鉋目 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

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小鼓の胴の中は、こんな感じになります。
もうちょっとアップすると・・・
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こんな感じにギザギザとなっています。
これが鉋目というものです。
この彫り方は、段カンナと言われる彫り方のようです。
他にも波鉋(なみがんな)片そぎ鉋(かたそぎがんな)百足鉋(むかでがんな)縅鉋(おどしがんな)とか色々あるみたいです。
このギザギザ・・・良い音を出すための一工夫という事なのだそうですが、作者のこだわりで色々あるのだそうです。
この段カンナの場合、十六段あるのが良い楽器と言われています。
十六段か・・・相当細かいなぁ・・・
私のは、写真をみてもお分かりになるように。。。まあ。。。こんなものです。

小鼓の胴というと、蒔絵ですね。
ネットオークションなどで、小鼓の取引が行われているのを良く見ますけれど、やっぱり、蒔絵が美しいものほど高価な値段で落札されますね。
けれど、芸術といえば、この鉋目というのも美術価値があると思うのですが、その辺の評価で値段が美術品としての価値が左右される事は少ないようですね。

楽器としての評価としては、この鉋目も大事のようです。

本来、小鼓の胴は手彫りなんですよ。
・・・凄いですね・・・
一体、一つの胴が出来上がるまで、どれくらいの時間が掛かるのかしら。

以前、小鼓の胴が多数展示された“生田コレクション”というのにいった事があのますが、本当に素晴らしかったです。
今生産されている小鼓の胴は機械彫りがほとんどなんですが。。。
やはり、手作りには敵いませんよね。
胴から放たれるパワーが違うなぁと思いました。

さて、小鼓という楽器は、
どんなに蒔絵が美しくても、楽器として役に立たなければ、演奏するものにとってはあまり興味を注がれるものではありません。
また、どんなに美しい鉋目が施されていても、求める音の出るものでなくては、機械彫りの胴と大差はありません。
胴も大切なんですが、皮も大切。
両方のバランスが適していてというのが大切です。
また、楽器が手に合う、合わないというのもあります。
皆、色々の手の特徴がありますからね。
ですから、名人が使用している素晴らしい小鼓が、必ずしも、自分にとって名器となるとは限らないのです。
楽器は値段じゃない・・・
これが難しいところなんでしょうね。
値段と比例して自分にとって良い楽器であったなら話は簡単ですよね。
ものすごっく高価な小鼓を買ったのに手に合わないという悲惨なお話もありますし、ものすごっく安価で購入してバッチリというお話もあります。
楽器は出会いですね。
良き伴侶に恵まれるのと同じです。

さて、この小鼓はコバちゃんという名前が付いていますが、
この子は、私にとって良き伴侶となっています。
ここで、出会い運を使い果たしちゃっているものだから、実際の良き伴侶に恵まれぬまま今日があります。