうぐらいである。

左翼っていったい何を守り何と戦おうとしているんでしょうね。本来、「貧困」その揺籃の地であり、主戦場ではなかったの?けんぽーだとか、地球破壊とか、他国の売春婦の問題とかさしあたってどーでもいいんですが。

「子どもと携帯」テーマに市民フォーラム
>子どもの健全育成に取り組む父親たちのネットワーク「おやじ日本」(会長・竹花豊前警察庁生活安全局長)と「ネット社会と子どもたち協議会」などが主催。小学生や中学生を子どもに持つ保護者や教育関係者ら約280人が参加した。ネットの安全活動を推進する「e―ネットキャラバン運営協議会」の永井正直さんが出会い系や爆弾の製造方法など携帯でアクセスできる違法、有害サイトをスライドで紹介。情報教育に取り組む柏市立土南部小学校教諭の西田光昭さんは「携帯のいい面、悪い面を知り、親と子どもが一緒に考えていくことが大切だ」と指摘した。〔共同〕

公式ホームページ を読むと、300人上限とあったので280人というのはそれほどまだ「おやじの会」は根を下ろしていないということなのかな?まあ、竹花はこういうものを地道に広げていくんでしょうが…。


以下 アニメ感想

「NANA」第44話
脚本;金春智子
絵コンテ;佐山聖子

もはや主人公が23歳、15歳のカップルに見えてきた(ナナとハチがいずれもぐだぐだでかっこ悪いし)んですが。しかし、喫煙にせよ、15歳のそれも少年の売春にせよ、読売テレビはこんなものを放映している以上メディア悪影響論は説けないでしょうね。結局、最後は金が勝つんです。


「カレイドスター」第9話

初めて続き話を持ってきたということは第10話は続きなのかな?


「のだめカンタービレ」Lesson9

川澄綾子の美(笑)歌声に演技以上の何かを感じるのは私だけ?


Comments
nobさん、こんばんわ!

…自意識過剰だったみたいでお恥ずかしい><

>2ちゃんねる管理者、敗訴43件も制裁金4億円不払い

に絡んで、また毎ゴミ新聞がらみの記事がたまったので近日中にまとめて記録します…。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/03/15 00:24
遊鬱さん、こんにちは。

> 貼る場所借りてきていただいたんですか!?

いえいえ、私のホームページですよ。そのアドレスから 20070312.txt をとってアクセスすればトップページに行けます(大したものはなにも無いですけど…)。文字数制限があるかもと思ったのでこういう形になりました。
commented by nob
posted at 2007/03/13 11:29
nobさん、ずいぶん珍しいカタチのページだなってアドレスをなにげなくみたら…もしかして文字に起こして、貼る場所借りてきていただいたんですか!?このまま流れたらもったいなさすぎるのでそのまま転載させていただきます!

「ボードリヤール氏を悼む 今村 仁司」

・有用性から象徴へ 消費価値読み解く

 ジャン・ボードリヤール氏が逝去した。その訃報を耳にしたとき、かつて私の思想形成の一部をなしていた彼から受けた宝が、ともに消え去るような気がした。思い起こせばそれほどに彼の学恩は私にとって深く、また重いと感じる。いま急ぎ足に昔を思い起こしながら、彼の初期の社会学書に限って、彼の業績をふりかえってみたい。

 私が最初に興味をそそられた書物は『消費社会の神話と構造』(邦訳は紀伊国屋書店刊)である。そこには「消費」の考え方について一種の革命的な旋回が見られた。十八世紀以来、功利主義経済学が教えてきたモノの役立ち・機能(有用性とよばれる)の消費観からモノの象徴価値の消費観への劇的旋回である。現代人はモノの役立ち以上にモノの象徴性を消費する。これが現代消費社会の基本概念であると彼は鋭く
指摘した。

 ひらたくいえば、ブランド品とか高級品の所有者たちを、かれらの観念のなかだけのことだが、他人よりも優越した立場にあるとおもわせる。他人の視線を意識し、その視線に合わせて、他人に対して優位させるかにみえるモノを手にいれて、自分の社会地位の高さを誇示する欲望がモノの象徴価値を生み出し、それを消費する競争をおこなわせるのである。小さな、小市民的といってよい上昇志向であり、つまりは虚栄心のなせるわざであるが、これこそが自動車やデパートあるいはファッションなどの諸産業を繁栄させてきた基礎的現象なのである。

 産業社会が消費社会を産み出したのだが、その消費社会は有用性中心の価値観とは異質の象徴性の価値観を打ち出して、現代社会を一層複雑にしているにすぎない。その錯綜を
読み解く概念装置を彼は創造したといっていい。その意味で、ボードリヤールの象徴価値論はわたしたちがいま生きて
いる現代社会を理解するための不可欠の理論である。彼の社会学的理論はいまもなお、あるいは前以上に、輝いているし、輝き続けることだろう。


 もうひとつ私が刺激を受けた書物は『象徴交換と死』(邦訳はちくま学芸文庫)である。彼は画期的な消費論から一歩前進して、人類学(とくにマルセス・モース)が教えた贈
与の「交換」を象徴交換と読みかえて、これを軸に近代の伝統的諸学を総なめに批判した。
 
 象徴交換とは死の交換である。社会関係の基礎には自己の死を差し出して、他人の死を要求するという互酬性がある。ところが近代の諸思想は死を消去しようとして、生産中心
主義になってしまった(経済学、言語学、精神分析その他)とボードリヤールは言う。死の象徴交換の観点から見れば、
9.11などの自爆テロは、テロリストが死と引き換えに傷つけられた自らの威信を承認することを求めていると読み解くことができる。彼のその後の挑発的文明批評は彼の象徴交換
論の応用編に私にはみえるのである。

 彼の現代社会・文明論は二十世紀の卓越した業績として末永く記憶されるに値するだろう。(東京経済大学教授=社会哲学)


●私はポストモダンとしてひとくくりに総て過去のものとして流行・消費されてしまった「思想」は、それこそファッションがレトロブームとか定期的に見直されるが如く、今でも、否今だからこそ救い出される、リバイバルされるべきものと思っています(仲正昌樹氏の著書のように)。そのような人間ですので、この文章は本当にとっても素敵な追悼文だと思いました…ボードリヤールは好きなんです。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/03/12 21:10
遊鬱さん、こんにちは。

ボードリヤール氏を悼む記事がありましたので紹介します。
ちょっと長いのでこちらから参照してください。
ttp://www.speedway.ne.jp/~t-nobu80/20070312.txt
誤字・脱字があったらすみません。あと読みにくいかも…
commented by nob
posted at 2007/03/12 11:05
nobさん、こんばんわー。

共産党はその容量と服用を間違えなければ、絶対に必要な政党だと思います。佐藤優氏と筆坂秀世元議員の対談にあった気もしますが、その議員数に比べて今流行のインテリジェンス能力高いですよね(…民主党が低すぎるだけのような気もしますがorz)

二つ目の記事はそのまま拝借いたしました!

敗訴しても払うことなく、年収億ぐらいとか言ってしまったのは軽率だったと思います。一文もないもんという今までどおりの開き直りなら債権者は困っただろうけれど、がんばれば取れるという想いを抱いただろうし、あるのに払わないというのは司法に対する挑発行為そのものですから…。
commented by 遊鬱◆jnhN514s
posted at 2007/03/11 20:51
遊鬱さん、こんにちは。

首相の選挙区支部、補助金受けた企業が献金…共産指摘
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070309i317.htm

安倍内閣で新設の会議、経費計1784万円
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070309ia22.htm
> 経費の内訳は委員への謝礼金や旅費などで、最も多かったのは教育再生会議の約939万円。

あと、
2ちゃんねる管理者、敗訴43件も制裁金4億円不払い
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070305it05.htm
ちゃんと裁判が行われているわけだから、無法状態とは言えないと思うのですが。それに、 2ch イコール「ネット」ではないでしょうに。でも西村氏の行動は危ういとは思いますけどね。
commented by nob
posted at 2007/03/10 13:24