観光立国とオーバーツーリズム | ボヤキ男の一人旅

ボヤキ男の一人旅

様々なジャンルに、ただひたすら毒舌吐きながらぼやいていく。
ただし偏りがあるのはご容赦のほど。

昨日、久しぶりに和歌山の黒潮市場に海鮮丼を食いに行ってきた。

本当に久しぶりだったので、途中で道を間違えながらも何とかたどり着いたのだ。

土曜だったので車も多く、駐車場で少々時間を取ってしまったが何とか中に入った。

で、連日不安定な天気の中の久々の晴れだったので、たくさんの客が来ていたのは納得。

しかし中を散策しているとなんだか違和感が・・・。

そうです、日本語が聞こえてこない。

多くの客が蠢いているのだが、話している言葉だどう聞いても中国語っぽい言語だったのだ。

ただコロナ前にデパートなどで遭遇していた中国人と違って、騒いだり大騒ぎをしている人は見かけなかったから、喋るところを聞かなかったら日本人観光客と一緒ってのは良い意味でのビックリ。

 

でもってビックリしたことがもう一つ。

さて海鮮丼でも食べようかと思ってメニュー(看板だな)をみていると・・・こんなに高かったのかなぁと感じたのだ。

大半が2000円以上、高いモノは3000円オーバーの金額が設定されている。

昔は1000円チョイで食べれたんじゃなかったかなぁと、遠い過去を思い出そうとしてみたが、昔過ぎて自信が無い。

しかし意を決して浜丼食堂の北海丼(2900円くらいだったかな)を購入。

食べてみたら、こりゃ本当に美味しかった。

誰がなんと言っても美味しいのは確かだ。

しかしここでふと思った。

「この海鮮丼なら、神戸でも大阪でも食べれるんじゃないか・・・それももっと安く」

そうなのです、何もここまで来て食べなくても、都会で十分食べれるのだ。

それももう少し安く。

ただ味を比べたことはないので、比べることが正解かどうかはやぶさかでは無い。

とにかくここで食べた海鮮丼の味は絶品というのは間違いないことだ。

 

と言うこと、なんだか黒潮市場にケチ付けたみたいだが、問題はこれではない。

値段に関しては、ここの客層がこんな値段を設定させたのだろうと感じたのだ。

と言うのも、なんと言っても中国人の観光客っぽいのが多かった事だ。

駐車場をみると、普通車のスペースより観光バスの駐車スペースの方が大きく、そこには多数(10台以上)の観光バスがすでに駐車してあった。

つまりこの市場は日本人が商売相手ではなく中国人(とは限らないが)が一番のお得意様になっているって感じ。

特に店内には免税所が有って多くの外国からの観光客が恩恵を受けているのだ。

同じ品物(お土産等)を買っても、日本人は税金を取られるが海外からの観光客からは税金を取らないという、若干の不公平感を感じるシステムだな。

でもあれやこれやの不都合は、黒潮市場の所為では無い。

市場にしても生き残りをかけてのこの道なんだろうなってのはよく分かる。

普通車の駐車場を広げるよりバスの方が大量の客を運んでくれる。

値段が高くても、現在の円安基準から言えば海外から来る客にとっては高いものではない。

オマケに免税店だからさらに安く買うことが出来る。

お互いwinwinと言うことで、このように出来ているのだろう。

 

で、ここからが本題。

令和5年度の訪日観光客数は6600万人強とのこと。

そのインバウンドで観光客が消費したお金が、なんと5兆3000億円とのこと。

これほどの金額が動くとなると、国がインバウンドに積極的になるのも理解できる。

このまま来日観光客の数が増え続けると、日本に落としてくれるお金もドンドン増えていくのは間違いない。

 

しかしここで問題になってることが2つ有る。

まず最初は、なんと言っても最近大きく取り上げられるようになってきたオーバーツーリズムといわれるもの。

京都などが最たるものだが、とにかく通常の生活に支障が出てきているとこらがある。

世界中の観光地でもこの問題が大きくなってきていると言われている。

それぞれの国ではそれぞれの対応が始まっているようだが、やはりなかなか問題は解決してないみたいだ。

と言うことは、日本でも本腰を入れて解決策を探さなくては、さらに生活に支障が出てくるだろう。

思い切ってベニスがやっているような入場制限とか姫路城が考えているような二重料金制なども考えなくてはならなくなるだろう。

本当はなら日本に来た観光客を分散させれば良いのだが、何も無い所に観光客は行かない。

と言うことは、観光客を分散さっせる為には、それなりの集客システムを作らなくてはならないと言うことになる。

例えばディズニーランドのような施設か、はたまた日本の文化を体験させる施設を何も観光資源が無いところに作るとか・・・。

まあお金を落としてくれるのは嬉しいが、特定の場所を犠牲にすることで収入を得るのは如何なものかとは思う。

 

で、2つ目の問題点だ。

これは、このインバウンドで誰が儲かっている買ってこと。

残念なことに京都の観光客によって、京都の人が全員が利益を得ているとは言えない。

つまり、犠牲は多くの人が受けるけど、恩恵は特定の人しか受けないと言うことだ。

さらに言うと、その恩恵を受けているのが日本人なのかどうかといった問題点もある。

例えば北海道のニセコなど大量の外資が入ってきて大きな利益はほとんど外資が得ている。

他の場所でも、特に宿舎などは中国人の経営者がガンガン増えてきている。

つまり日本に来た観光客が中国人の白タクで観光地に移動し、中国人が運営している宿舎で泊まり、中国人が経営している商店で飯を食って免税品を購入する。

さて、それに対して国は何をしてるのかな。

とにかくこのような抜け道を、しっかりと潰す方法を探さないと、何のためのインバウンド需要かと言うことになる。

 

本当に美味しい黒潮市場の丼を食べながら、ぼんやりと思った問題であった。