東京のコロナ感染者の数は本当にすごい。自分がコロナではない事が不思議である。
ネットニュースで、東京で医療崩壊が起きるわけがないという記事を読んだ。
確かに何千台と人工呼吸器はあるし、それを操作するための人員もそれににあった人数がいる。
ICUも、都民に対して普通では足りる病床数を保有している。さすが国の中枢である東京の数字である。
現在、コロナの患者に使用している人工呼吸器は全体の数パーセントである。
その記事によると、東京には、まだこんなに一杯の人工呼吸器を保有しているし、ICUの病床数はまだこんなにあるはずだ。
・・・とは言うけれど、
世の中の人工呼吸器を欲している方々はコロナだけではない。何だい使用可能台数がある事が大切である。
「民間病院の大半が、コロナ患者の引き受けを拒否している」と書いていた。いやいや、全国の病院は全てが急性期病院ではない。うちのように終の棲家のような病院もある。精神科病院のような特殊な病院もある。
全ての病院にコロナ患者の引き受けを義務付けたら、助かる人もたすからなくなってしまう。
人工呼吸器のない我が病院。うちはナチュラルコースのご高齢者がメインの病院である。「積極的な延命をのぞまない」が条件なので、こんな病院にコロナ患者が入院してきたら、助かる命もナチュラルコースにされてしまう。
精神科にコロナ・・・。無理でしょう。
リハビリ病院もそうだし、産婦人科病院も無理でしょう。収容された病院も運しだい・・・になりかねない。
そういうのが分かっていて記事にしているのだろうか。
コロナを引き受けるという事は。きちっとした感染管理を要するという事だ。すなわち、他の疾患の患者とは管理ができない。
例えば、八人部屋に一人のコロナの患者を入院させると、看護師船対策のためにコロナ以外の患者は収容できず、八人部屋が個室状態になる。
ICUも同じである。一人のコロナを受けると、他の疾患の患者を受け入れる事ができないのである。
そういうのが分からないのかしらと不快に思った。
昨年、我が病院は非常に多忙になった。なぜなら、病床確保のためにコロナ病床を有する病院が患者を放出を活発に始めたからである。
こういう時に犠牲になるのが高齢者である。特にせん妄やBPSDを呈している方から放出される。
とにかく管理しがたい方々を受け入れなくてはいけないので、身体拘束の方々が非常に増えた。
今までは不要な方も含まれていましたが、今は、身体拘束仕方がなし状態の方々が多くて・・・。そういう、身体拘束を減らそうと活動している私には厳しい現状です。
本当に、問題ある人はお家に返して欲しいです。家で転んだり、階段から落ちても、それは単なる事故ですが、
病院内で同様な事が起きればインシデントアクシデント事故になります。看護師の管理能力が問われるのです。だから、もともと在宅なら在宅に返して欲しいです。もう、余命いくばくもない、本当に終末期の管理が必要な方々が当院の対象なのです。リハビリをして身体機能を向上させる目的や、余生を楽しく過ごしたい、もう少し元気に暮らせる人は当院の対象外だと思います。
商売なので、本当に何でもかんでも引き受けていますが、対象外の方々は本当に不幸な毎日を過ごしています。精神科に入院していればもっと幸せなBPSDを呈している患者さんもいますが、本当に対象外の人が入院すると、本当に気の毒な病院なのです。
つまり、コロナの方が入院すれば、急変に対しても対応できないので、ナチュラルにお看取りするしかないのです。
数のマジック。数的には、おっしゃる通りですが・・・と思います。