長唄協会の演奏会。春はよく伺うのですが秋は久々です。
知人が何人か出演なので、楽しみに伺いました。
はじめの『犬神』から最後の女子合同の『官女』まで十曲。協会の演奏会のわりに少ないプログラム。ものすごい番数のある春。それに比べて吃驚です。
『犬神』は東音系の演奏。やっぱりあのひとは微妙に外れてる。そして、息子さんまでが。。。気張っていたのですかね。今回は完璧で・・・。でも、彼の芸風はプラトニックで外れても好きなところがあります。
『犬神』の後半は太鼓が大変なところ。若手の彼が奮闘。素敵でした。
『秋の色種』
松永のタテ三味線と唄の方は、『蜘蛛の拍子舞』でお世話になった先生方であった。そして、我が唄の師匠もご出演。私はタテ唄の方の声が好きである。そして、師匠。ぜんぜん芸風何ですがね・・・。なんか、お互いのよいものを引き出しあっているのですよ!
ちょっと吃驚。意外な事に出会って私は超吃驚。長唄の深さを感じました。
『浦島』
杵巳の方々の出し物。三味線の巳太郎氏。お父様にそっくりな奏法。さすが芝居系の長唄さんと思った。
この曲。お囃子が入るともっと素敵なのに。
『四季の山姥』
鳥羽屋里長氏のお嬢様の三味線。きっとこの曲が好きなのだろうなぁと思う演奏でした。その思いがとっても伝わった曲でした。
そろそろ乾燥の季節に移行する頃だからなのだろうか。小鼓が厳しそうだった。
『喜三の庭』
研精会の方々の出し物。しっとり上品に曲をまとめていらっしゃいました。
この曲に出てくる「菊の着せ綿」。先日、大宮八幡に行ったときに現物を拝見。菊に綿を載せて、一晩おいて菊のエキスを含んだ綿で、長寿にちなんでパッティングという宮中の行事。その実物を拝見感動したばかりでした。
『狂い獅子』は疲れてしまって休憩タイムにしてしまいました。すみません。
『松の翁』
超久々に拝見する冨士田新蔵氏の唄を拝聴しました。
伊十郎全集で活躍された冨士田新蔵氏はおじいさまでしょうか?
タテ三味線の今藤美冶郎氏とご兄弟。
いやいや、このお兄様。噂に聞くと体調を崩されていたようで、十年近く、舞台で拝見することがなかった。
もう、彼の唄を拝聴することがないのかと思ったら。。。
今日は、この曲が私にとって超目玉でした。そして、とってもよい演奏だったと思います。
『角兵衛』
女流ベテランの伊十衛氏がご出演。佐門の佐臣氏とならぶベテランの女流の長唄さん。
が・・・声の調子悪く、ちょいと気の毒な舞台であった。ああ、女流はお茶を持ってでちゃいけないのかな。
脇の伊四絽氏は数年前の『島の千歳』と『松』でお世話になった唄い手さん。いつもながら思うが、彼女の声は長唄らしく正統派であるし素晴らしすぎ。今日もうっとりであった。
『綱館』
いやいや、祐介氏の三味線は素晴らしい。よく手もまわって。。。。
本日ナンバーワンの演奏でした。
タテ唄の岡安の方はお歳のよりに超美声で高音が素晴らしかった。
いやいやすごいなぁ。
『官女』
女子合同曲。
官女の太鼓。やっぱり二管でやるときは太鼓地は打ち分けるのですね。
私、初めて聞いて感動でした。しかし、一人でやるより難しく、絶対に私はできないと思いました。
難しい。。。
もとを知っていると余計に難しい!
だから、普段はもとをやっている方々ですから、いやいや「すごい」と思いました。
きっとサラの状態だったら何でもないでしょうけれど、
知っていると「ダメ」の典型と思いました。
この曲。知人がいっぱいご出演。ワクワクドキドキで拝聴しました。