初めて就職した病院は、ICU付き救急つきの野戦病院のような混合病棟でした。そしてここは怖い先輩の巣窟でした。
1週間で挫折。
わからないけどやります、やらせてくださいと手を出せば、各先輩ごと微妙に違うやり方があるため各先輩ごとに叱られる。叱られるのが嫌で手を出さないでいれば、また叱られる。。。
つまり、やってもやらなくても必ず叱られる毎日。トイレで涙。
このジレンマに「やめようかな・・・」と、当時お付き合いしていた彼にもらすと、「そっか。。いいんじゃない。」1週間くらいで根を上げやがってと怒られると思ってたわたしは一瞬固まり、目をぱちくり。
「でも、明日1日がんばって来いよ。それでやっぱりダメだと思うなら辞めればいい。」
・・・この1日がんばれたことで、わたしはその病院を6年勤め上げることができました。その彼のことは今でも尊敬しています。
6年の間に、まず先輩の数だけの方法論を学びました。点滴の止め方つなぎかたひとつとっても各病院ごとに変わります。ひとつの病院にだけ長くいると井の中の蛙状態。「ここのやり方しか知らない」「この方法が正しい」とそれだけに固執する看護師になります。
それはみっともなくて嫌でした。
で、外でアルバイトを始めました。お金を稼ぐ目的はもちろんでしたが、ほかの方法も知りたい、応用の仕方はまだまだあるはずだ、というのがお金と同じくらいの目的でした。
たくさん方法を知っていれば機転も利かせられます。ひとつしか知らなければそれしか出来ません。
たくさん方法を知っている中での、1番良い方法が自分のベーシックになります。
なぜ自分はその方法で行うのか、どんなメリットがあり、どんな理由なのか、納得いくようにちゃんと説明してみろと、1番最初に泣いた先輩達に叱られたと思っていたことは、甘っちょろい新人への厳しい「指導」、愛のムチでした。
先輩方の厳しい指導なくして、今のわたしはないと思うと、必要な厳しさってあるんだと、ありがたかったな、と心から感謝しています。
友人が病院で主任クラスになりつつある今日この頃。すでにピヨピヨから指導した後輩ですら副主任クラスです。。彼女たちの憂鬱なグチですが、ちょっと注意すると「やだーこわーい」「怒んないでよー」「えーわかんなーい、主任やって~」と言う新人がいるそうな。「せんぱーい。これどうやってやんのぉ~?」・・・・職場で、しかも上司にタメ口って一体。。。主任さんって呼べない新人って・・・。絶句。
そして「教科書ではこの方法です!!!」と言って聞かないナースもいるんだとか。。。
間違いを指摘され、先輩にカルテ投げつけて逆ギレする新人もいるってさ。
・・・白衣の天使はもういないのかしら。注意されて泣くような子って今はかなり少ないらしいです。鈍感力なんて本を薦めてる世の中ですからね。
鈍感な感性なんて、人間には全く意味がないです。
ってか、そんなナースに診てもらいたくないって思うのって私だけ?
生き字引じゃないですけど、経験が生む知識って教科書では学べない貴重なものなのです。すなわち煩い先輩こそが最高の教科書。それに気付くか気付かないかで、成長ってかなり変わるでしょうね。
知識・経験・プラス創造力で、自分のベーシックって出来上がるのではないでしょうか。つまり左脳だけではダメなんです。右脳が大事♪バランスが大事。。。