「死にたい」と口にできる場所 | そのままでいいよね☆ゆるなら風舎

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くにのまほろば《奈良》大和郡山市で
『カウンセリングルーム風舎』を営んでいる女性カウンセラーの日記です。
カウンセリング・箱庭療法・心理学レッスン・セラピスト支援などをしています。

以前、傾聴練習の中で出てきた質問です。

― ネガティブな感情については
   繰り返しで返さないほうがいいような気がしたんですが、どうでしょうか?

質問の意図がよくわからなかったので
例えば、どういうことなのか、お聞きしてみました。

― 例えば「死にたい」という人に「死にたいんですね」と返すのはどうかと。。


わたしの見解を書きます。
あくまでも、わたしの意見です。
同業の方でも、いろいろと意見の分かれるところではあると思います。

ケース・バイ・ケースだと思います。

その方が「死にたい」という言葉を
どんな意味で使っているのか
その言葉に、どんな思いがこめられているのか
そういうことによると思うのです。

例をあげると

今とても大変な状況にあって
死んじゃいたいくらい、日常が苦しいんだ
という意識の上で
「死にたい」と言っている場合

「生きるのが辛いんですね」
というふうに、言い換えて返すほうが
相手の気持ちに添った言葉になるでしょうし


もう、どうしようもなく
自分の存在そのものをなくしてしまいたい!
という意味で「死にたい」と言っている場合

そのまま
「死にたいんですね」
と返すのが、真摯な対応だと思うのです。


判断がつかなければ
言葉にせずに、深くうなづくのが
危険が少ないと思います。


ここからは、カウンセリング傾聴、即ち、プロとしてのお話

「死にたい」という言葉は、ソフトに言い換えて返す
というのは
カウンセリング傾聴において、定石とされがちですが

実際のセッションの中では
心底「死にたい」人に対して
わたしは、言葉を換えません。

その人が生きてきた歴史や今の状況の中で
ものすごく複雑な思いや様々な考え、身体から湧きあがってくるもの
そういう「死にたい」ならば
他のどんな表現も、その人にとっては釈然としないものになってしまう
と思うのです。

それと、もうひとつ。
「死にたい」と思ってもいいんですよ。

「死にたい」と口にしてもいいんですよ。
そんなあなたも価値があるんですよ。
と、お伝えしたいのです。

こんな思いで、日々、生命と向き合っています。

 

 

 

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