久々の演奏会。超流派で最高の演奏を拝聴できるのが温知会。本日もとても楽しみにしていました。が、所要あって、一緒の母を残して三曲目の『狂獅子』で失礼いたしました。
以前、亡くなられた五三郎先生。記憶が突然飛んでしまったりと年齢的な寂し悲劇に遭遇しました。が、「それがいいのよ!」と、ご高齢の名人の演奏の聴き方を教えていただいた事があります。
本日も、大好きな名人の方の、その年齢ではの味わいの演奏に出会いました。
『土蜘蛛』
(唄)杵屋彌十郎、他
(三味線)杵屋五三郎、他
(囃子)望月彦十郎、他
最初の五三郎先生の一音の音にうっとりした。さすが、彼の三味線の音色はこの世のもの以上の音色である。
師匠の太鼓を拝見。舞を見るように美しい。あのようにしなやかに太鼓を打てるというのが私の目標である。
『島の千歳』
(唄)芳村伊十郎、他
(三味線)杵屋寒玉、他
(小鼓)藤舎呂船
寒玉氏の三味線はとっても歯切れが良くて、以前よりのファンである。
が・・・
やっぱり、ご高齢の為か、音の甘さが・・・。
そのあたりを、うまい唄い手さんはフォローするというのが、ご高齢の名人に付いた方の務めと思うのですが・・・。
なんか、「この人の三味線じゃ唄えない」モードが感じられる。
唄で何とかしようという試行錯誤を感じられたが
実際は・・・、何気に、パート内もバラバラで唄に至ってはハモらないのにハモっている感じで、息がバラバラだった。ちょっと残念な演奏だった。
しかし、ご高齢な寒玉氏の演奏は今後も一回一回が貴重。彼の演奏に出会ったときは、耳を研ぎ澄まし、彼の音締を鑑賞したいです。
今日も歯切れが良くて素敵でした。
『狂獅子』
(唄)杵屋東成、他
(三味線)今藤美治郎、他
(お囃子)藤舎呂船、他
獅子もの中でも、味わいのある素敵な曲で、憧れの一曲でもあります。
私の持っている駄馬の小鼓では表現できませんが、よい小鼓で表現すると何倍も良く聞こえる長唄だと思います。
この曲を拝聴するたびに、良い楽器が欲しいなぁと思う次第であります。
さて、ここで休憩だったのですが、私は母を置いて次の予定に直行しました。
母から、これ以降の演奏の感想を聞いたら、宮田氏の唄がすごかった・・・ぱかりでした。
・・・そりゃ当たり前のことで、それ以外の感想を聞きたかった。