わたし自身の体験を例に、お話します。
今は亡き母が、68歳の若さで倒れて高次脳機能障害になったころのこと。
80になってもピンピンしている母を想像していたので
物凄くショックでした。
子どもたちの近況報告をしても
ピンときていない、わからない様子をみると
悲しくなりました。
出先やTV番組で、母が好きそうな場所を見つけると
連れていくことができない現実に苦しくなりました。
そんなある日
「本当だったら、孫の話で盛り上がったのに」
「本当だったら、連れて行ってあげられたのに」
と思っている自分に、ふと気づきました。
本当って、なに?
今の母が本当だよね?
わたしが望まない姿なだけ。
なぁんだ、そうか。
素直に怒ればよかったんだ。
素直に嘆けばよかったんだ。
素直に後悔すればよかったんだ。
「お母さん、なんで倒れちゃったのよ!なんで元気でいてくれないのよ!」
「お母さんのばーか」
「元気でいてほしかったよぉ!悲しいよぉ!」
「えーーーん」
「もっとたくさん会いに行けばよかった。もっといろんなところへ連れてってあげればよかった。」
「わたしのばーか」
一人のときに、声に出して言ってみました。
言いたくなったら、何度でも繰り返して言いました。
そうすることで
本当(現実)を認めることができていきました。
だんだん
「本当だったら・・」ではなく
「元気だったらよかったのになぁ」と思うようになりました。
「本当だったら・・」を続けていると
自分の心の声は閉じ込められたままだったと思います。
自分の感じていること、思っていることは
わたし自身にすら響かず、苦しい時間が続いていたでしょう。
「本当だったら・・」と思うときは
自分の望まない現実が、今ここにあるんです。
その現実に対して心が感じていることを
自分がちゃんと受け取ってやること。
自分だけで無理なときは、わかってくれる誰かに受け取ってもらうこと。
「本当だったら・・」と苦しいときは
自分の素直な心を感じきるということが
望まない現実を生きることの負担を軽くしてくれるのです。