町田嘉章氏は民謡の研究家or邦楽作曲家なのだそうです。代表作は『チャッキリ節』。
さて、この方の著作で、
長唄を習いたいと思う人たちに向けての手引書みたいな本を、この春に神保町の本屋で入手した。
この本、手引書の役割もありますが、長唄界・お囃子会の人間関係とか系図とか、歴史的な事とかの事が書かれていて・・・超面白いのですが。
お囃子方の使う、チリカラの記号はいつからのものか?
江戸時代は兎に角、秘密主義。
楽譜というのは、公的に公表するのが目的の産物ですよね。自分も分かるのは当然ですが、他人もそれを見てすぐに分かるものです。
しかし、日本の音楽の譜というのは、もともとは自分だけのメモ書きだったんですね。
ですから、本当は誰が附け(楽譜)の記号を創案したかは不明です。
でも、面白い記録が。
今の記号等は二世望月朴清が自分のために作った附けに用いた記号が基本になっているらしいですよ。二世朴清には、お弟子さんで愛人関係にあった女性がいたらしいです。
可愛い愛人のために、二世朴清氏は本当は自分だけの財産の附けを女性に伝授したらしいです。
その女性には、また別にとある恋愛関係にあった男性がいました。その男性もお囃子の修行をしていた人で、彼女は入手した附けを男性に横流しをしたのですね。
そもそも、この男性が彼女に近づいたのは、この二世朴清氏の附けを入手するためだったとか・・・。
結局、人の口には蓋はできない。めぐりめぐり、流派・キャリアを問わず誰でも読める記号として、現在も残っているものです。
系図を描くと、六世望月太左衛門が二人います。これがどうしてなのかとか・・・
ダレダレは誰のお弟子さんとか。。。
本当に、この著者の方のインタビューには脱帽です。