『パリから 娘とわたしの時間』 増井和子
パリで娘さんと二人で暮らす様子を描いたエッセイ
娘さんが小学生のときから始まっていたと記憶しています。
資生堂の冊子「花椿」に掲載されていたころに読んでいました。
とても印象に残っているのが
当時中学生の娘さんが
「わたしはフランス人とは結婚しない」と言ったというエピソード
彼女の名前は千尋
「フランス人は、わたしをキイロっていう。
わたしをチヒロと呼べない人とは結婚できない。」というのです。
このエピソードを読んだとき
おそらく、わたしは中学生くらいだったと思うのですが
物凄く頷いたのでした。
外国語の発音ができないだけといえば
そうなのだけれど
そのときの彼女にとっては
名前=自分自身であり「わたし」そのものだったんでしょう。
「わたし」を尊重しない相手に
はっきりと「NO!」と感じていたんだなぁと思います。
小学生だった千尋さんの視点、中学生だった千尋さんの表現
きっと今読んでも、頷けることがたくさんあると思うのです。
調べて見たら絶版になっていて
中古で高価でした。
参考本も、母の書棚で見かけた覚えがあるのだけれど
実家にあるかなぁ?
