踊りだと、
『花柳』『藤間』『坂東』『西川』などなど
長唄だと
『杵屋』『今藤』『芳村』などなど
お囃子だと
『望月』『堅田』『藤舎』などなど
・・・
・・・
・・・
これらは流派の名前。
そして、お名取になるとその流派の名前を頂く。たとえば“杵屋一二三”とかね。
その名前を見て、どこの流派の何派の誰のお弟子さんが分かる感じでお名前がつけられる。
名前は看板である。流派の看板を背負い、派閥の看板を背負い、お師匠さんの看板を背負う。つまり、それらの重たい看板を背負えるという力を認められるというのがお名取ではないでしょうかね。
ちなみに私は、そのような重大な責任を背負う力量がないので、お稽古歴のみ長くて芸名はない。
さて、
一般の方が、普通に「山田さん」「鈴木さん」と苗字を呼ぶように、
「杵屋さん」とか「花柳さん」と呼んでいるのを耳にすることがある。
そうそう、こういったブログなどにも「望月さんが○■△※×☆・・・」と書いている人を見かけたりする。
ふふふっ^m^
なんかおかしい♪花柳流の踊りの会をやっている国立劇場の楽屋の廊下で
「花柳さん」と呼ぶと、きっと複数十人の人が振り返るだろうな。
清元の会に行って、その楽屋の廊下で「清元さん」何て呼んだら全員が振り替えちゃったりするんだろうな。
想像して、思わず笑ってしまった。
一般的に「太郎さん」「花子さん」とそんなに親しくない人に呼ばれるって変な感じがしますが、
そんなに親しい間柄でなくてもあの業界の人たちは下の名前を呼ぶというのが普通な感じ。「玉三郎さん」とか「五三郎先生」とか・・・こんな感じですよね。
そうそう、知人があるカルチャーの受付に長唄の講座に興味があって、どなたが講師か問い合わせたのだそうです。そしたら「杵屋先生です」と言われたのだそうてす。杵屋先生じゃ・・・誰だか分かんないですね。
下の名前の方が重要なのにね。
面白い世界ですね。