CD到着 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

以前より、昭和初期の名人と言われた、松永和風という方に興味があった。
両親が子どもだった頃、「長唄といえば松永和風」だったのだそうだ。
もちろん、同時期くらいに、ほかにも名人はいたけれど、長唄を良く知らない一般庶民も松永和風くらいの名前は知っていたという感じかな^^

さて、この松永和風と言う方は、もともと鉄道関係の仕事をしていて、さの後、長唄さんになったそうだ。
今は、大概、かえるの子はかえるの世界なのですが、この当時は、けっこう全く違う家業から、才能を伸ばして名人の域に達するという、アメリカンドリームが如く、ジャパニーズドリームがあった時代のように思う。

さて、兼ねてより気になる長唄、松永和風の長唄の復刻版のCDの存在を知ったのは、ついこの間。だいぶ迷ったけれど、購入の決断!ネットで注文したのが一昨日。そして、本日の午後に商品が到着。
和風と言えば『新曲浦島』。その『新曲浦島』の入っているCD。
いやいや、素晴らしい♪
私は、今の長唄も好きですが、過去の産物である長唄も好き。
今の長唄は美しき芸術から得られる感動、昔の長唄は、芸術作品というより、楽しさを追及した娯楽から得られる感動。
そうですね。。。映画で言えば、黒澤明の映画が今の長唄。昔の長唄は寅さんだとかそういった映画・・・そんな感じかな。
ここで、勘違いしてはいけないのは、芸術性が高いからその芸は高級ではないという事。
表現するものは、常に全力投球という事を忘れてはいけない。
違いは時代の求めているものが違うという事ですね。

松永和風という人。この人の歌唱能力は本当に素晴らしい。高音を高音と感じさせない。低音を低音と感じさせない。
高音や低音というのは努力のいるものです。大概、超高音とか、超低音というのは努力が必要で、聴いていると「ああ、努力している」。その努力から発せられた産物に感動するわけだが・・・。
この人は坦々と語りかけてくる。そして、一つ一つの言葉にパワーがあって、心にそのパワーがぐっさりくるんですね。
感動♪

長唄というのは、江戸時代からある日本の音楽。
けれど時代、時代で成長・変化し続ける。
この和風の次は伊十郎、そして、五郎治・長之・・・と続いている。
同じ長唄。しかし、同じ長唄とは思えない。
それが長唄の良さだと思う。
今という時は、また過去となる。つまり、この一瞬、一瞬で長唄も成長し続けている。
今後、どのように成長を遂げるか楽しみ。
100年後にどうなっているのか・・・200年後にどうなっているのか・・・
それょを確認できないのが悔やまれる。