今日は夜勤明けです。このところの夜勤は色々な意味で大変な患者さんが増えて、とっても内容の濃い仕事内容。今日もヘロヘロで帰宅いたしました。
昨日は昼夜逆転で起き出しちゃうような患者さんが入院してきて初日の夜勤。転院前の病院の情報通り、日中は爆睡。夜になると覚醒して動き出す・・・一般の方なら良いのですが、認知症の患者さん。どこかに行っちゃったり、怪我したり・・・目の行き届かないところで、こういう方を管理するのは大変な事です。このところ、中途半端なADLで認知症の方を預かる事が多い。夜間病棟の廊下を這いずっていたとか、ベッドの下の床の上で寝ていたとか、エレベーター前に立っていたとか・・・盛り沢山。日々山のように似たような内容のインシデントレポートが上がっています。我が病院は身体拘束は極々最小限。一般病院のように治療上の理由でベッドに縛り付けたりするような身体拘束はしていません。治療上の理由で、例えばCVカテーテルを抜去してしまう。などといった理由で手袋をしたり、つなぎ服を着せる事はあるんですが・・・。転倒転落などのリスクがあるとか、目が届かずに無断で離院してしまうとか、そういう理由で拘束する事はできません。
半端なADLの認知症の方の対策は、
離床した事を知らせるセンサーなどを使用します。あと、ベッドから落ちてしまうような人はベッドを低床にしてマットを敷いておくとか。けれど、こんな大勢そういう人をお預かりする想定はないので、数に限りがある。各病棟で取り合い。必要な方に万全に対策出来るわけではないのです。
特に入院した初日。「様子をみましょう」という事になるので、患者さんが疲れるまでナースステーションでお預かり。
一応病院なので、こういう認知症で「困ったちゃん」だけを管理しているわけではありません。終末期の患者さんなど、医療的な看護を必要とする患者さんも大勢いるんですよね。
なんかどちらも同時に看護・介護するって本当に大変。どっちかにして欲しい。
昨日は、
「いい子で明日の朝を迎えましょうね」と願いを込めている数人の患者さんと、身体的な面で濃厚な看護を必要とする方々を数人抱えた夜勤でした。
そして、二人の患者さんのお見送りをいたしました。
一人は、まあ具合は良くないが。。。まさか「今日?!」という患者さん。
発見した時は、最期の一呼吸というところでした。まだ頸動脈の触知はできていましたが・・・。この時点でご家族を呼んでも間に合わない。本当に残念なケースでした。
もう一人は、
発見した時は、最期の一呼吸というところでした。まだ頸動脈の触知はできていましたが・・・。この時点でご家族を呼んでも間に合わない。本当に残念なケースでした。
もう一人は、
あと日勤にバトンタッチを目前。ちょうど患者さんの朝食の時間でした。
一週間前より危篤状態。低空飛行でしたが「絶対に日勤に渡せる」と思っていたのですがね。
がん終末期の患者さん。こういったホスピス的目的で入院している方もいらっしゃいます。そういう方はお若い。この方も私の一つ年下の女性でした。数年前に癌を発症。治療して再発して・・・その繰り返しで病気と共に生活。昨年の夏まで普通にお仕事をされていたそうです。
歳も近く、家族環境も似ていて・・・。その方を見ていると我がごとのように感じていました。
一週間前より危篤状態。低空飛行でしたが「絶対に日勤に渡せる」と思っていたのですがね。
がん終末期の患者さん。こういったホスピス的目的で入院している方もいらっしゃいます。そういう方はお若い。この方も私の一つ年下の女性でした。数年前に癌を発症。治療して再発して・・・その繰り返しで病気と共に生活。昨年の夏まで普通にお仕事をされていたそうです。
歳も近く、家族環境も似ていて・・・。その方を見ていると我がごとのように感じていました。
子として、親より先立ってはいけない。親を見届けるのが勤め。先立つ子供は「親不孝」とよく我が親は言っていました。
親一人子一人の生活環境。きちっと子という勤めを果たさなければと思いつつも、母と別れる日があってほしいとは思わない。反対に、母も同じだと思う。順番的に親の方が子のもとを去るのが当たり前。でも、残される子供のことを思うと・・・。
病気が病気なので、この患者さんの親御さんはある程度、「子が先立つ」事に対して覚悟を決めていると思うけれど、やっぱり、ガックリですよね。
歳も近く、家族環境も似ているこの患者さん。身につまされるので、看取りたくなかったのです。しかし、仕事ですからね。仕方がないです。これも運命のいたずらです。
患者さんに「あなたは、きちっと子どもの役目を果たしてね」と言われた気がしました。
さて、不思議な事がありました。時間は違いますが、お二人とも「十一分」が死亡時間でした。
そして、お二人とも、ご家族が持っていらっしゃった「着物」を着て帰られました。
先の方はお気に入りの大島の着物を着て帰られました。
そして、お二人とも、ご家族が持っていらっしゃった「着物」を着て帰られました。
先の方はお気に入りの大島の着物を着て帰られました。
普段、着物を着慣れていますが、男性の帯の結び方はよく分からない。
すみませんが適当に結んでしまいました。帯が長くて、困りました・・・。一応、貝ノ口風に結びました。
一つ下の患者さんは成人式の時のでしょうね・・・。お振袖を着て帰られました。
しかし、柄行が私の世代の着物よりも古かった。丈も短めだったし・・・。もしかして、お母様のお振袖だったのかも知れません。
親御さんは、ガーゼの着物を着せて、振袖を掛けてあげる感じでいいですと仰っていましたが、せっかくの旅立ちの衣装。寝間着で旅立つよりも、正絹の綺麗な着物が良いと思って「振袖を着ましょう」と提案してしまいました。準備不足で帯もなく、紐はガーゼの浴衣の紐が一本。簡易的な着付けになったのが心残りでした。
木綿やガーゼの寝間着の着物は着せにくくて好きではありません。
正絹はやっぱり、きちっと格好がつく。
私が死んだときも、ぜひぜひお気に入りの着物を着せて送り出してほしい。が・・・。どの着物にしよう。そうね。。。私は、やっぱりお囃子の流派の紋付を着て逝きたいな。
親御さんは、ガーゼの着物を着せて、振袖を掛けてあげる感じでいいですと仰っていましたが、せっかくの旅立ちの衣装。寝間着で旅立つよりも、正絹の綺麗な着物が良いと思って「振袖を着ましょう」と提案してしまいました。準備不足で帯もなく、紐はガーゼの浴衣の紐が一本。簡易的な着付けになったのが心残りでした。
木綿やガーゼの寝間着の着物は着せにくくて好きではありません。
正絹はやっぱり、きちっと格好がつく。
私が死んだときも、ぜひぜひお気に入りの着物を着せて送り出してほしい。が・・・。どの着物にしよう。そうね。。。私は、やっぱりお囃子の流派の紋付を着て逝きたいな。
今まで、寝間着以外のものを着せてお送りした事が何度もある。同じ日に二件ともお着物というのは珍しいが・・・。
在日の方で、そのお国の花嫁衣裳を着て帰られた事がある。さすがに着付けが分からないので、お嬢さんにお手伝いをしていただきながら仕上げました。
つまらない木綿の寝間着で変えられる方がほとんどですが、
私は、ご本人のお気に入りを着て旅立ってほしい。
ぜひ、自分が万が一の時の衣装。用意してください。そして、それを残される人に託してほしいと思います。
ぜひ、自分が万が一の時の衣装。用意してください。そして、それを残される人に託してほしいと思います。