冬場は脳外科の繁忙期です。
寒さによる気温と体温の高低差が原因で、血栓が飛んだり、血管にできたこぶが破裂したり、出血したりします。いわゆる、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血ですね。
また、寒くてトイレに行くのがイヤだからと水分摂取を避ける傾向のある年配の方、本当に要注意です。夜中にトイレに何度も起きて寝不足で死ぬことはありませんが、水を飲まずに血がどろどろになって血栓ができてつまったら、ひどいと死んでしまいますし、生死に関わらずとも麻痺や障害が残ることもあります。・・・これはご本人もご家族も悲惨です。
一番最近でわかりやすい例が野球の長嶋監督でしょうか。
長嶋監督は深夜トイレに起きるのがイヤだからと夜になると水分摂取をお控えになっていたそうです。。。。一番いけないパターンですが、実際こういうことをなさっている中高年の方って多いんだと思います。
脳梗塞などで倒れることが多いのは深夜~早朝です。夜から朝にかけてはだまっていても血がどろどろになります。不感蒸泄で、寝ている間は感じなくても汗をかいています。その量コップ1杯200ml程度。
なので就寝前にはコップ1杯の水を飲むのが望ましいと言われていますし、何年か前の大塚製薬ポカリスエットのCMでは「寝る前に1杯!」とやってました。アレはずっとやっていただきたい優良CMです。
トイレをあまり寒くしてはいけないというのも、トイレでは排泄により、体温が急に下がる、腹圧がかわる=血圧が急に変動する、んです。寒いと、それだけで末梢血管が収縮します。。血がどろどろしている深夜早朝に血管を収縮させるということは、どろどろの血を固まらせ、その血栓をつまりやすくする恐れがある、ということになります。
脳だけでなく心臓にも危険がありますね。
そんなわけで、1日のうちでお水をまんべんなく摂取することは健康維持にとても重要なことなのです。
どんなビョウキでも予防できるか、といえば難しいですが、冬場の脳血管障害はある程度の予防は可能です。30代の脳梗塞もありますので「自分は大丈夫」ではありません。ご自身の健康管理はご自身がきっちりなさってくださいね。