大っ……大事件。つ…小鼓のし…調べが…。
うちには三調の小鼓があります。もともとは母の持ち物なんですが今は私が独占して使っています。
二つはそこそこ音が出るので、変わりばんこに打っていますが、もう一つは母が以前お囃子を少し始めた頃に初めて入手したもので、新しい皮、その上あまり上質のものでない為に音が出なくて全然忘れ去られた存在だったのです。
小鼓というのは新しいうちは、とっても硬い音しか出ないのです。鼓らしい音になるまでには相当の時間が必要なのです。
という事でこの小鼓が音がでないのは質があまり良い皮ではないからではなく新しい皮だからという方が大きな理由だと思います。ですから、一生懸命に打ってあげれば必ず音が出てくれるようになると思うのですが、そうは思うのですが…。やっぱり練習していて下手な上に音が悪いともうやる気が失せてしまう…。
でも、今日は何を思ったのかこの小鼓を出して打ってあげたいような気分になって久々に暗い箱の中から日の目を見る事になったのです。小鼓を組み立てて乾燥した皮によく息を吹きかけて湿りを加えました。「パシッパシッ」…(-_-;)相変わらずならない小鼓だな。でも、いろいろ工夫をしてピッチの高い音ですが「ポンポン」という音が出るようになりました。
まだ若い音だな…。まあ、たまに出して打ってあげようなんて思っていたんです。
小鼓は長く打っていると立て調べのバランスが悪くなってくるので、途中でそのバランスを調整したりしなければならないのですが、そのバランス調整をしている時です。感触としてまるで溶けて行くようにスルッと調べが切れてしまったのです。
オヨヨヨッ!いやぁ危ない感触はあったけれどまさか切れるなんて思わなかったな…。いえいえ、打っている時じゃなくて本当に良かったです。それを思うとゾッとしました。
この小鼓は母の知り合いから違う楽器を入手するのでという事で安値で譲ってもらった楽器らしいです。でも、全然音がでなくて母も今私が打っているそこそこ音が出る小鼓を入手したために以来お飾り化していた楽器なんですよね。
ですから調べが退化しちゃって弱くなっていたみたいです。
なんか触った感触が固ーい感じがして、うん…普通の調べの感触と違うなといつも思っていたんですよね。やっぱり弱っていたんですね。
麻で出来たこの調べはけっこう丈夫なんですけれど、切れる事あるんですね。
ちょっと吃驚…。
