先日のお稽古で教えていただいた、『京鹿子娘道成寺』の太鼓唄&祈りの部分の歌詞はどこからのパッチワークなのか知りたくて、ずっと調べまくっていました。
あった♪
「祈り」は、先日のお稽古で使用した音源では『紀州道成寺』の三段目でした。きっとたぶん、長くやりたければ、初段、二段、三段とやるのでしょうね。
さて、問題はその前の“太鼓唄”の部分。この歌詞は一体どこから持ってきたのかしら?
中々この部分の歌詞を探せ出せない私でしたが・・・
辿り着けばなんの事もない。本家本元の謡曲の『道成寺』からの歌詞だったのですね。
「祈り」で検索していたので、まったく辿りつれなかった。
あれは「ノット」のノリ地の部分のようです。
「すわすわ動くぞ、祈れただ、すわすわ動くぞ、祈れただ、引けやてんでに、千手の陀羅尼、不動の慈救の偈、明王の火炎の、黒煙を立ててぞ、祈りける、祈り祈られ、撞かねどこの鐘、響き出で。引かねどこの鐘、躍るとぞ見えし、ほどなく鐘楼に、引上げたり、あれ見よ蛇体は、現れたり」
そうそう、お能って感じですよね。こういうのがお囃子の醍醐味で大好きなのですが、
本当に鳥肌が立つくらいにカッコいい。
が、お稽古モードのヘナチョコの私がやってもぜんぜんつまらない。
こういう部分が上手にできたら良いのになぁ。
長唄というのは、色々なジャンルからパッチワークで成り立っているところがある。
そうそう、曲の途中途中で、
「ここは〇○から来ているから、〇○じゃなきゃならない」なんて言う言葉を良く耳する。
そうそう、ノリとか唄い方を変えなきゃいけない。
よく長唄は三味線音楽を学ぶなら、まず最初に携わった方が良いとされるジャンルの音楽。
ここをクリアしていれば、どのジャンルに行っても楽々なんですって!・・・本当か嘘か分からないけれど、母クラスの年代以上の方からよく耳にする言葉です。
で、その理由は長唄は長唄独自のものもあれば、色々なジャンルの音楽からパッチワーク素材として頂戴して、そういう音楽のつぎはぎで曲が成り立っているのだそうです。ふーん♪まあ、確かに「ここは外記節」とかありますよね。
『京鹿子娘道成寺』など、演奏会用の「山つくし」があって「去る程に」に行けば、まあ二十分ちょいくらいの普通の長唄だと思うのですが、
「山つくし」から「只頼め」に行って「早乙女」に。。。ついでに、そこで終わったかに見せて、まだまだ続いちゃって、明るい田植え唄調の妙に「いい加減さ」を感じるところに行って、で、「祈り」に行っちゃえば小一時間は掛る超大作大河ドラマになるのであります。
が。。。
もともとの本当の『娘道成寺』という曲がどれなのか・・・
だいたい、結末が「去る程に」と「早乙女」に行っちゃうバージョンと二通りあるのが超疑問。
踊りの場合は、
「只頼め」に行って、「早乙女」になって鐘に上って晒しで幕の場合が多いので、この道筋が本当かなと想像するけれど、じゃあ何故「去る程に」という別バージョンが誕生したのか?不思議だ・・・分からない。
本当に私にとっては分からないし、その分興味部会のがこの曲であります。
きっとたぶん、この曲を研究すると一生以上の年月が掛りそうです。