「今の自分が幸せってことは、過去の全てをよかったことにできますよね。」
と言った方がいて
わたしは釈然としないものを感じたことがあります。
人には歴史があって
その歴史のどこか1つでも違っていたら
今のその人ではなかったでしょう。
その歴史の中に
酷い体験があったとしても
それがなかったとしたら
今目の前にいる人とは、どこか違っていたはずです。
ですから
どんな体験でも
その人を形作ってきた大切なものだと
わたしは思っています。
けれども
大切だからといって、よかったことなのかというと
そうとは限りません。
酷い体験は酷い体験ですし
当時傷ついたことがよかったことにはなりません。
そして、それでいいのだと思います。
今は幸せ
それをしっかり味わえばいい。
過去の酷い体験がなければ
今の幸せは感じられなかったのだとしても
その酷い体験を無理矢理よかったことになんかしなくていい。
あの体験があったから、今の幸せがあるのよ
ということと
あの体験はやっぱり酷い体験だった
ということは
両方が本当のことなんです。
たとえば
飲酒運転の車にひかれて運動ができなくなってしまい
プロサッカー選手の夢を諦め、エンジニアになった。
その結果、職場で今のパートナーと出逢い結ばれ
とても幸せだというならば
その幸せを味わえばいいのです。
だからといって
事故に遭ったことや身体が不自由になったことを
よかったことになんてしなくていいわけです。
無理矢理よかったことにしなくったって
今の幸せを思う存分味わうことはできるんです。
そして
今の幸せをしっかり味わうことで
過去の酷い体験は、すっかり過去のものとなり
今の自分に悪さをすることがなくなっていく
なんてことも、あるものなんですよ。