船弁慶 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

今日、本屋に行ったら「演劇界」の八月号が売っていました。
そうだ、今月行われた玉三郎さんの「船弁慶」出ているかななんて思ってチラチラ立ち読み。
うわっ!
お美しい…今までこんな美しい「船弁慶」の静御前を観た事がない感じ。
あの船弁慶の静御前の衣装って、どうみても姫達磨という感じ。
中村富十郎さん・中村勘三郎さんの船弁慶を今まで観た事がありますが、どちらの方も静御前は姫達磨でした。
きっとあのお衣装は誰が着ても姫達磨なんだろうなと思っていました。でも、そうじゃない人がいたんですね。
「演劇界」に出ていた玉三郎さんの静御前の写真。ぜんぜん姫達磨じゃなかったです。うわぁ!生で観たかったな…(涙)
後シテの知盛の幽霊の姿もすごっく迫力あって、良かったみたいですよ。ああ、東京で演んないかな!絶対に観に行っちゃうのに。

今回の京都南座での「船弁慶」は、ちょっと変わっていたみたいです。
というのも、「船弁慶」には杵屋正次郎作曲のものと、杵屋勝三郎作曲のものと二つあるんです。
一般に歌舞伎などで演じられるのは、杵屋正次郎作曲の「船弁慶」らしいのですが、今回は勝三郎作曲の「船弁慶」で踊られたそうです。
私は正次郎の「船弁慶」しか知らないのでどこがどう違うのか分からないのですが、解説によると正次郎の「船弁慶」より、原作の能に近い歌詞なんだそうです。

そう言えば「連獅子」も勝三郎と正次郎の二つがあったな。
日本舞踊の会では、主に正次郎の「連獅子」が出されるそうです。また、長唄の演奏会などでは勝三郎の「連獅子」が一般だという事を以前聞いた事があります。
似ていて非なる感じ。でも、どっちも私は好きですけれど。

そうそう、南座ではもう一つ「隅田川」が演じられたそうです。
「隅田川」というと、清元の舞踊という感じがするんですけれど、今回は新作長唄という事で発表されたという事です。
隅田川は、私の本サイトの長唄のページ でもご紹介していますが、能の「隅田川」がベースになったもので、「梅若伝説」をモチーフにした曲です。長唄では「賤機帯(しずはたおび) 」、常磐津では「角田川」という曲で既存の曲です。舞踊「隅田川」というと、清元の「隅田川」というイメージが強いのですが、今回は新たに長唄で「隅田川」を作曲し振り付けしたようです。作曲者は杵屋勝国さんという方で、よく玉三郎さんの伴奏をされている方です。
こういった新しい挑戦いいですよね。
玉三郎さんは、「綺麗、綺麗の女形」からどんどん脱皮して、様々な役を演じられていてとっても素敵だと思います。
また、役者さん達がこうして進化を遂げる事で、歌舞伎もどんどん進化していてとっても魅力的だと思います。
古典というと、伝統に縛られた進化とは無縁の世界のように感じがちですけれど、ところが合点なんですよね。

そうそう、もう一つ綺麗綺麗情報です。
同じ「演劇界」という雑誌に、光源氏役の市川海老蔵さんの写真が載っていて、つい惚れ惚れしちゃいました。
前々から素敵な役者さんとは思っていましたが、こんなにも美しい方なんだと改めて思っちゃいました。
「演劇界」という雑誌、雑誌の割には1600円と高価。たぶんカラー写真が多いから仕方がないのでしょうけれど、それにしても雑誌なのに…というところがありますけれど、ついつい「高いな~ぁ」と思いつつ毎月買っちゃっています。