- プライベート・ライアン [DVD]/トム・ハンクス,トム・サイズモア,エドワード・バーンズ
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随分前の映画です。
たまたま、ケーブルテレビを回していたら、再びこの映画に出会い涙した。
大好きなトム・ハンクスの映画♪
スピルバーグ、トムハンクス・・・。たぶん、この映画は平和の願いとか、反戦とかそういう願いを込めて作られているのだと思いますが、
戦争の虚しさや悲惨さ無情さを感じつつも、アメリカの兵士はカッコいいなぁと思ってしまう罰当たりな私です。
昭和初めの頃の戦争。
日本はアメリカをはじめとした連合軍に敗戦しました。
私が幼少の頃は、まだ「敗戦した」という事が受け入れられない大人がいて、八月十五日を「終戦記念日」という人がほとんどでしたが、最近になって「敗戦記念日」と呼ぶ人がチラホラ出てきて、やっと日本も現実を受け入れられる事ができているんだなぁと思います。
敗戦に当たって、日本は多くの兵士や国民の命が犠牲になりました。日本人としては、そればかりがクローズアップされちゃうのです。
勝った敵は無傷。そんな印象をついつい持ってしまうのですが、
実は、その戦争の勝利に当たって、連合軍もかなり若い戦力の犠牲のもとにある勝利なのですよね。
こういう映画を観ると、ふとそんな事に気が付きます。
ノルマンディー・・・。ここを制圧する事でみごと連合軍は勝利を得て、ナチスは滅ぶのです。
この映画はそのノルマンディーが舞台。海岸に無情に倒れている兵士はナチスの兵隊ではありません。連合軍の兵士たちのです。そして、その彼らの血が海を染めて、寄せて返す波は真っ赤です。
ライアン家の四人兄弟。三人はこのノルマンディーで儚く散ってしまった。ライアン家の母親のもとに三人の戦死の知らせが同時に届くのです。なんとも無残で悲しい事が。せめて残りの末の弟を生存した状態で母親のもとに返そうというのがこの映画の物語であります。
ライアンは二等兵。つまり将棋でいう「歩」です。
将棋でも、「王将」を守るというのがゲームの主題ですが、この映画は「歩」を死守し故郷に生還させよというプロジェクトです。
名も知れぬ大勢の「歩」の兵隊から、目標の「ライアン」をそもそも探し出す事は大変ですね。
そして、そのライアンを見つけ出しても、故郷に生還させるという事は本当に大変な事なのだと思います。
あの時、ああだったら、こんな犠牲は無かったかも・・・。
いえいえ、そうとも言い切れません。
たった一人の名も知れぬ兵士を守るにも大勢の犠牲が出てしまうのです。
ライアンという名も知れぬ平凡な二等兵を死守し故郷に生還させるプロジェクトにおいて、米軍の優秀な戦士たちがその仕事を果たすために犠牲になる。
なんとも無情な話です。
が、
観客というのは面白くて、
「たかが二等兵を守るために、何故こんな優秀な人たちが死んでいくのだろう」と思ってしまう。
が違うのですよね。
このライアンという平凡な兵士も人の子。死守すべき命なのですよ。
そして、犠牲となった兵士たちもこんなところで散ってはいけない命なのですよ。
誰一人、失っていい命なんてないのだと思います。
国と国との戦いで、互いに多くの貴重な命の犠牲のもとに、勝利した敗戦した・・・。これが戦争。
誰しもが戦争なんてアホらしいと気が付いているのだと思いますがね・・・。
でも、なかなか戦争というものは無くならない。とっても不思議ですよね。