と、よく言いますよね。
同門の方が、
「やるまでは『もう二度とゴメン』と思うけれど、終わっちゃうと『またやりたい』と思うのよね。麻薬みたいなものね」と仰っていました。
たしかに確かに。
十八歳の時にお仕事として初舞台。以来、舞台の魔力に魅了されて現在に至っている。
精進が足らないから、「もう二度とゴメン」と思った事はない。でも、本番前になると非常にネガティブな気分になることが多い。
ああ、でも芝居をやっていた頃はそんな事なかったなぁ。
うちの劇団は急仕込で、酷い時は一週間で仕上げる。きっと初日をあけられるかいなかという緊張の方が先立って、そんなネガティブになる暇が無かったんだろうな。
こんな急仕込の芝居の作り方が好きでなかった。劇団を辞めた原因の一つだ。
舞台袖と舞台の境目でふっと空気が変わるんですよね。
あの舞台上の空気が好き。冷たいようなビンと張った空気。でもライトが暖かくて気持ちいい。
また、あの気持ちいい空気を吸いたいなぁ。あの温もりに包まれたいな。
舞台を降りるとそう思うのですね。
あの快感を知ってしまった身の不幸なのかも知れないですね。
・・・
さて、今日は夜勤。頑張って働こう。