疲れた夜勤 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

昨日の夜。超大好きだった患者さんが旅立ちました。入院して八年。ほぼ八年ぴったりという感じでした。

この患者さんより数年遅れで入職。その時はやや、プクプクした患者さんという印象でした。

お嬢様育ちで、我がままで、そこが可愛い方だったのですが、、、。

何年か前に、いきなり拒食になって、痩せちゃいました。

一生懸命に食事を勧めると、

「煩いわね。デブ」といったあなた。思わず「○○さんに言われる筋合いはない」と反撃して、「だから食べましょう」と促していたよなぁ。その言葉を発したときはまだデブの彼女でした。

 

あれから復活したものの、徐々に弱っていったよね。

弱った彼女を見ながら、昔の彼女を知らないスタッフに、昔はふくよかだったんだよなんて話していました。

日に日に、炎がその勢いが弱まるがごとし、彼女はどんどん骨皮筋子になって、言い方は悪いが「即身成仏」という感じに・・・。週の初めに彼女を見たときに「お別れは近い」と感じました。

彼女は独身。三人兄弟の長女。なぜか、彼女と妹さんは独身で、弟さんの身内がおばさんたちを見送る重責を担う。下の弟さんと妹さんは亡くなられた。妹さん。彼女と仲が悪かったらしいが、支払いの時になるとついでに見舞いに。なのに、彼女の見えない足元に静かに座って、しばらくすると帰っていく。不思議な光景。その光景がしばらくないなぁ・・・と思ったら・・・

「お姉さま、お先にすみません」と旅立っていました。

昨日、もうダメかもで姪御さんにムンテラ。お父様も下のおば様も見送った姪御さん。

「おばさん・・・」その対応の愛情の深さに、三兄弟の絆の深さを感じた。

こういったケースはほとんど“しかたがなく”が多い。でも、彼女は違うという感じだったので、なるべく臨終に間に合うようにしてあげたかった。

勤務交代で訪室すると、

「家の事もあるので帰ります。もう心の準備もしていますので」と彼女は家路に。

ところがしばらくして、患者さんの心拍数が・・・。

この呼ぶタイミングが難しい。確かに心拍は落ちているけれど、正常範囲。でもなぁ、、、危ない不整脈がけっこうあるし・・・←ここが最大判断要素。

しかし、このタイミングでけっこう長くもってしまったりする。実のこどもの場合は良いけれど、ちょっと離れた血縁だとどうかなぁと思う。

けれど、夕方に見た彼女のおばに対する態度で判断。きっと親密な関係なんだ。患者さんを寂しく旅立たせるのも心苦しい。姪御さんにもしっかり見送りをお願いしたい。

結局、かわいい姪御さんに手を握られて彼女は旅立ちました。モニターを管理していて彼女らしさを感じた。「ダメ~」と弱気な時間があると「いけないいけない」といきなり張り切る彼女でした。亡くなる寸前の心拍はそんな感じでした。

 

いやいや、この看取りと同時に違う患者さんの急変が重なって、

この商売に入って、初めて「大変」と思った。当直のバイトの医師からも「看護師さん一人で大変ですね」とつくづく言われた。パニックでしたよ。死にゆく方の尊厳と、急変者の尊厳。「生きている方が大事」ですが、そうとも言い切れない。どっちも大切ですから。

 

本日の夜勤入りは、休日明けだった。確かに彼女の状態の悪さは感じていた。が・・・“感じ”は“感じ”。

今日関わった看護師の申し送りが大切。

午前中にはかった血圧は幾つで、午前中にオキシメーターが下がったから酸素が開始して、それ以降オキシメーターは測れません。でも呼吸状態も変わらなく・・・・。

「ねえねえ、日中おしっこ出た?」。。。排尿はその人の重症度の判断に重要。
「ああ、日中出ていません」・・・・・。
夜勤者に問われて、それからの対応かい。もしかして、いわれなかったらそのままかい!

超むかついた。

申し送りが終わって、その患者さんのところに行こうとすると「血圧が60でした」と慌て気味・・・。

確かにバイタルは刻々と変わるものですが、

引き継ぐ礼儀として、危ない患者さんのバイタルはきちっと測定して引き継ぐもの。

排尿の有る無しは重要ポイントなのよ!

本当になんちゃってナースで困る。

昨日は、

「日勤でやりきれなかった」という事で点滴のへパ止めとか残されたけれど、

残すのはいいけれど、きちっと準備して帰ってほしい。あれがないこれがないでナースステーションの行き来は疲れる。このケース。非常に多い。前職で私もこっぴどく先輩に怒られた事がある。人に自分の残務をお願いするのだから、それなりの礼儀があるでしょ。そうでなければ自分がサービス残業して自分の仕事を完結して帰ってほしいものです。
重症+日勤のやり残し業務で気が抜けなく、その上急変で(上記の患者さんのお看取りと同時に違う患者さんが急変・・・大変でした。)・・・・本当に疲れました。