1991年の手帳が出てきた。
読んでいると
「ああ、あったあった、こんなこと」という再発見がある。
<1991.1.14>
ヒトの家の風呂場に不法侵入したネコは
どうやらけがをしていたらしいが
この寒空にどうしているんだろう。
風呂桶にたまっていた血と小さな足跡を
洗剤でこすり乍ら、ぼんやり考える。
ネコにはネコの言い分があるんだろう。
昨日ベランダで生け捕りにした末に追い払ったハトにも
何かしら理由があるんだろう。
それぞれに生活がある。
自分自身にもある。
ネコだってハトだって寒い・・・。
そう思い乍ら、わたしは追い払うし、それでいいと思う。
弱者は保護すべきだとは倫理にはかなっているが
彼らが弱者かどうかは、彼ら自身の問題だと思う。
視点と中心議題、それによるところ・・・。
でも、あのネコはどこかで傷を治せただろうか。
あのとき、風呂桶に血がたまっていたのに、周りは殆ど汚れていなくて
どうも不思議だと思っていたけれど、数日たってピンときた。
<1991.1.17>
先日の不法侵入者は
どうやら、わが家の風呂場で出産したらしい。
子ネコたちはきっと、すぐに巣穴へ連れ帰ったにちがいない。
なんとなくホッとする。
きっと母子共に健康なんだろうと―。
いずれにせよ
わたしは夜中に風呂場の窓を開けて眠ることはなくなったのだが。
28歳のわたし
若いだけあって、考え方も文章も硬いわぁ~。
ちょっとはオトナになったのかしら