三月最後のお囃子のお稽古 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

私にとってお囃子初は、三十年位前に亡くなった大皮の師匠に入門した事に始まっている。

「喜四郎」というお名前でしたが、「鬼四郎」と言われるほどスパルタで有名な先生でした。

当時、大皮については最高の演奏者であった。が、ご自身では「僕は小鼓打ち」と仰っていました。

でもね。「俺に大皮を習おうという事はかなりの覚悟だと思う」なんて脅された事もありました。

いやいや、脅しではなく、本当に怖かったです。

が、おかげ様で本当に短時間で大皮について一杯一杯教わって、人前で打っても恥ずかしくないまでに。(いやいや、後々思えばかなり恥ずかしいレベルでしたが)で、初舞台を踏んだんですがね。。。

それから三か月で師匠は進行性の胃がんのために急逝されました。本当にショックな出来事です。


それから十年の月日が経って、もう一度お囃子をやりたいという気持ちが今の師匠に出会わせてくれました。

私は亡くなった師匠が今の師匠に出会わさせて下さったと信じています。


もともと私は小鼓に魅せられてお囃子をやりたいと願っていました。

長唄系のお囃子の場合は、いずれすべての楽器をやれる事が前提だから、、、と、亡くなった師匠に入門する際に、「あの先生に入門するなら、まずは大皮を勉強しなさい」というアドバイスから私は大皮を選択して入門したのですよね。本当は小鼓がやりたかったのですが・・・

今の師匠に入門する際も、母は「やっぱりまずは太鼓を勉強しなさい」と言っていたけれど、

私はやっぱり「私は小鼓をやりたいのよ」という我をはって、小鼓から入門しました。翌年から締め太鼓と二段稽古する事になりましたが・・・。


今の師匠に入門して十四年。大皮を触らなくなって二十四年か・・・。

お体の不調を押して、それこそ命を削って亡くなった師匠は大皮を私に伝えてくださいました。

が・・・

すっかり小鼓人間になってしまい、触らなくなった大皮の事・・・どんどん記憶が薄れるのです。

もう限界という今、師匠に「大皮のお稽古をして下さい」とお願いした。

そして、その念願がかなって

今日から大皮のお稽古。楽器に触れて、とても嬉しかったルン♪

大皮・・・楽しい。

今日やったのは『勢い』。喜四郎先生に入門して初めてお稽古したのもこの曲でした。

あの頃のワクワクがよみがえり、あの初心者だった頃の私の思い出が脳裏をよぎっていった。

そうそう、この曲の大皮が私にとってお囃子の初めて物語。ワクワクの思い出ばかりよみがえる。


ワクワクした割りに、ぜんぜん大皮を忘れている自分。アドバイスをいっぱいしていただきました。


ところで、小鼓も忘れるといけないので、自習としてやらなければ。

ちょいと課題が増えましたが、

今日は初回なのでルンルンです。