本日は「八朔」。
京都の東山地区の花街(つまり祇園等)では、日頃お世話になっているお茶屋さんやお師匠さんにあいさつ回りをするイベントが八月一日に行われる。このイベントの事を八朔と呼ばれている。

産経ニュースよりhttp://sankei.jp.msn.com/life/news/120801/trd12080110290004-n1.htm
旧暦の八月一日。この頃、早穂の穂が実る。農家ではその初穂を恩人に送る風習があったとか。
「田の実の節句」ともよばれた。この「田の実」が「頼み」にもじられ、武家や公家の間で日頃世話になっている人(つまり「頼みの人」)に感謝の意を込めて贈り物をする風習があったとされている。
うん?!お中元・・・???!いやいや、八朔というイベントらしい。
徳川家康が江戸城に入場したのが1590年八月一日。と言う事で、江戸幕府において正月と共に重大な祝日として八月一日を特別な日としたらしい。「建国記念日」みたいなものでしょう。
また、八朔は中秋の入りに当たる。草餅やぼた餅等を作る風習のところもあったらしい。更に庶民レベルでは、この日より「夜なべ」始まるとか。「夜なべ」=「夜の残業」。奉公人たちは「ああ、今日から定時上がりはできないぞ・・・」てな具合にあまりありがたくない節目だったのかも知れません。

三代目歌川豊国作「江戸新吉原八朔白無垢の図」神奈川県立歴史博物館
さて、江戸最大の花街である吉原。この遊郭にも「八朔」というイベントの日がありました。
旧暦八月一日は紋日。紋日というのは五節句など特に定めた遊郭にとって特別な日。遊女たちはお茶引き禁止。客たちは特別料金を支払う。遊女たちは白無垢の小袖に衣更え。吉原芸者によって「俄」という特別な出し物が繰り広げられる。
長唄に『俄獅子』という曲がありますが、あれはこの吉原の「俄」の情景が唄われている。
この八朔はいかに自分が売れっ子の遊女かを自慢できるイベントでもある。つまり、すべての衣裳を新調するという事は大変お金が掛るわけですね。売れっ子ほど良い衣裳を準備できる。当然の事です。
そうして、遊女たちのやる気を促していたんでしょうね。営業成績の振るわない遊女は更に借金がかさんでしまう。そうなりたくないから頑張るという事なのでしょう。
今年も、酷暑が続いていますよね。すっかり夏バテしています。
今年は八月七日が立秋だそうです。つまり暦の上では秋になるんですが、まだまだこの暑さは続きますよね。暑さに負けずに頑張らなければ!