今藤会 | fuyusunのfree time

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長唄などの邦楽をこよなく愛する看護師のfuyusunです。
ナースの仮面を脱いだ、fuyusunの日常を綴っています。

杵勝会に今藤会。どちらも国立劇場の大劇場で開催。大きな会が続きましたね。
昨日は、今藤会に行って来ました。お浚い会なので十時半くらいからやっていたんですよね。でも、夜勤明けだったので夕方から拝聴させて頂きました。

三世今藤長十郎氏の二十七回忌追善の会なのだそうです。
三世今藤長十郎氏はすごい三味線弾きですよね。うちにある伊十郎全集でもご活躍。伊十郎全集の『島の千歳』や『二人椀久』はこの三世今藤長十郎氏の三味線。録音物なのに、その素晴らしいパワーが満ち溢れているんですよね。大好きです。
亡くなられて二十七年なんですね。子どもの頃、何度か生長十郎氏を拝見しているんですが、あの頃は「ブタに真珠」でよく覚えていません。ああ、なんてもったいない演奏の聴き方していたんだろうなと思います。

四世今藤長十郎氏は三世のお嬢様です。
邦楽番組で杵屋佐登代氏と今藤綾子氏(三世のお姉さま)の演奏を随分前ですが、何度か聴いたことがあるんですが、綾子氏のワキとか上調子などで三味線を弾かれていたのを覚えています。
さすが女流なのに人間国宝まで上り詰めただけあって今藤綾子氏という方もすごい三味線弾きでした。
血統というより、お父様や伯母様のものすごい眩しいオーラに鍛えられ今の四世があるんでしょうね。
男性にも勝るすごいオーラを発する方なんですよ。
端切れは良いし、パワーはあるし・・・。
最近の長唄を聴いていると、繊細な音締を追及しているような演奏が多くて、この四世のような演奏をされる方って少なくなりました。杵屋勝国氏とか杵屋巳太郎氏とか・・・あっ、杵屋六三郎氏もそうだったかな。
繊細さを追求しているような奏法を私はシャラシャラ弾きと呼んでいるんですが、私はシャラシャラ弾きの演奏ってあまり好きではありません。確かに繊細で美しいのですがね・・・。
四世のパワーある音締。手がすごっく回ってものすごい早弾きされても絶対に崩れない間。すごい事尽くしです。
長唄は基本的に男性社会。一流どころの男性三味線弾きを従えても絶対に負けていない。
女流の三味線弾きも大勢いらっしゃいますが、ナンバーワンだと思います。

最後の二曲はご祝儀舞踊で、市川団十郎丈の『新曲浦島』・松本幸四郎丈の『藤船頌』がありました。
ついでに、夕方くらいに団十郎丈の『都鳥』の三味線の演奏もあったそうですが拝見しそこなった。
舞踊の地方はプロの演奏。本当の長唄の演奏を楽しめます。
本当は、風邪引きで熱が出そうだったので、明けで疲れているし・・・、翌日は十一月の会の合同練習があるし・・・、仕事の方もスケジュールが詰まっているし・・・ということで、せっかくチケットを頂いたけれど、パスしようかとおもっていたんですよね。でも、歌舞伎の役者さんの舞踊が見たくて。はい。頑張った甲斐がありました。

お囃子は藤舎流でした。我が師匠も賛助出演。師匠を拝見しやすい位置に陣取って勉強させて頂きましたが・・・。つくづく、道は遠いと思いました。
お家元の『藤船頌』。以前、今藤政太郎氏のリサイタルで拝聴したことがあるんですが・・・
なんか、ますます進化して味わいが深まった気がする。すごいなぁ。


帰り道は冷たい雨。やっぱり家に帰ったら熱が出ていました。
やばいなぁ・・・。
今日はまず医者に行こう。