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世界は、思っていたより、ずっとやさしい。
(クライエントの言葉)
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ご本人に了承していただいたので
クライエントさんの言葉を紹介させていただきます。
何年も継続的にカウンセリングを受けられたクライエントさんが
先日、遂に卒業されました。
何十年も生き辛さを抱えつつ生き抜いてこられた方です。
その方は
「わたしなんか・・」と、ご自身を過小評価していて
迷惑をかけている「わたしなんか」疎ましいに違いない
とか
人は「わたしなんか」からは去っていくもの
とか
誘ってくれるのは嬉しいけれど、「わたしなんか」が行ってもいいの?
とか
そんな感覚が根強くありました。
それは
繊細な心を守り生き抜くための鎧のようなもので
その鎧を脱ぐのは、とても怖いことだったと思います。
それに
その鎧を脱ぐためには
氷づけにしてなるだけ感じないようにしてきた傷の痛みを
あらためて感じることが必要だったりもするわけです。
それでも
少しずつ少しずつ、氷を溶かし
溶かす度に激しい痛みを感じ
その傷が治癒してかさぶたができて
そのかさぶたがとれて、ピンクの薄皮がはって
時には
その薄皮がまた破れちゃったりもしながらも
また、治癒するのを待って・・
そうして
ちょっと鎧脱いでもいいかなって時がでてきて
怖いから、またちょっと身につけちゃったりもして
そんなふうに
辛い時間もたくさん過ごしつつ
諦めずに、ゆっくりゆっくり歩いて来られました。
「もう(終了で)いいですよね?」
「はい。もう大丈夫だと思います。突発的に何か(相談したいことが)あったら・・ってことで。」
ああ、嬉しいなぁ。
じーんとしていると、メッセージがありました。
その方は、昔馴染みの方々と過ごす機会があり
出かける前は、自分がどう受け止められるか怖くて緊張したそうですが
行ってみたら
多くの方々から、やさしくて暖かい言葉をかけられたとのこと。
「世界は、思っていたより、ずっとやさしい」
この言葉がしみじみと嬉しくて、涙が出てきました。
ありのままの自分を認めるということは
まっすぐに自分を見るということ。
それができると
他者のことも同じようにまっすぐに見られます。
怖くても顔をあげて、まっすぐに見ることができる。
顔をあげると、大切なものを受け取ることができる。
自分に向けられているやさしさを
まっすぐ受け取って、大切に抱えることができたんですね。
ここまで、よく頑張ってこられた。
あなたの力を尊敬します。
そして
大切なあなたの歴史に触れさせていただけたことに
深い感謝を。
ありがとうございました。