『かぜはどこへいくの』 作:シャーロット・ゾロトウ 絵:ハワード・ノッツ
「どうしてひるはおわってしまうの?」
「よるがはじまるようによ」
子どもの質問に
お母さんが丁寧に答えていきます。
この絵本は亡き母が脳出血で倒れる前にくれたものです。
当時、わたしは子育て真っただ中で
他にも問題を抱えていて
そんな中で開業準備をしていました。
母が送ってきた荷物の中に入っていた、この絵本は
サラッと一読しただけでした。
余裕がなかったんですね。
今になって、ふと手にとって開いてみると
じんわりと伝わってくるものがありました。
「なくなってしまうものはないのよ」
亡くなってしまった母からのメッセージのよう。。
白黒の絵で、一見地味な絵本で
とても静かな内容ですが
やさしくあたたかいものが感じられます。
思い返すと、小学生のころ
母は時々、突然わたしに本を買い与えました。
小2のときの「リコはお母さん」
小3のときの「だれも知らない小さな国」
小5のときの「ユンボギの日記」
そして
読んだかどうかも聞かず、感想を聞くこともしませんでした。
何を思っていたのかはわかりません。
けれども
この絵本を含め
これらの本は、わたしの心に確かに何かを残しているのです。
