欽天四化は家系的な問題を、進化占星学は今世の課題をみるのに適しています。 | 欽天四化紫微斗数と陳老師の八字と進化占星学

欽天四化紫微斗数と陳老師の八字と進化占星学

台湾の易学の大家である陳永瑜老師直伝の欽天四化派の紫微斗数と八字(四柱推命)、
そして今世の魂の進化の課題をみる進化占星学(西洋占星術の一つの流派)について
お伝えします。
占風鐸・オンラインスクール
主宰 田中宏明

ここ数日、8月27日に開催のZoomワークショップ「串聯について」の資料集めに注力しています。

これまでに鑑定させていただいた実際の例で、参加される受講生の方にとって勉強になる命盤例を集めています。

そのなかで、欽天四化紫微斗数の勉強になる例題がありましたので、ひとつご紹介させていただきます。  



上は、数年前に鑑定させていただいたご婦人の命盤です。

同族経営の夫の会社の事業承継とそれに伴う訴訟のご相談です。

義父(夫の父)と夫が、義姉(夫の姉)との間で事業承継で訴訟になり、日々疲弊しているとのこと。

何とか明るい展望は見出せないかというご相談です。

話は逸れますが、わたくし自身も実弟との間で、経営に対する考え方の相違等で、裁判までは至りませんでしたが、相当な確執があったので他人事のようには思えませんでした。

本来は、兄弟はいくら仲が良くても、会社経営は絶対といっていいほど兄弟を同じ会社に入れるべきではないのです。これは親の責任です。

もっといえば、兄弟以外の身内の者も、同族会社の場合は入れるべきではないと思っています。

兄弟経営をさせてしまうと、親の情として兄弟平等にという親心が、かえって仇になるケースがとても多いのです。

これは何も、男同士の兄弟でけでなく、姉や妹も含めてお考えください。


さて、本題に戻ります。

夫の命盤をみなくても、大変心痛されている妻であるこの女性の命盤で、夫の会社の問題が手に取るようにあらわれています。

まず、夫妻宮の太陰→Cが、妻である依頼者ご本人。

兄弟宮は夫妻の父母で、義父(夫の父)の宮。左輔C-Cと夫妻宮の太陰→Cが串聯しています。

実は、この妻であるご本人も役員をされているようです。義父とは情で繋がっています

かつ、向心力AでもAA串聯。Aは義父の田宅宮なので、会社の財でも繋がっています


問題は、子女宮の武曲D-Dですが、これは夫妻の兄弟で夫の姉ともみれます。

欽天四化はこのように宮位転換すると、いろいろなことが見えてきます。

武曲星は寡宿星。

孤高を愛する人が多いのですが、これがD-Dだと厄介です。

わかりやすくいえば、これは会社から出たいのでそれ相応の財産分与をしてほしい・・・、という象意。

同族会社は一族で株式はじめ会社の資産を持っているので、女性であってももらう権利はあるという理屈。

法的にはそれは間違ってはいませんが、同族会社の資産をわけるのは実際のところは大変難しい。

つまり贈与になれば、莫大な税金がかかってしまうからです。


D-Dですから、平衡でAの宮からAを飛ばすと、義父の父母宮にAが付きます。

そこがいま、大官。

父母宮も官禄宮も訴訟裁判もみる宮で、そこが自化Bですから、官非発生


だいたい、兄弟宮が来因宮は女系家族。

女性が実権を持っていることが多い。

ご依頼者の夫も義父も人はいいが、失礼ながらややリーダーシップに乏しいところがあるのでは・・・

この命盤は紫微にBが付き、武曲にD。

これだけでも女性上位の命盤です。

この妻であるご本人もしっかりされている方で、だから妻からの鑑定依頼でもあるのです。


もう一度繰り返しますが、このCC串聯と向心力AA串聯は、ご依頼者の妻が義父と情と財産で繋がっている。

C-CでBC同組だから、平衡でBからBを飛ばすと義父の財帛宮の破軍に付きます。

つまりこの依頼者ご本人、義父、夫の悩みは、義父の財産のトラブルの問題。

また、D-DでAD同組なので、平衡でAからAを飛ばすと義父の父母宮に入ります。その父母宮が自化Bだから、義姉は義父に対して裁判を起こす象意。

つまり、義姉の訴訟は義父に対して財産分与を要求しているということです。


自化Bがあれば、注意です。

福原 愛さんも、自化Bが3つもありました。

争い、訴訟裁判に注意の命です。


結論は、D-Dの象意は、最終的にはお金で解決。

せっかくご相談に来られましたが、訴訟にまでなったということで、現実的にはもうできることは限られています。

有能な弁護士に頼るしか道はないかと思います。



つぎに、ご依頼者の出生図も拝見しました。




7ハウスの山羊座のノースノードが12ハウスの双子座の土星と150度のインコンジャンクト。

7ハウスはパートナーシップのハウス。

山羊座は経営。

今世の魂の進化の課題であるノースノードが、双子座の土星と150度。

150度のインコンジャンクトは、訓練とか困難と言われますが、進化占星学で調整が難しいトラウマ的なエネルギーともみる。

12ハウスは前世のことをみてもいいハウス。

そのハウスにある土星が、山羊座のノースノードとインコンジャンクトというのは、これだけで前世の経営の問題のトラウマともみれます。

また、10ハウスのキロンと4ハウスの天王星とTスクエア。

前世でも同族会社の家族間の問題? で何かあったものの、それに対する努力を怠ったような象意がみてとれます。

ですから、今世は同族会社の後継者と結婚し、その事業承継や財産分与の問題にまで関わることになったのは、このノースノードが命じているとも言えます。

ただ、この出生図だけをみてもこのような高度な解釈はできない? と思います。

欽天四化の命盤でご家族の相剋の問題があることを知らなければわからないと思うからです。


欽天四化紫微斗数は六親(親、兄弟、配偶者、子供)だけでなく、宮位転換すれば夫や妻の家族のことまでわかる場合があります。

欽天四化は東洋の命術だけあり「家系的」な問題に関することはピカイチ!

片や、進化占星学は、今世の使命や課題を真摯にみつめるのに威力を発揮します。


【余談】
今週は墓参りに行き、お盆の棚経にお寺さんにもお越しいただきました。
お盆の行事が一段落し、この猛暑の中、やっとほっとしているところです。
立秋も過ぎまたしたが、今年の猛暑は半端じゃないですね。
皆様もくれぐれもご自愛ください。



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