今日は夜から国立小劇場でお囃子の演奏会がありました。
藤舎流は私がお稽古しているお囃子の流派で、今日はその流派のプロの先生方のお勉強会です。
とってもこの日を楽しみにしていました。
一曲目は「操り三番叟」でした。
普段、この曲が演奏される時って、松尽くしの踊り地が何故か省略されるのですが、今日はその「松尽くし」の踊り地入りで演奏されました。とっても貴重な演奏です。
私の三味線の流派は作曲者の杵屋弥十郎から分家した流派なので、この踊り地が残っている流派なのですが、それでもこの部分が入っている演奏を聴くのは今日で二回目でした。
踊り地はお囃子方では太鼓地と呼ばれています。
今日の太鼓は私の師匠。じっくり聴いてしまいました。
三番地の賑々しくエネルギッシュな場面からいきなり、はんなりとした場面にガラッと変化して、とっても素敵な太鼓地でした。
「モミ出し」の大皮も長いバージョンでやっていました。
そうそう、今じゃすっかり短いバージョンが耳慣れちゃっていましたが、大皮で三番叟をお稽古した時は長いバージョンでお稽古しました。
他人が長いバージョンで演奏するを今日は初めて耳にしました。やっぱり長いバージョンはカッコいいです。
大皮の師匠が、三番叟は大皮の為の曲だと仰っていましたが、そうですよね。太鼓も素敵ですけれど大皮がピカピカ光る曲ですよね。
二曲目は「狂獅子」でした。
地味な曲ですが超難しそうです。後半は迫力あって素敵でした。
今日の演奏は大好きな稀音家祐介さんでした。相変わらず素敵な三味線の音色でした。
三曲目は「廓丹前」でした。
陰囃子入りでとっても賑やかでした。
私はこの曲をお稽古した時、ある部分を望月流でお稽古しました。お稽古の時に「本当はうちは違う手が付いているんだよ」と伺っていました。
そして、今日はじめて藤舎流のあの部分を聴く事ができました。
なるほど、時鳥の羽ばたきですね。素敵な手が付いているんですね。
四曲目は「木賊刈」です。
おじいさん、おばあさんが登場する曲で渋い曲です。
大概、若い方がこの曲を演奏する事はありません。
還暦とか、喜寿とかそういった記念にこの曲を演奏会に出すというような曲です。
今日は、お囃子界最高齢の方が小鼓を演奏されました。
とっても味わいがあって素敵でした。
確か九十前後の方。。。凄いです。
とっても味わい深い、奥のある小鼓の音色を聴かさせて頂きました。
比べるのもおこがましいですが、私の小鼓の音色なんてまだまだひよこにも至らない、細胞の段階ですね。いつかあんな音色を出す事ができるようになるのでしょうか。
そして最後は。。。
「山月」という「山月記」をモチーフにした素囃子でした。
家元先生の小鼓。笛は人間国宝の名生先生。大皮は藤舎流の木村拓也、呂英先生。太鼓は呂悦先生。
照明効果も加わってとても聴き応えのある演奏でした。
演奏者の息を感じて感動的でした。
家元先生の小鼓も素敵でしたが、目を引いたのは太鼓でした。とっても迫力あって素敵でした。感動的な太鼓をありがとうごさいました。
今年最後の演奏会でした。
自分の流派の演奏会でしたから、とても勉強になりました。
もし、私だったら。。。こんな生意気な事を思っちゃう事もありました。・・・思うだけで表現する技がないのですが。
一生懸命に稽古に励んで、いつか渋ーく「木賊刈」なんかを演奏できるようになりたいものです。