伊十郎全集の『二人椀久』 | fuyusunのfree time

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長唄全集(4)二人椀久/高砂丹前 長唄全集(4)二人椀久/高砂丹前
芳村伊十郎(七代目) (1998/10/21)
コロムビアミュージックエンタテインメント
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九月から『二人椀久』の小鼓のお稽古に入っています。
私には過ぎたる難曲です。
昨日は、椀久の二回目のお稽古でした。

家には、いろいろな方の『二人椀久』の楽曲があります。
その中で、素敵な演奏だなぁと思っている楽曲は、今藤長之氏が唄っている『二人椀久』。
とっても幻想的で透明感があって・・・。

しかし、この伊十郎全集の椀久も素晴らしい。
唄は人間国宝でもあった七代目芳村伊十郎氏、他
三味線も人間国宝であった三代目今藤長十郎氏がタテで、ワキが現在人間国宝の杵屋五三郎氏。お囃子は先々代の藤舎呂船氏。
メンバーだけをみても、その中身の素晴らしさが伺える楽曲です。
名人の切磋琢磨な技の競演。感動です。
伊十郎全集。なかなか、全部は聴ききれなくて、椀久はあまり縁のない楽曲だったので、今回初めて耳にしました。
まだまだ、聞いていない楽曲。。。たくさんあります。

なんか、長唄のCDとか需要が少ないせいか、どんどん廃盤になってしまって、淋しい限りです。
良い物は後世に長く残って欲しいものですが、「芳村伊十郎」という名前は残っても、どんな唄を唄った方かとか忘れ去られちゃうのでしょうね。

私が子どもの頃は、レコード屋さんに行くと、純邦楽という陳列棚にズラッと伊十郎全集が並んでいましたが、年々、その数が減って、ほとんどのレコード屋・・・失礼、今はCDショップでは皆無ですね。
あっても、パッケージの色が変色して褪せてしまったものが一本・二本という感じです。
私の母の時代は、松永和風と言う方が全盛期だったそうです。
でも、今、松永和風の楽曲なんて・・・どこにもない。
次の世代が芳村伊十郎、そして、ちょっと送れて芳村五郎治という感じなんですがね。
淋しいなぁ。。。