国立小劇場では、
望月太喜雄氏が、望月彦十郎というお父様のお名前を継承されるそうで、その襲名およびお父様の彦十郎氏とお母様の杵屋勝喜芳氏の追善の会が開催された。
何か、ずっと「太喜雄氏」だったので、変な感じがする。
私の認識の中で、長い長い月日においてそのお名前だったので、どうも頭の切り替えができなくて、今後も「太喜雄さん」と言っちゃうだろうなぁ。
全曲40番。さすがの私も疲れるので、合間合間に休憩を入れました。
今日は蒸しているようで乾燥の一日だったのでしょうね。
プロの方々も小鼓の音が今一つでした。
印象的だったのは、本日ご出演のお囃子方さんで、一番最高齢の喜三久氏の小鼓がものすごっくさえていて、「さすが喜三久先生」と思っちゃいました。もう傘寿を過ぎられたのに・・・凄すぎ。
プロの方々も悩まれるコンディションですから、お弟子さん方にはとっても厳しい感じだったのでしょうね。
しかし、譜面を見て間違うとか・・・いけませんよね。
お囃子に限らず、三味線で出している方もそういう方がいらっしゃって・・・。
大舞台でのせっかくの晴れ舞台なのに、何と言うお金の無駄遣いをされているのでしょう。と思った。
基本は暗譜という事が当たり前と思う世界なので、譜面台を堂々と出しての演奏に吃驚でした。
プロが新曲や珍曲のために譜面を出しているのとは違います。
自分はその曲を演奏するために、その曲のために日々があるのだから・・・
せめて暗譜しましょうよ。好きな事なのだもの。
もう一つ幻滅したのは、とある花街のお嬢様方が出し物をしたのですが、
どの方も暗譜なし、変調は後見任せ。
ある意味、彼女らはプロ。なのに・・・何だね・・・。ずいぶん残念な風景だった。
同じ花街のお嬢様方。打ちものやお笛はうちの流派の方が多いのですが・・・。
「毎日稽古の方々は違うよね」
「さすが厳しい世界で生きている方は違うよね」
と思わせてくれる。
だから、本当に吃驚でした。
会主の先生の古参のお弟子さん。いやいや、もしかしたらお父様のお弟子さんという方の出し物はすごかった。
杵屋正邦氏の『太鼓の曲』。かっこよかった♪
私もいつかこんな曲を演奏で来たらいいなぁ。
しかし、上段の方の出し物が多かった。
三味線という楽器は難しい。
間が正しいという事が基本。しかし、それが難しい。
手が回って、間がしっかりしているけれど、勘所がダメというのも聞き苦し。
どちらも上手という方・・・少ないですね。
例えば『追いまわし』は速い。というイメージで、突如間が狂うというのが素人。
「速い」とは違うのですよね。
つくづく三味線は難しいと思いました。