看護・福祉の現場から | fuyusunのfree time

fuyusunのfree time

長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

とある施設で働く介護職の知人。二年前くらいにそこの施設に就職したのだそうです。一年目の夏。ちょっと気分転換に旅行を計画。早めに泊まる先などを手配。早めに早めにいろいろと準備をしたそうな。
ところが、いよいよ勤務希望の段階で、まったが掛
かってしまったそうだ。
「連休なんてとんでもない」と
で、次に出た言葉が「うちは親の葬式でも休めない職場だと思ってね」ですって。
まあ、当事者のお話。売り言葉に買い言葉というのもありますし、真実性に乏しいところもありますが、全てが嘘とは言いがたいのが、看護・介護の業界だと思う。

何年か前に、私の母が腰椎圧迫骨折でうちで一ヶ月の寝たきり生活をしていた時がありました。
もちろん、私が介護の担い手。しかし、介護しなければならないからといって仕事を休むわけにはいかない。
でも、残業とかは許してよね・・・。だったんですね。まわりは、まったく忙しいのに・・・でも仕方が無いわよね。だったんですがね、上司だけは「親より患者さんの方が大切でしょ」とある日ほざいた。
すぐさま私は「親の方が大切です」と答えた。
何を勘違いしているのか分からないけれど、そういったプライベートよりも仕事の方が大切という感覚の人たちが多いのが、日本の介護や看護の世界のような気がする。
奉仕の精神の意味を勘違いしているというか。
まあ、考え方は個別なものだから、その人自身が家族よりも仕事の方が大切という気持ちは文句ないですけれどね、他人にそれを押し付けるのは間違っていると私は思う。

私は職業は看護師だが、私は私である。一歩、職場を出れば私というのが、私の職業観です。
職業として、患者は看護の対象であり大切な存在ですが、一歩、病院を出ればプライベートの方が大切です。
まあ、こう文に書くと棘がありますが、
だいたい、患者と家族を比較するのはナンセンス。
ここで思うのは、日本国の法律に基づいた雇用関係をきちっと守って欲しいという事だ。
だいたいの求人に忌引き等の特別休暇ありと待遇面に書いてある。知人の施設の雇用の待遇にも忌引き等の休暇が明記されているそうです。という事は、親が死んだ時に請求あれば特別休暇を与えなければならないのは当然の事。それを取らせないのは変な話だ。売り言葉に買い言葉であっても、その上司というのは理性のない馬鹿としか言いようが無い。
「うちは職員の身内に不幸があっても香典もくれない」とか知人は言っていましたがね、
くれなくていいじゃないですか。お返しするのがけっこう大変です。お返ししなくていいのですから・・・。くれないのに、香典返しを求めるなら変な話ですがね。

病院とか福祉施設。大手企業が加わっているところもありますが、建物は大きくてもその辺の八百屋と変わらない組織がほとんどです。
ですから、大きく雇用の待遇に求めても無駄だと思います。

私に子どもがいたら、絶対に医療・福祉関係の道には進ませません。