日本舞踊協会東京支部城南ブロック舞踊会 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

今日は夜勤明け。
でも、縁あってチケットをゲットしたので、とにかく残業はしない根性で仕事を終わらせ、超スピードで帰宅。シャワーをして、着替えて国立劇場に向かいました。
一曲目は逃しましたが、ちょうど劇場に着いた時は二曲目の大和楽『四季の花』でした。
以下、九曲のち六曲を楽しみました。

大和楽『四季の花』
昭和46年に、大和久満氏が長唄の舞踊曲として作曲されたものだそうです。以降、大和楽に移行。
ご存知と思いますが、大和久満氏は芳村伊十七氏と同一人物です。
聴いていて、長唄っぽいと思ったのは、やはり長唄として作曲したからなのですね。

とっても綺麗な曲に相応しく、とっても美しい舞踊でした。美しいというより、華やかという感じかしら?
色々な舞踊の流派の方々が組んでの集団の舞踊でした。
超流派なのに、息があっていてとっても素敵でした。

長唄『吉原雀』
江戸吉原が舞台となった華やかな舞踊です。
私はこの舞踊の衣裳が大好きです。黒と浅黄色、そしてチラッと見える緋色。
とっても粋で、こんな着物を着てみたいなぁといつも思います。
日舞の会は踊り自体も楽しみだし、演奏も楽しみ。
そして、鬘とか衣裳とか楽しみ満載です。

一曲、お休みして
清元『お祭』を拝見
清元。粋で楽しい曲でした。
粋なお姐さんが、二人の男を相手に立ち回り。大の男二人をやっつけてしまうという踊りです。
踊りの流派って本当に沢山ありますね。
今日は花川流というご流儀の方の踊りでした。
御簾から聞こえるお囃子の締め太鼓。ほとんど細撥の手。今やっている『紀文大尽』に出てくる手がいっぱい出ていました。細撥の手はお祭の手から来ているものが多いから当たり前ですね。
お祭系の手って、自分が打つとなるとすごっく苦手なんですが、聞いている上では本当に幸せ気分になります。
そろそろ、夜勤明けの体力限界に近づいて、瞼が重かったのですが、
お囃子聴いて元気復活でした。
踊りも楽しかったですが、どうしてもお囃子に気が・・・。
そうそう、今日の清元さんの三味線は、大好きな清元美治郎氏でした。歯切れがよくって大好きです。

義太夫『花競四季寿』
義太夫の舞踊でした。1809年。大阪御霊社境内で人形浄瑠璃の四段返しの景事として上演されたのが最初なのだそうです。200年前・・・古い曲ですね。
四曲の舞踊によって、一つの舞踊となっています。
一曲目は「万才」、二曲目は「海人」、三曲目は「関寺小町」、四曲目は「鷺娘」
義太夫の「鷺娘」は、なんとなくもの悲しい長唄の「鷺娘」と違い、白鷺の精が恋風に誘われて舞うという目出度い曲なのだそうです。
へえ~!義太夫にも「鷺娘」ってあったのですね。
踊り手の方々は、地唄舞の芳村流の方々。と言うことで、華やかな踊りとは違い、しっとりした立ち居振る舞い。京都言葉に「はんなり」という言葉がありますが、まさに“はんなり”が似合う舞踊でした。
私的には、一番最初の「万才」という曲が一番好きです。

長唄『静と知盛』
『船弁慶』のカット版的な曲ですね。素踊りでした。
どうも、私は歌舞伎の『船弁慶』のイメージが強すぎて、素踊りですとちょっと淋しい感じです。
前シテは美しき静御前。それが後ジテで恐ろしい知盛の幽霊で大暴れという、このギャップが楽しいのですが、素踊りだとその変が分かり難い。
はははっ・・・
まだまだ、目先先行な私なもので、素踊りの味わい方が未熟なのです。
ところで、「船弁慶」もそうですが、太鼓がカッコいいですね。
こんな曲が打てるようになるには、あと何年掛かる事でしょう。
小鼓もやってみたいなぁ。と思いつつ、ついついお囃子ばっかり見つめてしまいました。

またまた、一曲お休み。眠気が・・・
地唄『山姥』
地唄というのは、上品で心地よい邦楽ですね。演奏は富山清琴氏。この方の声は本当に素晴らしい。昨年、初めて藤舎囃子研究会でこの方の演奏を拝聴してすっかりファンなのです。
たったお一人で弾き唄いなのですが、その迫力は百人力な如く凄いオーラが放たれていました。
踊りも、祇園の夜の静かなお座敷の如く、上品で燐とした空間での舞いなのですね。
華やかではないのですが、とっても贅沢なものを拝見しているという気分でした。
はじめは、絶対に眠くなると思っていましたが、舞台に釘付けでした。

長唄『時雨西行』
昼の部トリの曲です。本日は素踊り。
西行法師は素踊りでも、江口の君はお作りしている場合は、時々見受けるのですが、本日は江口の君も素踊りでした。
素踊りの『時雨西行』も、地味なんですがなかなかですね。

長唄の出し物は、出囃子がほとんどなので、どうしてもお囃子に目が行っちゃって・・・
客席で一人だけ視線が・・・
クドキでじっくり踊り拝見という感じでした。

眠い中行った会でしたが、眠さも忘れ充実の一日でした。
今日の朝は患者様の急変にあっちゃったりで、けっこう朝になってバタバタだったのですね。
はあ、忙しいという時間を過ごして、日勤にバトンタッチ。
ついさっきまで、大汗かいて走り回っていたのに、数時間後、こうして日舞の会で美しき芸術に接し穏やかな気分である自分。ふと、すごいギャップだなぁと・・・。
しかし、こういった別世界があるから、充実人生なんだろうなぁ^^


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